………
一般政府の内訳を見ると、中央が名目GDP比-7.1%、地方が+0.6%、社会保障基金が+0.9%となっており、国はコロナ対策で大赤字だが、地方と社保がそれぞれ黒字を計上しており、全体では、2014年頃と同じくらいの水準になっていて、危機的状況からは既に脱している。地方と社保は、前期から横バイで変化がなかったが、社保の中では、医療の収支が改善し、年金が悪化したようである。
資金過不足を部門別で見ると、非金融民間法人の移動合計が名目GDP比+0.9%と前期よ1.0の低下、家計は+5.0%と0.6の低下、海外は-1.7%と0.6の上昇となった。家計は、異例の超過が収まり、法人もコロナ前の水準に近づいた。海外は、名目の輸入増を反映し、7年ぶりの不足の少なさになっている。そのため、法人の超過と政府の不足は、対称的な形となるのがいつもだが、海外の不足が小さい分、政府の不足が大きくなっている。
さて、今後だが、次の2022年度補正は、さすがに、前回2021年度の36兆円まではいかないだろう。感染防止策などに20.3兆円も使っていたからで、その繰り返しはないからだ。あとは11.4兆円だから、このあたりが目安になる。感染防止策などの分、GDP比3.7%の財政赤字が縮小するわけだから、補正予算の縮小だけで、今期くらいのペースで改善が進み、1年も経つと、コロナ前のGDP比-2.0%前後の財政赤字に戻ることになる。
他方、2022年度は、国の税収が3.6兆円増えると予想され、地方は1.6兆円、年金は0.6兆円の収支改善が見込まれるから、これらをどう扱うかが焦点となる。そのままなら、GDP比で約1%の緊縮となり、コロナ前の水準以上に財政再建が進捗する。GDPは、10%消費増税の前の水準に戻るのに、まだ2年はかかりそうだから、経済より財政の再建の方が早く達成されるわけだ。
(図)

………
円安が145円台まで進み、24年ぶりに円買い介入が行われた。黒田・日銀の金融緩和の本音は円高の是正にあると見ていたから、円安が行き過ぎるなら、マイナス金利などの始末をつける良い機会とばかりに、修正すると思っていたので、これほど頑なに緩和を続けるとは意外だった。もっとも、ここまで日米で金利差がつくと、たとえ、日銀が金融政策の方向を変更し、政策金利を0.25%上げたくらいでは、円安は戻るまい。
米国の引締めに負けず、円安を大幅に戻すくらいの利上げをするには、日本の物価なり賃金なりが米国並みに上がらないといけない。そこは、財政で消費にブレーキを踏んでいるわけだから、あり得ない話であって、家計は緊縮と円安で苦しむのみとなる。米国とズレの目立つ経済運営をすることの辛さを感じるよ。「米国では」などと言って、マネをしていた方がなんぼか楽かもしれない。
(今日までの日経)
10月1日 厚生年金、中小従業員も対象。NY原油、80ドル割れ。政府・日銀、24年ぶり円買い介入。米住宅契約、キャンセル急増 価格上昇鈍化。日本、危機後の回復遅れ 顕著。