
副題が「非漢族にとっての三国時代」とあり、中国で秦の始皇帝から漢王朝まで約450年続いた統一が瓦解して出現した三国時代、魏(ぎ・曹氏)・蜀(しょく・劉氏)・呉(ご・孫氏)の周辺居住民族と三国の関係を膨大な文献や史書を読み込み論じたものである。
三国は各々の対立関係から周縁(周辺)の勢力との関係強化が基本路線であり、周縁の民族種族のなかにも自民族が生き残るためにこれを期待する動きがあった。
NHKBSのドキュメンタリーに「中国秘境 謎の民」というシリーズ番組があり中国周縁の秘境で暮らす少数民族の歴史や暮らしが記録放送され私は欠かさず観ているが、この本に書かれる幾つかはその謎の民のルーツと言えるものではないかと思われるれる。
ここで取りあげられている非漢族は烏桓(うがん)、鮮卑(せんぴ)、朝鮮、越族(えつ族)、氐(てい)、倭(わ・日本)などだが、字数の関係からこのうちの倭について少し触れておきたい。
当時の倭を代表する邪馬台国の女王・卑弥呼が三国のうちの魏から「親魏倭王(しんぎわおう)」の称号を得て冊封(さくほう・臣下に爵位や名号を与える)されたことは、周知の通り「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に記録されているが、この事について決定的な言葉は避けつつ以下のような論議が紹介されている。
・卑弥呼の使者・難升米等は当時新たに魏の領土となっていた朝鮮半島の帯方郡に至りそこから皇帝への謁見が可能になり都・洛陽に至った。
(最初から皇帝に謁見することを考えていたとすると記録に残る献上品が貧弱過ぎる?)
・魏は、地理的にみて敵対する呉や不安定な朝鮮半島の背後に位置すると考える倭を引き付けておく必要があった。
🔘この本の中では殆ど卑弥呼側の事情が取りあげられてないが、一般的には卑弥呼としては最大の敵・狗奴国(くなこく)の王・卑弥弓呼(ひみここ)に対抗する為や、邪馬台国内部の統制強化の為にも魏の後ろ楯が必要だったとされている。
🔘中国の少数民族については2021年10月20日のこのブログに「中国少数民族の一断面」として書いたことがある。
🔘今日の一句
夜半の強風(かぜ)朝凪ぐ海は知らぬ気に
🔘健康公園、ねむの木の花が咲き始めた。





