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物価高において戦場を選ぶこと

 アベムジカというバンドアニメの話を聞いて、妙なところに感心してしまった。主人公は、野心的なプロジェクトに挑み、支えることに必死で、負荷の過ぎた盟友がメンタルに異常を来たしているのを見過ごしてしまう。ついに主力を失ってプロジェクトは潰え、絶望するだけでなく、狂態を目にして悔恨に泣き崩れ、求めていたことすら否定せざるを得なくなる。仕事より体が大切とは、よく言われるが、どれほど重いかは、できる人間ほど、大なり小なり経験し、彼我を知って戦場を選ぶことを思い知る。今の若手がアニメで学んでいるとは思わなかったよ。

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 4月の消費者物価指数は、総合が前月比+0.1にとどまった。要因は生鮮の低下で、ウエートは米類の10倍だから、影響は大きい。生鮮は、上下が激しいために省かれがちだが、年間で見ても、総合や財より上昇幅がずっと大きい。物価高の庶民の痛みは、実は、ここにあるので、値上がり分にまでかかる消費税は目の敵になるし、野党は食料品への減税で選挙でのウケを狙うことにもなる。

 とは言え、消費税は社会保障財源になっていて、逆進性の強い社会保険料を上げないためのものであることを忘れてはいけない。戦場を選ぶ必要がある。対する財務省も、籠城作戦に出たものの、時流に乗る勢力を抵抗運動で押し返すのは危い。本当の戦場は、「真に意味のある社会保険料の軽減」なのだが、体力勝負を避け、ここに行き着くには、戦略を練らなくてはならない。

 再分配で有効なのは、低所得者に厚くなる定額給付であり、消費減税などのように、所得に比例する軽減は不効率で、財源に穴をあける弊害も大きい。負担減の対象は、重くて低所得者に容赦のない社会保険料とするのが当然だ。負担は、非正規雇用を助長したり、結婚を阻害したりと、経済合理的な行動を妨げており、貧しい人を助けるだけでない社会的意味があることも重要だ。

 具体案を言えば、2023/1/1で示したような社会保険料に連動した給付つき税額控除になる。財源は、2兆円程度までなら、足下の自然増収の規模からして問題にならない。問題なのは、分かりにくさだ。国民には「実質的に社会保険料を下げます」で十分だろうが、政治家の理解力がどれだけあるかである。物価高だから消費減税という力任せの単純思考から離れ、勝てる戦場を選ぶ知恵があるかだ。

(図)

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 年金法案は、立民党の提案で基礎年金の底上げが復活するという、不思議な展開になった。自民党は責任政党の面目を失い、選挙のために負担増を忌避するという単純な戦い方の惨めさが露わとなった。5年後、底上げを発動させるには、給付水準を上げる適用拡大と裏打ちする負担減が必要で、戦場は移っていく。政治家は、戦い方を学ぶために、アニメでも見てはどうかね。


(今日までの日経)
 日鉄の2兆円投資評価 USスチール買収一転承認。基礎年金底上げ復活へ 法案修正 自民、立民案受け入れ。コメ、背水の「官製値下げ」 随意契約で備蓄米半額に。消費減税「地方財源を圧迫」自民税調、異例の5月会合 やまぬ推進論を説得。ドイツ国債、大増発時代。

 




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