植田日銀は、利上げの絶好のチャンスを見送り、半年に1回のペースで緩やに円安を是正する路線から外れ、ムダに円安が進んでしまった。これでは、無意味な金融緩和で成長を加速させる幻想に取りつかれた黒田日銀と同じではないか。金融政策で成長は動かない現実を認め、動かせるドル円で適正な水準を目指し、物価安定を図るというリアリズムを、いつになったら会得するのかね。
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6月の商業動態・小売業は、前月比+1.1と高めだったが、4-6月期は前期比-0.1にとどまった。各種商業の低下が大きいので、インバウンドの影響と見ると、4-6月期の家計消費は、実質で若干のプラスくらいか。4-6月期は、生鮮以外の物価上昇がきつく、前期比+1.2もあったため、こんなものかと思う。サービスは+0.3に過ぎず、資源価格も落ち着いているので、物価高は、日銀の円安是正の失敗にある。
6月の鉱工業生産は前月比+1.7と高めだったが、4-6月期の前期比は+0.3の上昇にとどまった。資本財出荷(除く輸送機械)の4-6月期の前期比は+4.2と高かったものの、輸入が大きく下がっている。輸送機械は前期比-2.0の低下である。他方、建設財出荷は-2.2と下落している。情報化投資は順調だ。こうしたことを踏まえると。4-6月期の設備投資は前期比+0.5%くらいか。まずまずの伸びだ。
6月の労働力調査は、就業者が前月比-5万人、雇用者が横ばい。これで、4-6月期は前期比+7万人と+3万人になった。これまでは十数万人はあったわけで、明確な減速だ。特に、これまで勢いよく伸びていた女性が伸び悩むようになった。新規求人倍率も、4-6月期は2.19倍で前期比-0.13となった。人手不足は言われて久しいが、足元では、雇用の拡大は減速していると言える。
(図)
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内閣府も、経済財政白書で、物価と賃金の好循環という幻想を書いてしまうし、リアリティの乏しさは如何ともしがたい。循環は売上と賃金だし、売上次第で設備投資はなされる。物価とか金利とかじゃないんだよ。売上と分かれば、おのずと政策も決まってくる。ガソリン減税で売上を減らしてどうする。必要なのは、消費増に結びつく負担減だろう。経済政策のさまよいは続く。
(今日までの日経)
日米中銀、動かぬ夏。円下落、一時150円台 4カ月ぶり。外為特会剰余金、昨年度5.3兆円。ガソリン減税「年内実施」で与野党合意。3メガ銀、海外融資100兆円。