作家・司馬遼太郎さんは平成8年(1996)2月12日に72歳で亡くなられたが、その著作に「菜の花の沖」と云う淡路島生まれの海商・高田屋嘉兵衛を主人公にした作品があり、また生前菜の花など黄色い花が好きだったことに因み2月12日を「菜の花忌」と云い俳句の季語にもなっている。
司馬さんの東大阪の居宅をベースに設立された「司馬遼太郎記念館」では菜の花忌の前後に毎年シンポジウムや講演会が開かれていて、今年は第28回シンポジウムが東大阪で『「空海の風景」を読む』と題して開催された。
これをNHK Eテレでは記録放送され私も録画して観ることになった。
出席の論者は歴史家・磯田道史氏、作家・澤田瞳子氏、宗教学者・釈徹宗氏、作家・辻原登氏、司会はNHK アナウンサーの上田早苗氏で進められた。
司馬さんは平安時代密教の教えを日本に伝え真言宗を開いた弘法大師・空海の思想や生涯を膨大な史料や経典から浮き彫りにした。
司馬遼太郎作品を私は大部分読んでいると思うし、「空海の風景」も単行本を購入して読んだが、未だに歯が立ったような気がしない。それは結局のところ大日如来や即身成仏、密教と云うものが根本のところで理解出来ていないことによる。
司馬さんは新聞記者時代に宗教担当であったことがエッセイなどに出てくるが、この時の経験や知識がこの作品に生きているのではないかと個人的に思っている。
番組を観終えても「歯が立たない」ことにあまり変わりなく、弘法大師を宗教者としてみるよりつい歴史的人物のひとりとして、私のふるさとにも有った民間信仰の「お大師様」として認識している。
それはそうとしてせっかくのシンポジウムなので4人の論者が空海を評したひと言ずつを書いておくと、
澤田瞳子
強い好奇心を持っていて世界に対する拒否感がない。
温かくてとにかく明るい。
レベルの高い空想力の持ち主。
世の衆生を救い更に自分を生かす思想を求めた。
🔘席上、辻原登氏の以下の話は新鮮であった。『富士の裾野・御殿場にある「文學者之墓」では、その作家の代表作を本人の希望に基づき刻むことになっているが司馬遼太郎は「燃えよ剣」と「空海の風景」を望み、そのように刻まれている』
🔘今日の一句
スーパーの店番兼ねて燕の巣
🔘4月21日のこのブログに健康公園のカリン(花梨)の花を載せたが、花が散り小指大の小さな可愛らしい実をつけはじめた。
カリンはリンゴ大に大きくなるはずなのでこれからそのプロセスを見ることが出来るらしい。




