3/22の経済教室では、祝迫先生の消費動向の分析があったが、経済学者らしい持って行き方だったと思う。筆者は、理論なき測定屋なので、2/4のコラムに記したように、消費の停滞は、可処分所得の停滞であり、負担増が雇用者報酬の増加を減殺した結果にしか見えないが、緊縮財政は消費を委縮させないという理論があると、問題の所在は、財政ではなく、持続的な賃上げと、その前提となる企業の生産性向上になるようだ。
こういう見方は、アベノミクスへの評価でもありがちで、低成長は、消費の停滞が理由とされつつも、可処分所得の停滞まで行き着かず、まして、緊縮財政が問題視されることもない。むしろ、円安と輸出で、設備投資は伸びたにもかかわらず、成長戦略が十分ではなかったとされる。負担増を程々にしておけば、もう少し成長していただろうといった、ストレート過ぎる分析は、お呼びではない。
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3/22に公表された2023年度の社会意識に関する世論調査では、「経済的なゆとりと見通しが持てない」、「子育てがしにくい」とする回答が上昇している。消費増税の際も似た傾向があり、物価高が影響したと考えられる。とりわけ、20代や30代の若者が高いのは、憂慮すべきところで、調査方法が違うので単純な比較はできないが、コロナ前より、かなり高くなっており、結婚や出生の低下に結びついていると思われる。
今年の賃上げは高く、初任給は更に上を行くだろう。デフレ下の若者の苦境は、改善されそうである。他方、物価と賃金が上がれば、税や保険料も増える。負担率は5割になっているのだから、増え方も大きい。消費を増やしたければ、再分配は有効だし、出生を増やすのでも、再分配は必要だろう。むろん、可処分所得の増加は、消費にも出生にも関係ないという理論があるのなら、そんな発想にはならないわけであるが。
(図)

(今日までの日経)
消える昼の買い、4年連続「円安」に 企業利益が海外滞留。「経済ゆとりなし」最多63% 内閣府、社会への不満調査。輸出額最高、8.2兆円 自動車けん引。個人消費 低迷脱却の条件・祝迫得夫。非正規社員も待遇改善 イオン系40社。利上げ「10月」「7月」観測浮上。