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緊縮速報・社会保険による緊縮という無様さ

 10-12月期の資金循環では、資金過不足の4四半期移動合計の名目GDP比は、補正予算が前年より大きかったせいか、一般政府が-0.7%と、前期比では少し赤字が拡大したものの、2025年の前年比は0.8%の改善と、順調に財政再建が進んだ。注目すべきは、社会保障の改善ぶりで、2年連続で前年比0.5%の改善となり、黒字はGDP比で1.6%、10.6兆円まで膨らんだ。現実の経済は、貯蓄するほど投資されるように都合良くなっておらず、家計を苦しめるだけでなく、消費や成長を抑制するように働くから、喜んでばかりはいられない。

(図)

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 この国には、社会保険ならいくら緊縮しても良いという変な常識がある。将来の年金給付に備えたいのだろうが、札束を金庫に入れとけば済むミクロの貯蓄とは違い、マクロの貯蓄は、設備投資に結びつけないと、価値の維持という本当の意味の貯蓄にならない。設備投資の増強は、鉦や太鼓で促進しても、なかなか効果が上がらないわけで、節度を持った貯蓄が求められる。

 まして、低所得者は、物価高の下、社会保険料の重さに苦しんでいる。無理な貯蓄の増強をしている場合ではなく、軽減して消費に回し、投資と成長を導く形に持って行かなければならない。生活が楽になれば、結婚と出生が向上し、生産力の再生にもつながる。国民会議における最重要課題の「壁撤去型の社会保険料還付方式の給付つき税額控除」は、貯蓄をコントロールする上でも、喫緊なのだ。

 社会保険の役割は、ナショナルミニマムの提供なのだが、低所得者に一律の負担を課すと、最低生活費に食い込み、ナショナルミニマムを脅かす矛盾を抱えてしまう。皆が保険で保護されるには、低所得者への保険料の軽減は必須である。実際、低所得者が相手の国保国年には、軽減制度が設けられており、軽減後は年金生活者支援給付金の補填もある。健保厚年にないのは、パートという低所得者が抜け落ちていたからである。

 しかし、デフレ期には、社会保険料を免れて労働力を安く使うために、この隙間が徹底的に利用され、パートへの閉じ込めによる貧困がはびこることになった。社会保険の適用拡大は、その解決を目指すものであるが、低所得者へ拡大するのだから、保険料の軽減はセットでなければならない。これを役所は直視しなかったために、勤労者皆保険は、なかなか実現しなかった。

 適用拡大は、昨年の改正で、一応のスケジュールが決まり、直近の拡大部分では、一時的な補助金を用い、事実上の軽減をすることになった。このことは、軽減があれば、10年もの時間をかけずに適用拡大ができることを示唆するとともに、これから、より経済力の弱い層へ拡大する過程では、結局、軽減をせざるを得なくなって、そうしなければ、頓挫するであろうことを意味している。適用拡大は未解決のままなのだ。

 とりわけ、景気が悪くなれば、軽減なしの適用拡大は、すんなり行かないだろう。「所得の壁」は、「20時間の壁」に塗り替えられただけだから、19時間ダブルワークが蔓延し、骨抜きになるおそれもある。景気の良い今ですら、社会保険料逃れの隙間バイトが流行っているように、軽減がないと、どうしても脱法との戦いになって、適用は拡大したのに救われない人が続出する事態になってしまうのである。

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 貯蓄と投資のバランスから言って、社会保険料は取り過ぎであり、将来の年金給付の備えは、少子化の緩和など、札束を溜め込む以外の方法で対処しなければならない。それなのに、雇用の拡大で保険料が集まり過ぎ、雇用保険や医療保険では、わずかだが保険料率を下げる一方、非正規への育児休業給付は無視されたまま、新たに「独身税」を課すチグハグぶりで、低所得者への軽減は課題ともされない。社会保険料を取ることばかりに汲々とし、戦略目標のナショナルミニマムに考えが及ばないというのが、この国の無様さの理由である。


(今日までの日経)
 原油上げ幅、アジア突出。日米首脳会談「中東」が宿題に。対米投融資、日本が突出。日米欧金利据え置き。製造業、6割が満額回答。ガソリン補助、きょうから30円支給。中道、国民会議に立・公と参加。日銀の国債保有、50%割る。




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