最近NHK では再放送が増えていて経費削減の意図だろうと思う反面、見逃していた番組でまたとない機会だと喜ぶケースもある。
だいぶ以前に再放送され録画していてなぜもっと早く再生しなかったかと思ったこのNHK特集「私は日本のスパイだった~秘密諜報員ベラスコ~」もそのひとつである。
元々昭和57年(1982)に放送されたもので、当時の放送やTV界の賞を多く受賞した実績があることを納得した。
太平洋戦争の開戦前から終戦まで(1938~45)の日本の最高機密暗号情報が米国に解読され「MAGIC」と呼ばれて大統領をはじめ政府高官に回付され、連合国はこれによって日本の手の内を読み勝利へ導いた。
この「MAGIC」文書が年を経て機密解除になったことに伴い、番組では2万ページに及ぶ文書を読み込みこの中に日本の為に機密情報を入手して送り続けた諜報組織「東・TO」なるものを発見し、当時まだ生きておられた日本側の窓口外交官や組織の責任者・ベラスコにたどり着く。
「TO」は駐スペイン公使を中心に組織されたもので少なくとも12人のスパイを米国に潜入させ情報収集に当たらせた。当時のスペイン(フランコ総統の右派政権)は中立を保っていたがどちらかといえばドイツや日本に友好的で欧米情報の入手にとって貴重な位置にあった。
ベラスコはスペインの諜報部員でもあり、駐スペイン公使、一等書記官と連携し組織を立ち上げ運営した。以下は貴重な情報の例、
・昭和17年8月ソロモン諸島・ガダルカナル島の攻防戦で,「TO」情報は米軍は大軍を派遣して本格的に大反抗上陸占領すると伝えたが、日本軍はこの情報を無視し、都度支援兵力を小出しにして全滅し米軍の勝利が確定する。
番組の終盤ベラスコ本人、アメリカ太平洋艦隊の元情報参謀、日本海軍軍令部情報担当の証言が出て来るが、何れも日本の情報取扱いの不備、軽視を指摘しており、具体的な例を前提にしているだけに極めて重要で傾聴に値すると思われる。
最後にベラスコが一等書記官の音声メッセージを懐かしみ、絞り出すように「我々のあの夢と力はどこに消えたのか、なんて無駄な努力をしてきたんだ!」と叫んだのは印象的な場面であった。
🔘日中戦争や太平洋戦争の歴史を振り返る場合、日本政府や日本軍の情報軽視が繰り返し語られる。今回の番組ではより具体的な映像からであるだけに頭に刷り込まれたような気がしている。
🔘今日の一句
青芝を足裏(あうら)に受けてグリーン読む
🔘施設の介護棟、屋上庭園のオオツルボ(大蔓穂)・シラー・ペルビアナ




