高野 潤(たかのじゅん)著「インカ帝国―大街道を行く」カラー版中公新書を読み終えた。

著者は写真家で、ペル―やボリビアのアンデス山脈や南米アマゾン川流域に毎年通って撮った関連の写真を中心にした著作が多いとのことである。
以下の2点で丁度南米やインカ帝国に興味を覚えていた矢先、図書館でこの本に出逢い躊躇なく借り出した。
・最近カラオケのなかで「サイモン&ガーファンクル」という米国の2人組が1970年代に唄った「EL CONDOR PASA ・コンドルは飛んでいく」を練習しているが、この曲の源流はペル―やボリビアの先住民にあることを知った。
・先日NHKTVでインカ帝国のものと考えられているマチュピチュ遺跡を詳しく紹介する2時間番組があり興味をもって観させて貰った。
インカ文明は西暦1200年頃、現在のペルー南東部にあるアンデス山脈の髙地・クスコを拠点に始まり、帝国の最盛期、15世紀頃には最大版図はチリ北部、アルゼンチン北西部、コロンビア南部迄拡がり、途方もない部族数と1600万人の人口を擁したが16世紀スペイン人の侵略により滅亡した。
インカ帝国は自分達の領土をタワンティン・スユと呼びクスコを中心にこれらの地域を結ぶ大規模かつ精巧な大街道で結ばれていた。この大街道と派生した道は南北数千km、縦横合わせた全長は3万km以上といわれる。
この本は写真家である著者がこの道を通して、インカの歴史、マチュピチュを含む遺跡、昔からの高山の畑、金産出、食糧のあれこれ等々を写真付きで語り、インカ帝国の全体像に近付こうとしたものである。
🔘マチュピチュの建造物、大街道の石畳、各種の建造物などを見ると私見ながらインカ文明は石の文明ではないかと思える。
今まで南米やインカ帝国等は全く理解の外にあったが、この本のお陰でその扉を僅かに開けて貰ったような気がしている。
🔘帝国の大街道と言えば時間的にも空間的にも遠いローマ帝国の「全ての道はローマに通ず」の寓話が知られるが、大きな国を運営する場合の優先的な事業は共通なところに行き着くようである。
🔘今日の一句
瀬戸海を画布に見立てて冬の潮
🔘施設の庭、トベラ(トビラノ木)
果実がはじけて種子が完全に露出した状態


約1ヶ月前の果実がはじけ始めた状態

