神戸に引っ越し、施設の俳句サークルに入り作句を始めて3年目になるが、その芯となるものが分かったとは云い難く、季語と五・七・五を基本に試行錯誤している。
素人目にも松尾芭蕉が俳句の巨星であることは間違いないが、その芭蕉の句について論じた高柳克弘著「隠された芭蕉」慶應義塾大学出版会刊 を読み終えた。
著者は芭蕉の研究者で俳人でもあり、NHK俳句のテキスト6月号では誌上添削教室を担当されている。
この本は研究者の立場から芭蕉の句を深く掘り下げ、正岡子規等の近代の俳句に対する見方から余り注目されて来なかった「隠された」部分を明らかにしようとする芭蕉論である。
この為例えば、感情表現、時間表現、比喩表現、風景描写、虚実、等々13の切り口から芭蕉の句を時として同時代や近代の俳人と比較も交え専門的に論じたものである。
その為俳句初心者がこの内容に分けいるには荷が重いが、折角なので2つのことについて書き出しておきたい。
・俳聖芭蕉も改作や推敲を重ねている。
1ー①山寺や岩にしみつく蝉の声
1ー②寂しさや岩にしみ込む蝉の声
1ー③閑さや岩にしみ入る蝉の声
2ー①さびしげに書付消さん笠の露
2ー②今日よりや書付消さん笠の露
3ー①さびしさや花のあたりのあすならう
3ー②日は花に暮れてさびしやあすならう
4ー①あらたふと木の下闇も日の光
4ー②あらたふと青葉若葉の日の光
5ー①あなむざんや甲の下のきりぎりす
5ー②むざんやな甲の下のきりぎりす
・私の最も身近な句、芭蕉が須磨を訪れ鉄拐山(てっかいさん)に登って詠んだ句の著者の解釈。
かたつぶり角振り分けよ須磨明石
「須磨、明石という歴史的な地を、こともあろうにかたつむりという矮小な生き物に教えてもらおうとしている奇矯な人物像を芭蕉が作った。芭蕉は十七音のみを作ったのではなく、十七音の向こう側にいる主体そのものを作り出した」
🔘須磨浦公園にあるかたつぶりの句碑(鉄拐山に登った折りに撮った)

🔘今日の一句
一ノ谷逆落とし行く蝸牛
🔘いよいよ梅雨入り、梅雨に似合うのはやはりこれだろうか?施設の庭のアジサイ(紫陽花)








「隠された芭蕉」
