岡本隆司(おかもとたかし)著「世界史とつなげて学ぶ中国全史」東洋経済新報社 刊を読み終えた。
著者は東洋史や近代アジア史を専攻した特に中国研究の専門家で、私は大阪・中之島の朝日カルチャーセンターで講義を受けたことがある。
この本は黄河文明から始まり現代に至る中国の歴史を、世界史の大きなうねりのなかで概観しようとするもので、その背景には経済的にも軍事的にも大国となった隣国と今後どう向き合っていけばよいのかという疑問への答えがある。
私は凡そ四半世紀前に中国上海に仕事で3年間暮らし、反日デモにも遭遇、中国人にも接し考えさせられることも多かったが、日本人と異なる意識や行動を理解しようと思えば地理、風土などと共にその歴史を理解しなければと思うことが多かった。
私が感じた中国は広大な土地に東西南北違った風土と多くの民族、都市と農村を抱えた複雑で多様な国であり、他国にはなかなか理解が難しい奥行きがあるという印象であった。
その後も中国は成長を続け現在は世界第二位の経済大国となっているが、多くの矛盾を抱えているのも事実であり、理解をする必要がありつつ益々理解が難しい局面に差し掛かっていると思われる。
中国の歴史は騎馬民族、遊牧民族と漢民族の関わり合いのなかで推移していると思うが、例えばこの本はそう云う目配りもきちんとされていて「目前の現代中国は過去の歴史の積み重ねの決算であり、通過点でもあります」という著者の主張が生きている。
少し個人的な意見になるが中国の歴史の内、清朝末期~辛亥革命~日中戦争~現代中国に至る近現代史は優先して知っておいた方が良いように思われる。
◉今日の一句
気掛りを済ませ珈琲冬日差す
◉施設の庭、新しく植えられたストック



「世界史とつなげて学ぶ中国全史」
