馬場朝子著「ロシアのなかのソ連/さびしい大国、人と暮らしと戦争と」現代書館 刊を読み終えた。
馬場朝子さんは現在はフリーのジャーナリスト、ソ連時代にモスクワ国立大学に6年間留学し帰国後NHK に入局、ディレクターとしてソ連、ロシア関係の番組を制作すると共に同関係の著作や訳書がある。
(巻末に著者がNHKで制作、NHK スペシャルやEテレで放送された40本以上の番組リストが載せられていて、その内容の濃さに驚いた)
著者はNHK を退職したあと、もう一度ロシアの手触りを感じてみたかったと、2012年から5年間再びモスクワに移り住んでいて、留学と併せ10年以上にわたる滞在がこの本の土台になっている。
この本は2022年9月に出版され、当然同年2月に始まったウクライナ侵攻がその内容のひとつで、ロシアとウクライナとの関係が歴史的経過や人々の繋がりを含めて描かれている。
しかし主題を成しているのはそこに至る以前の、ロシア革命、ソ連時代、ソ連崩壊と市場経済、プーチンの時代へとつながる歴史的経過、大祖国戦争(独ソ戦)、アフガニスタン侵攻のことなどである。
更にソ連時代などを経た人々の気質、働き方、宗教、他国を見る目、祖国に対する気持ちなどが実例をあげて平易に語られる。
また革命やソ連時代が育んだ芸術に対する思い入れや言論の自由の実態もよくわかり、現在の政治が志向していることと併せソ連時代がまだ根強く影響を及ぼしていることが理解できる。
今まで隣国ロシアについては、日露戦争、ロシア革命、社会主義ソ連、鉄のカーテン、シベリア抑留といった負の印象が強い国家単位の理解であったが、この本の易しい語り口のお蔭で、人々がどのような考え方を持ちどのような生活をしているのかなどの部分で理解が進んだような気がしている。
🔘今日の一句
中空に英字を描けり夕燕
🔘健康公園のカナメモチ(要黐)の花
カナメモチは見慣れた木だがその花がこれ程可愛らしいとは今まで全く知らなかった。








「ロシアのなかのソ連/さびしい大国、人と暮らしと戦争と」
