先月サインをもらった「桃を煮るひと」を読んだ。食エッセイだ。新聞に連載していたエッセイを核にしてまとめたものとのこと。私も同種の本をミシマ社から出してもらっているけど、あれとは違って判型が小さくページ数も少なくて、なるほどこういうライトな感じの本にする手法もあるのか、と思う。なんか表紙も中も紙がこってて、ミシマ社の本造りはいつもすごいねえ、と思ったり。で、本の中身は、食べることにまつわる日常のあれこれが書かれていて、文体は小気味よいテンポ。そうかこれがあの売れっ子くどうれいんかと思って読んだ。なんか、やっぱり売れっ子と言うのは自分を含め書く対象との距離の取り方が絶妙なもので、近くによって些細なところに注意を向けるのと同時に、この同時に、というのが大事だと思うのだけど、そんなシーンを離れたところから俯瞰で見ているのよね。その両者を行ったり来たりして書かれている。なんか変幻自在融通無碍って印象を受けた。ところで、一人でご飯を食べられない、という話があって、そうだなあ私も昔はそうだったなあ、と思い出す。あれはやっぱり若いからであって、年取ってくるとそういうのできるようになる、、っていうか一人のほうが楽になってくるよね、と思ったりしました。