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「現代中国都市と農村の70年」

浜口允子(はまぐちのぶこ)著「現代中国都市と農村の70年」放送大学叢書版を読み終えた。

著者は東洋史学、中国近現代史の専門家で、1990年代に研究会グループで6年間に渡り、戦前に満鉄調査部が実施した華北農村の実態調査と同じ村々を訪ね、延べ540人の農民に直接インタビューし以後50年の彼らの歴史を聞き取った実績がある。

表題の70年は1949年の中国建国からこの本が書かれた2019年の経過を指しており、先の50年の実態調査にその後20年の追跡を踏まえ、その歴史を振り返り今後に繋げようと意図されたものである。

特に主題となっているのは中国特有の、他の国にない「都市」と劣位の「農村」という厳然とした二元社会の存在と、そこに至る歴史的経過、それを改善しようとする政策的な動きである。

この状態になる根源を歴史的に遡ると、建国時に於ける厳しい国際情勢を踏まえた「都市の工業化」をはじめとする都市の整備、建設にあると説明される。

またこの事を大きく支えたのが1958年に制定された戸籍制度で「都市」と「農村」が区別され、その間を移転することは特別な場合を除き原則困難であり、農村戸籍保有者は教育、医療、社会保障などで都市戸籍保有者に比べ不利な扱いを受けてきた。

私自身の生まれは農村でありその後都市で永年暮らしたので、農村と都市との対立的関係や補完関係もある程度理解できると自負しているが、たまたま2000年代初頭に仕事で中国屈指の大都会・上海市に赴任、そこで3年間暮らした。

本書に書かれている中国特有の他の国に無い二元社会というものの一端を、この3年のなかで大都市に住みながらであるが、以下のように垣間見ることが出来た気がして、この本の指摘にうなずけるものも多い。

・地方出身で都市戸籍が欲しい場合、都市の一定の企業に就職して認められることで叶う場合があり、そういう思いで努力する若い人にも出会った。

・地方の農村戸籍保有者で上海など都市に出稼ぎに出る人は「農民工」略して「民工」とも呼ばれ往々にして都市の最下層を形成するが、都市住民の彼らを見る目は極めて厳しいものが多い。

・私の住んだ上海市は中国の中でも先進地帯である長江デルタ地域に属するが、上海市内を離れ近辺の地方に出ると都市と地方の格差をまだまだ日本以上に感じた。

これらの格差問題は中国国内でも強く認識され、近年継続して「農村優遇政策」が実行されているとの記述が本書の後半の主題のひとつになっているが、残念ながらこの本は2019年に出されたものでその後現在迄の約5年間の進捗状況を知ることができない。

何かの機会を得て中国の都市と農村・地方との関係の最新の現状を知りたいものである。

🔘今日の一句

 

去年植えし茗荷未だし春近し

 

🔘施設の介護棟の庭、ビデンス(ウインターコスモス




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