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「歌人 美智子さま こころの旅路」

NHKTVで「歌人 美智子さま こころの旅路」という番組が放送され、録画したままにしていたがようやく見終わった。

岩波書店から「 歌集 ゆうすげ 美智子」と題した上皇后美智子様の歌集が今年1月に出版されたことで出来上がった番組である。

昭和43年皇太子妃の時代から平成30年皇后陛下の時代まで未発表の「歌」633首が収められているとのことで、歌集の解説をされている歌人歌会始の選者も務められた宮内庁御用掛・永田和宏氏が、美智子様に未発表の「歌」があることを知り出版を勧められたと番組で語られている。

そのなかの永田氏の印象的な言葉、初めて歌集にお名前が刻まれたことに関連して。

「生きておられたことを大切に「歌」に詠んでこられた。~~これまでの歌集には「皇后陛下御歌集」のように美智子という名前が付いていない。皇太子妃の「歌」とか皇后さまの「歌」とか上に何か付けがちになるが、歌人・美智子として「歌」にバイアスをかけずに向かいあって欲しいとの思いが強くある。」

・本の題名「ゆうすげ」はこれまで幾度も「歌」に詠まれている花だとのことで、そのひとつが紹介された。(昭和49年)

三日(みか)の旅終へて還らす君を待つ

庭の夕すげ傾(かし)ぐを見つつ     

私は俳句を始めたばかりで、もとより短歌への素養は全くなく申し訳ないが、番組で紹介された歌のうち、自分なりにこころに響いた歌は以下の通り。

・民間から皇室に入られ、30年余り後自分の人生を振り返って詠まれたもので、この「歌」が一番響いた。(平成7年)

かの時に我がとらざりし分去れの

片への道はいづこ行きけむ        

鳥取県を訪問され村の青年達と話されたことを思い出し詠まれた。(平成6年)

今一度訪ひたしと思ふ

この村に辣韮(らっきょう)の花咲き盛るころ      

・体調を崩され失声症を病まれた時期に詠まれた。(平成5年)

うつつにし言葉の出でず仰ぎたる

この望の月思う日あらむ         

東日本大震災の復興について詠まれた。(平成24年)

今ひとたび立ちあがりゆく村むらよ

失せたるものの面影の上(へ)に     

北朝鮮より帰国した拉致被害者2名に会われて詠まれた。(平成15年)

言の葉の限り悲しく真向かへば

ひたこめて云ふ「お帰りなさい」     

・先の戦争の激戦地・サイパン島を訪問され、民間女性が飛び降り自決した事実を前に詠まれた。(平成17年)

いまはとて島果ての崖踏みけりし

をみなの足裏(あうら)思えばかなし   

🔘番組の語りは俳優の伊藤沙莉さん、「歌」の朗読は高橋美鈴アナウンサー、何れも番組にピッタリの声で「歌」の中身が私に迫って来る感じがして何度か不覚にも涙が出てしまった。

短歌の素人が云うのもおこがましいが、肩書きなしに時代を超えて残り記憶される歌が幾つも有るような気がする。

🔘今日の二句

 

別の道何処へ着きしや春の夢

 

凍戻る土にめげずと豆の苗

 

🔘健康公園と施設の庭のコブシ(辛夷)春待芽




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