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厚狭にゆかりの方々へ・「馬関軍中日記」を読み終えて②

6月26日の続き

「下関事件」に至る概略経過は以下の通り、

「泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)たった四杯(四艘)で夜も眠れず」と云われた嘉永6年(1853)のアメリカ太平洋艦隊ペリー提督の浦賀上陸と翌安政元年(1854)の日米和親条約締結は約250年の太平を大きく揺るがした。

鎖国か開国かの外交課題は安政5年(1858)幕府が朝廷の許しを得ず日米通商条約を結んで開国したことにより、勤皇鎖国か佐幕開港かの内政問題となり、やがて尊皇攘夷・尊皇倒幕と公武合体と云う対立図式に変化する。

長州藩では文久元年(1861)藩士長井雅楽(ながいうた)の献策「航海遠略策(こうかいえんりゃくさく)」を入れ朝廷・幕府間の周旋を図ろうとしたが、これが開港や公武合体に繋がるものとして松下村塾に学んだ久坂玄瑞等の強い反対が巻き起こる。

文久2年7月藩主・毛利敬親、世子・定広父子は京に上り孝明天皇の真意が攘夷であることを探り「航海遠略策」を撤回し藩是を尊皇攘夷に一本化する。

文久3年3月孝明天皇は上京した将軍・徳川家茂と会見し攘夷の意向を示し、4月家茂は攘夷実行期日を5月10日と奉答しこれを受け朝廷、幕府双方から諸大名に伝達された。

しかし幕府はあくまで相手から実力行使があった場合に応戦することを想定しており、こちらから実力行使して攘夷実行を期したのは三百諸侯と云われる中で長州藩のみであった。

長州藩の攘夷行動とは狭い関門海峡を通過する外国船を藩の軍艦と下関側の沿岸砲を以て砲撃し打ち払うとするものである。

眠れる獅子・清国がアヘン戦争(1840~42)でイギリスに敗北した情報から長州藩内でも海防論が高まり、大調練(軍事演習)土着仕法(藩士の領地帰住)藩府の萩から山口への移鎮と共に藩内を区分して海防区を設け各区の惣奉行に領地の近い一門八家を当て有能な藩士をこれに配した。

厚狭毛利家は下関に領地を持つ支藩長府藩清末藩と共に下関を担当することになり、これが攘夷実行期日を前にした厚狭毛利家当主の海防惣奉行としての現地出張、出陣に繋がることになる。

厚狭毛利家が惣奉行を直接現地で受け持った約2ヶ月間で5回の砲撃、交戦があり日記に記されているがその概略は以下の通り。

・5月10日、アメリカ商船・ペンブローグ号を砲撃、数発が命中し元々の行き先上海へ逃げた。

・5月23日フランスの通報艦・キャンシャン号へ砲撃、乗組員4名死亡1名負傷し上海へ退去した。

・5月26日オランダ軍艦・メデューサ号へ砲撃、乗組員4名死亡5名重傷、下関海峡の民家や藩船も被弾負傷者が出た。

・6月1日アメリカ軍艦・ワイオミング号報復の為来襲、乗組員6名死亡2名重傷の損害、長州藩船は2隻撃沈、1隻大破し3名死亡8名負傷し長州海軍は事実上壊滅、町屋民家にも被害が出た。

・6月5日フランス軍艦・タンクレード号及びセミラミス号報復の為来襲、ボートに250人が分乗して上陸し陸戦、小銃性能にも格差あり藩側に戦死負傷者も出た、大砲台場を破壊され建物が焼き払われた。大砲の射程に格差あり、相手はこちらの弾の届かないところから撃って来るとの記述で敗北したとの受けとめである。

例え少数でも軍艦が意図して来襲した場合彼我の戦力には圧倒的な差があり、藩ではこの結果を衝撃を以て受け止め、当時脱藩の罪で謹慎中の高杉晋作を起用することを決した。

高杉晋作は即日行動を起こし下関に出向き白石正一郎松下村塾門下生などの協力を得て有志の軍「奇兵隊」を組織、これに倣って以後続々誕生する「諸隊」と共に長州藩軍の核となる。

この文久3年の攘夷砲撃事件の翌年元治元年(1864)8月イギリス・アメリカ・フランス・オランダ4か国17隻の連合艦隊が大挙して下関に報復来襲、陸戦隊も上陸し砲台などが徹底的に破壊された。

長州藩ではこれ等前後2回の下関での武力衝突(2年をまたいで併せて下関戦争と呼ばれる)を経て武力攘夷を放棄し近代化へと梶を切るが、この外患と併せ<元治(げんじ)の大局>と呼称される内憂「禁門の変」「長州藩内戦」「長州征伐・四境戦争」などが続き存亡の淵に立たされるが、これらを死に物狂いで乗り越え明治維新を迎えることになる。

🔘この後厚狭毛利家は、急進攘夷を唱える正義派と保守の俗論派との「長州藩内戦」では、負け組となる俗論派に与し維新へと沸騰する時流に取り残されることになる。

🔘今日の一句

 

赤道下重ねた日焼け連れ帰る

 

🔘施設中庭のクチナシ(梔子)、蜂が蜜を集めに来ている。

 

 

 

 




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