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映画「たそがれ清兵衛」

NHKBSのプレミアムシネマで放送された2002年の映画「たそがれ清兵衛」を録画再生し観終えた。

この映画を観るのは劇場、TVも含めて3~4回はあると思え、心に残る映画なのでこのブログにも既に書いたのではと思って遡って確認したが書いておらず、これは是非共と今回書いておくことにした。

言うまでもなく「男はつらいよ」などの山田洋次監督作品で、優れた監督は現代劇であろうと時代劇であろうといい映画を作るものだと感じ入った作品である。

またこれも言うまでもないが、原作は同名の藤沢周平さんの短編で藤沢作品には馴染みの海坂(うなさか)藩が舞台、映画はこれに他の短編「祝い人助八」「竹光始末」等のストーリーを取り込み、元の小説を超えたものになっていると感じられる。

幕末という時代背景と世相、アクションや殺陣(たて)、ロマンス、家族の情愛、武士の非情や節義、礼儀作法などが隙間なくキチンと盛り込まれている。

主演は真田広之さん、相手役が宮沢りえさんで何れも若く溌剌としたはまり役といえる印象、敵役を演じた田中泯さんの強さと悲哀に満ち狂気がほとばしる演技も記憶に残る。

藩命で敵を倒した後、真田・清兵衛は藩が佐幕側に与して戊辰戦争を戦うなか戦死し、残された宮沢りえさんは清兵衛の娘2人を連れて東京に出て自活して娘たちを育てあげたことが、娘(成人後の娘を演じるのが何と岸恵子さん、幼い娘二人の演技がとても愛らしい)が回想する形で語られる。

海坂藩は藤沢さんの故郷である庄内藩山形県)酒井家がモデルと云われ、実際も庄内藩は佐幕側・奥羽越列藩同盟軍として官軍と戦った。

映画のなかで清兵衛は50石取りの下級武士として貧しい生活と共に描かれている。確かに表高14万石の庄内藩では下級武士といえるかもしれないが、例えば私の故郷厚狭をかつて領した萩藩の一門・厚狭毛利家で50石と言えば番頭(ばんがしら)などの上級家臣であり、下士であれば10石以下はざらであったことが分限帳(ぶげんちょう・家臣の身分給禄を記載)に記され、当時の下級武士の過酷な生活を伝えている。

◉余談ながら武士の石高はあくまで表高でありそのままの量の米が支給されるわけではない。映画のなかで清兵衛の50石を上司が家老に説明する場面が出て来るが、50石の内借り上げ20石で手取りが30石と説明された。

借り上げとは名ばかりで実際は強制天引きに他ならない。また海坂藩・清兵衛の6割支給はまだましな方で、米の値段が下がり武家社会全体の財政が厳しくなる江戸時代後期や幕末になると実質5割以上引かれるケースは藩や家によってざらに有り下級武士ほど生活は厳しくなった。

◉今日の一句

 

桃売り場吾子住む産地探し買ふ

 

◉健康公園のあちこち、すごい名前の外来種アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)

 

 




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