今年の職場の健康診断の結果で、前立腺がんマーカーのPSAの値が7.5に上昇していた。健診での判定値は4以下だが、以前、かかりつけ医から10を越えないと大きな病院は相手にしてくれないと聞いていたので、まだ大丈夫だろうと考えていた。
職場の健康管理室からは、健診としては異常値なので精密検査を受けるように指示が出ている。昨年までも精密検査の指示があったのだが、かかりつけ医で直腸診をしてもらってそれで済ませていた。今年は直腸診なしで済ますべく、PSAの再検査をして問題なしとしようとしたのだが、結果は10.75と悪くなってしまった。かかりつけ医からは熱心に検査を勧められて昨年までのような報告書を書いてもらえそうにない。こうなったら、理論武装して健康管理室に対して精密検査を受けないという宣言をすることにした。
日本の前立腺がん情報はPSA検査が前立腺肥大でも数値が悪化するという説明はあるものの、4以下の基準を越えたらエコーと生検でがんかどうかの判定をという流れになっているものがほとんど。
しかしアメリカが情報源であるMSDマニュアルやWikipediaの英語版では、悪性度が低い場合が多い前立腺がんでは、PSA検査でさえ実施するかどうに議論があるということが書かれている。悪性度が高い場合には骨などに転移して短期間で亡くなるリスクはあるのだが、悪性度が低く進行の遅い患者が多く、別の病気で亡くなるまで前立腺がんが維持される例も多いという。経過観察が治療の選択肢に入っているぐらいだ。また、がんの確定のための検査として実施する直腸から針を刺す生検には感染症などのリスクがあるし、治療する場合は前立腺の摘出となり、避けられない尿失禁や勃起障害などがそのまま治らないリスクがある。
検査の結果、がんだった場合に前立腺摘出の手術を受けるのかと考えてみると、排尿機能という生きる基本部分でのQOLの低下は受入れ難い。寿命は短かくなるが、もう十分に生きたし生き長らえて認知症になることも避けたい。そもそも悪性度の高いがんである可能性は高くはなく、前立腺肥大に似た症状だけで済む可能性もあるだろう。と、このまま何もしないという結論となった。
結論は出たので健康管理室に連絡の準備をしていたら、昨年は8月下旬に精密検査の督促が来ていたのに今年は来ていないことに気付く。もしかすると前立腺がんだけが対象の場合は督促対象にならないのかもしれない。生死に関わる問題を会社が督促して決めさせるというのはやり過ぎだということか?とりあえずこのまま様子を見ることにした。