文藝春秋特別編集と銘打ったムック本「半藤一利の昭和史」文藝春秋刊 を読み終わった。
半藤一利さんは文藝春秋の編集者などを経て「歴史探偵」を自称された作家、戦史、歴史研究家で特に太平洋戦争を含む昭和史についての追求には定評が有り、2021年1月亡くなられた。
特に1945年8月15日「玉音放送」までの1日をそこに立ち会った人々の視点も交え描き出し映画化もされた「日本のいちばん長い日」は有名である。
この本の発行は2021年3月となっていて謂わば半藤一利さんの追悼本として編集発行されたようである。
8月に入り終戦記念日との関係もあり図書館で今一度関連する本を読もうと探していてこの本に出会った次第である。
内容は追悼に相応しく、
・「半藤さんから受けとったもの」と題する、作家、歴史家など9人による寄稿文。
・「半藤一利が見た昭和」と題した自身が体験した太平洋戦争と昭和史を語った内容。
・「半藤さんが出逢えたブレなかった日本人」と題した、非常時にブレることなく熱狂しないで自己を貫いた5人の評伝。
・『半藤さんが悟った「昭和の始まりは幕末だ」』と題した半藤さんと歴史家・磯田道史さんとの対談。
・『半藤さんの鑑定つき「昭和人物列伝」』と題した昭和史を彩る代表的人物70人の紹介と短評。
等々が収録されている。
半藤さん自身が筆をとった、巻頭特別掲載「なぜ明治は勝利し昭和は敗れたのか」では日露戦争と太平洋戦争を比較し、各々を担当した指導者の差が運命を分けた事を論じていて、司馬遼太郎さんのエッセイに通じるところがある。
この中で紹介され私自身感じるところがある、終戦直後昭和20年9月9日に昭和天皇が当時十一歳の皇太子(現在上皇陛下)に宛てて書かれた手紙のなかの一部、
手紙をありがとう しっかりした精神をもって 元気で居ることを聞いて 喜んでいます ~~
敗因について一言いわしてくれ 我が国人が あまりに皇国を信じ過ぎて英米をあなどったことである
我が軍人は精神に重きをおきすぎて科学を忘れたことである
明治天皇の時には 山県 大山 山本等の如き陸海軍の名将があったが 今度の時は あたかも第一次世界大戦の独国の如く軍人がバッコして大局を考えず 進むを知って 退くことを知らなかったからです
戦争をつづければ 三種の神器を守ることも出来ず 国民をも殺さなければならなくなったので 涙をのんで 国民の種をのこすべくつとめたのである~~~
◉昭和天皇がかなり正確に事態を把握されていることがよく判る。
尚、山県 大山 山本とはそれぞれ長州出身陸軍元帥・山縣有朋、薩摩出身陸軍元帥・大山巌、薩摩出身海軍大将・山本権兵衛のことである。
◉今日の一句
母の里辿る山路の零余子かな
◉住んでいる施設の職員さんに、ムカゴ(零余子)が、庭の隅に有ると教えて貰った。
確認すると畑のネットフェンスの外側に立派なムカゴが沢山見られ、子供の頃以来60数年ぶりの懐かしい出会いである。
十数年前に入居者のどなたかが手に入れられたムカゴを撒かれたのが成長したものらしい。
ムカゴは山芋や長芋の蔓(茎)に生じた脇芽(肉芽)のことで地に落ちて新たに成長するが、元々芋なので季節の食材として、塩茹でにしたり米と一緒に炊き込み「むかご飯」にされたりする。
ムカゴの蔓を追って行くと山地の中にしっかり根付いていて、子供の頃教わったようにこの下に立派な山芋が大きく育っているのではと想像が膨らみ、いつか掘ってみたい気がする。






この下に立派な自然育ちの山芋が!?

「半藤一利の昭和史」
