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「チャーチルは語る」

マーティン・ギルバート編 浅岡政子訳「チャーチルは語る」河出書房新社 刊を読み終えた。

著者はイギリスの歴史家、チャーチルの公式な伝記作家で関連の著作が多数ある。訳者は戦争や外交などの訳書が多数ある翻訳家である。

云うまでもなくウィンストン・チャーチルはイギリスの元首相で、卓越した文章力、演説、傑出したリーダーシップを持つ政治家で、特に第二次世界大戦を首相として英国を率い、ナチスドイツがヨーロッパを席巻する逆境のなかでスタートし、その後の連合軍勝利に結びつけた功績は歴史上比類のないものである。

この本は編者がチャーチルの多数の著書、記事、演説から彼の根本的な考え方が読み取れる文章200篇を選んで編纂したもので、幼少期や学校時代の回想、政治家として貢献した社会政策や戦争遂行をめぐることまで広範囲に及んでいる。

二つの世界大戦についてチャーチルは何を語りどう行動したか多くのことが記されているが、最も興味ある第二次大戦に関する内容については、当時の日本の指導者との比較を知らず知らずの内にしてしまい、複雑な気持ちに陥ることになってしまった。

ナチスドイツの脅威をイギリス国民に訴え続け、ナチスドイツがポーランドに侵攻して始まった第二次大戦に際し海軍大臣を経て首相に就任、フランスがドイツに占領されるなど当初の劣勢を耐え抜き、英米軍によるノルマンディー上陸を経てドイツ国内に進出、東部を担当したソ連と共にナチスドイツを降伏させる一連の連合軍の行動を、米・ルーズベルトソ連スターリンと共に主導した。

以下の2点はこの本に含まれた200篇のなかから私自身が最も感じ入ったチャーチルの言葉の一部である。

①フランスに侵攻したドイツがイギリス本土攻撃を計画している時点での国民や国会議員向け演説の一部(1940、6、17)、

~~我々は最後まで戦い続ける。フランスで戦い、海でも大洋でも戦い、自信と力を強めつつ空で戦う。いかなる犠牲を払おうと、本土を守り抜く。我々は海岸で戦い、敵の上陸地点で戦い、野でも街でも戦い、丘で戦う。決して降伏しない。~~~いつの日か、新世界(アメリカ合衆国)が全力をあげて、旧世界の救援と解放に乗り出すときまで。

②1941年12月7日(日本時間12月8日)日本はハワイ真珠湾アメリカ海軍基地を攻撃、同時に東南アジアのイギリス領とオランダ領も攻撃開始した。チャーチルはこの時を振り返りノーベル文学賞を受賞することになる著書「第二次世界大戦」に書いた内容の一部。

アメリカ合衆国が我々の味方についたことは私にとって最大の喜びだったと公言しても、私が間違っていると思うアメリカ人はいないだろう。~~まさにこのとき、アメリカがこの戦争に深く関わり最後まで関与し続けることを、確信した。ゆえに結局のところ我々はすでに勝っていたのである!~~~我々はこの戦争に勝ったのだ。イングランドは生き残る。イギリス連邦もイギリス帝国も生き残る。~~~

◉日本の米国真珠湾への攻撃と戦術的成功を、世界の卓越した指導者はどのように捉えていたのかを考えるとき、日本の指導者に比しこの先行きに対するひどい落差は恥ずかしいとしか云いようがない。

◉危機に際して一国の指導者はどうあるべきかが詰まった内容になっている。

◉今日の一句 露草は朝咲いて昼にはしぼむ半日花であることを詠んでみた。

 

露草と早起き競ひ朝歩き

 

◉施設の庭の生け垣に絡み付くヘクソカズラ、(名前を漢字で書くのに少々抵抗がある)

花や葉、茎を摘んだり揉んだりすると悪臭があることから付いた名前らしいが、花が可愛いところからサオトメカズラ(早乙女蔓)の別名もありこちらの方が余程いい。

◉写真を撮っている時に出会ったナミアゲハ

チャーチルは語る」




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