著者は政治学者で大学で教鞭をとる傍らで政府関係の委員や国連代表部大使や国際協力機構(JICA)理事長などを務めた。
私は「薩・長・土・肥」といわれる明治維新の中核を成した旧長門国・長州に生まれたこともあり、維新に至る苦しい道程を郷土史としてもみてきたことから、明治維新については非常に肯定的な立場にある。
然し戦後の日本で広まった、あらゆる戦争を否定する極端な平和主義などからは、結果的に発生した台湾出兵、日清戦争、日露戦争の例などから否定的な見方があった。
この本は、江戸時代から筆を起こし、開国と幕府の崩壊、新政府の成立過程を追うと共に、
・朝鮮問題やアジアの国際関係、及び条約改正。
・大久保利通を始めとする元老達の動きと権力、国力基盤整備とその推移。
・岩倉使節団が果たした役割と効果。
・自由民権運動~議会政治。
・明治憲法制定。
等々が、明治維新を客観的に視る立場から縦横に論述されている。
中身が濃く広範囲に渡るためどうまとめるか難しいが、明治維新を表している2つの言葉を書き留めておきたい。
①「はじめに」で著者が共感すると書いた、戦後首相に就任する気骨あるジャーナリスト・石橋湛山(いしばしたんざん)の言葉。
明治時代の最大の事業は戦争の勝利や植民地の発展ではなく、政治、法律、社会の万般の制度および思想に、デモクラチックの改革を行ったことにあると考えたい。
②著者が「あとがき」に書いた自身の振り返り。
明治維新を再検討してみて、もっとも印象的なのは、終章の末尾にも述べたとおり、日本が直面した最も重要な課題に、もっとも優れた才能が、全力で取り組んでいたということである。
◉今日の一句
香に負けてコンビニおでん釣られ買い
◉施設介護棟の屋上庭園、ミニバラ(姫薔薇)





「明治維新の意味」
