★★★★★ 2026年1月11日(日) MOVIXあまがさき11

陰キャのダーレン・アロノフスキーが陽に転じたという評を見たけど、充分に陰だと思う。巻き込まれた状況のお先真っ暗さはシャレにならないレベルで、悪いことしてないのに追われて捕まれば即死ぬ。それも多分拷問紛いに殺される。
そういった設定は、序盤すぐのロシア人(ウクライナ人?)2人組に主人公が半殺しにされるシーンで完璧に担保される。
アロノフスキーの新生面と言うなら、こういうクライムノワールの擬斗のキレが予想外に見事に生々しいことじゃなかろうか。俺は一気に引き込まれた。
文字通り死屍累々な展開なのだが、コーエン映画ばりに抜けたキャラ(モヒカン)や極悪と善良の往還キャラ(ユダヤ人兄弟)が陰惨さを緩和する。この辺をして陽転したとするのなら解らなくもないが、温さは微塵もない。
陰ワールドに埋没していたクローネンバーグが「ヒストリー・オブ・バイオレンス」で鮮やかに転換したような衝撃を今回のアロノフスキーにも感じた。
主人公はマザコンで、しょっちゅう母親に電話してるという設定なのだが、ラストで1カット、母親が出てきます。アンクレジットのカメオなんやろうけど微妙に納得。