今月中に新首相が選出されるので、イシバノミクスも今月でおしまい。7,8月の鉱工業生産の平均は101.5で、石破首相が選出される前の2024年7-9月期より+0.1高いだけだった。この1年、概ね横バイであり、産業政策が上手く行ってないと言うべきか、トランプ関税があっても頑張ったと言うべきか。いつもながら、政権の経済政策の良し悪しは、観点次第であり、評価は難しい。
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モノの鉱工業生産に対し、サービスの第3次産業活動指数は、7月が105.0で2024年7-9月期より+2.2高い。ことに、ソフトウェア業の伸びが高く+9.6もある。あとは運輸業や不動産業の伸びも大きい。逆に、小売業はジリ貧でマイナスだ。ソフトウェア業は、振興政策があったから伸びたというより、インフレで売上が増したことへの対応で出てきたと解するのが自然だろう。政策より需要である。
小売業の不振は、消費低迷が反映している。7月のCTIマクロの実質は100.0で、2024年7-9月期から+0.8に過ぎない。賃金は上がっても円安続きで物価高のため、実質賃金指数は7月が97.3で、2024年7-9月期と比べ+1.0にとどまる。10/3公表の労働力調査では、8月の雇用者数は6,169万人で、今年の1月以来、頭打ちになっている。円安は気弱な日銀のせいかもしれないが、雇用拡大でも成功を収めたとは言いがたい。
他方、大きな成功を収めたのは、財政再建だろう。財政赤字を資金過不足の4四半期合計のGDP比で見ると、一般政府は1年前から1.8%も赤字を縮めている。石破政権は、補正後の2024年度予算の一般歳出を前年度より3.7兆円絞ったし、2025年度当初予算で一般歳出を前年度当初より0.5兆円増に抑制した上、税収は+8.8兆円を見込む。10/1の税収実績も好調で、見込みを上回りそうな勢いだ。誇示できる成果ではないかもしれないがね。
(図)

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来月の本欄がサナエノミクスになろうとも、まず、取り組まなければならないのは、補正予算である。規模は前年度並みとして危惧を払拭しつつ、維新が求めていることを、財源としてどう組み込むかになる。次いで、2026年度予算での税収増の使い途だ。石破政権は、既定路線として、あっさり定額減税を打ち切り、看板政策を立てられないまま、選挙で敗北した。この轍を踏まないことである。
大事なのは、税収増の還元を2兆円なりに枠を設定して、低所得者の社会保険料の軽減に使うとすることだ。社会保険料連動型の給付つき税額控除にすれば、維新の政策に沿うとともに、積極財政の改革色も出せる。自民らしく、中小企業での負担が軽くなり、非正規を雇いやすくなる側面をアピールすれば良い。政治がなすべきは、政策づくりではなく、政策課題の枠組をいかに設定するかである。
(今日までの日経)
自民総裁に高市氏。ヤゲオが芝浦電子に「同意なき買収」。高関税の米国 いすゞ先陣。車7社、研究開発費3.9% 米関税・EV成長鈍化で。自公立維から社保と税一体改革論 給付付き控除」皮切りに。労働党政権発足時から支持半減 経済・移民政策に不満。