高田胤臣(たかだたねおみ)著「だからタイはおもしろい/暮らしてわかったタイ人の素顔」光文社新書 を読み終えた。

著者は1977年生まれのライターでタイ在住、妻はタイ人と略歴に書かれてあり、タイやバンコクを紹介する色々な著作があるとのことらしい。
この本が出版されたのが2023年11月となっている。私が仕事でタイ・バンコク近郊の工場に6年弱赴任し帰国したのが、アジア通貨危機が始まる前の1996年だったのでこの間約27年の歳月が流れている。
以下この本に書かれている内容と私が感じたり記憶しているタイのアレコレについて、異なっていることや変わらないことなどの例を少しだけ書いておきたい。
⚪明らかに変化していること
・タイは王制で、私が住んでいた頃のプミポン王(ラマ9世)は国民から圧倒的な尊敬を集めていたが、その後即位したワチラロンコーン王(ラマ10世)や現状について、特に若い層を中心に考え方の変化がみられ王室に対しても声をあげ始めている。
・以前住んでいた頃、日本の存在感は他国を圧倒していて、現地生産の雇用、工業製品の品質、漫画やキャラクターなどのソフトパワー、観光客などで少し大げさに云うと「日本凄い国」と思われていた部分があったが、今、日本のもので注目されるのは和食や日本旅行などで「タイ人は親日家」という昔の感じは無くなっていて、これは日本の勢いが無くなってきていることが反映している。
・2000年以前、バンコクの交通機関はタクシーと三輪の卜ゥク卜ゥク、路線バスで何れも古びたものだったが、現在は高架鉄道や地下鉄が走り、タクシーはメーター制で車体も新しいものが多い。
⚪あまり変わっていないと思えること
・海外在留邦人2023年度統計によるとタイは78431人でアメリカ、中国、オーストラリアに次いで4位、都市別ではバンコクはロサンゼルスに次いで2位、日本のメディアのタイ情報はいい話ばかり、青い海、美味しいタイ料理など、しかし実際には悪い面がある。例えば政治の不安定さ、洪水などの自然災害、治安があまり良くなく日本人が巻き込まれるケース、観光客へのぼったくりも変わらずあるらしい。
・商慣習で日本では「お客様は神様」という言葉があるように買う側の優位が一般的だが、タイではあくまで商売上対等で、場合に依っては「売ってあげている」スタンスが垣間見えるときがある。
・女性に比べタイ男性の責任感は家庭や仕事を通じて見劣りする。外資がタイ人を雇う場合でも女性が高い役職に就くケースが日本に比べて多く、女性の社会進出が当たり前になっている。
🔘タイ人が日常よく使う言葉のひとつに「マイペンライ」(気にしない、大丈夫、etc)がありそのおおらかさを端的に表し、「微笑みの国」と併せ対外的なイメージを良い方に形作っているが、当然の事ながらそれだけではない住んでる者にしか分からない別の面が辛辣に赤裸々に書かれていて、自分の記憶を振り返りながら読ませて貰った。
タイから帰国して後、仕事やゴルフで10回ぐらいは再訪したが、その後10年位間が空いており、もう一度現在のタイやバンコクを観てみたい気がする。
🔘今日の一句
混群で木の芽食む野鳥(とり)太鼓腹
🔘施設介護棟の庭、サザンクロス

