7月の所得税収は、前年同期比+99.5%、+2.2兆円の増加だった。昨年の定額減税の反動とは言え、増税である。他方、7月のCTIマクロは、名目が2か月続きの前月比0である。物価高に消費がついていけなくなっている。これはまずい。売上を伸ばし続けることが成長の至上命題なのに、日銀は利上げを躊躇して円安を是正しないし、財政は可処分所得を削るし、やることをやらなければ、景気は静かに衰えるよ。
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景気を読むには、従来は輸出と生産に注目だったが、今は売上だ。9/1の4-6月期法人企業統計では、製造業が前期比-1.2%、非製造業が-1.0%となっていて、ヒヤリとさせられた。業種で見れば、石油石炭や電気が減らしていて、やむを得ないところがあったが、トランプ関税で製造業が営業利益を前年同期比-11.5%に落としたこと以上に、コロナ後の景気に異変がないかどうかの注目点である。
CTIマクロの名目は、春までは前期比+1.0以上で来ていたのに、4-6月期は+0.6に減速し、7月は0で停止した。昨年の同時期は順調に伸びていて、今にして思えば、岸田政権が定額減税を用意し、可処分所得を増やしていて、助かったわけである。石破政権は、参院選もあるのに、あっさり切ってしまった。円安が是正されていれば、それでも良かったが、日銀との連携もまるでなってない。
財政当局は、国債金利を抑えるために低金利を欲するものだが、物価高での財政支出の政治圧力を減らすべく、利上げを促すべきだった。利払いは増えるものの、金利には課税がされていて税収増で賄える。まして、日銀保有分は、付利コストはあるにせよ、行って来いだ。金利課税分の税収増は財源にできないという論理で部分的に守るべきであり、全部を守ろうとイザに備えて黒字を拡大しますでは、イマが苦しい庶民には通じない。
7月の毎勤は、現金給与総額が前月比-0.7だったが、ボーナス増で前月に+4.7も伸びた後にしては落ちておらず、強い結果だった。きまって給与も+0.7と順調だ。ただ、常用雇用は、前月比+0.1と、前月が-0.2の割りには弱かった。民間は、可処分所得を増やすよう、賃上げをがんばっているのであり、さっさと政府が退いて、売上を減らそうとするのでは、商売あがったりではないか。
(図)

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新米価格は高く、大きく下がって実質賃金をプラスにする期待は外れそうだ。こうなると、備蓄米や輸入米を安定供給して、低価格のコメも買える状況にするハイローミックスの戦略しかないだろう。コメでも消費を二極分化させるわけだ。イマの経済政策の課題は、低所得層をいかにテコ入れするかである。貯蓄する余裕のない者は、必需品の物価高が辛い。政府・日銀も、ゼロ回答だと、かえって立場を悪くすると思うのだがね。
(今日までの日経)
FRBに連続利下げ圧力「年内3回」予想7割に。日本車、関税15%確定。最低賃金、全国平均1121円。パート賃上げ率、過去最高5.78%。「売上高100億円」1700社挑む。上場企業の現預金、6年ぶり減少。