2015年から2025年までに日本で公開されたイタリア映画のリストを、1年ごとにこちらのブログに掲載していきます。連載4回目の2018年です。簡単におさらいさせてもらいますと、こちらのリストで扱っている「イタリア映画」の定義は…
①ネット配信ではなく、実際のスクリーンで上映されたもの。
②中編・長編映画。短編は除く。
③製作国が共同の場合は、明らかにイタリアが主導だろうという場合のみリスト入り。
以上の3点です。いろいろ調べていったら、何をもってしてイタリア映画というべきか……という疑問が立ちはだかり、大いに悩まされました。そんな悩みから生じるブレで、リスト漏れしている作品もあるかもしれないし、地方の小さな映画祭の情報など、取りこぼしもあるかもしれない。ただ、できるかぎり上記の3つの定義に従ってリストアップしたということでご容赦ください。リストの最後に解説も書いています。ぜひ最後まで読んでみてください。
2018年
【劇場公開】
パオロ・ヴィルズィ監督
『ロング、ロングバケーション』
配給:ギャガ
Paolo Virzì, The Leisure Seeker, 2017
ロベルト・アンドー監督
『修道士は沈黙する』
配給:ミモザフィルムズ
Roberto Andò, Le confessioni, 2016
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
配給:ファントム・フィルム
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』
配給:シンカ、樂舎
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio: Masterclass, 2017
イバン・コトロネーオ監督
『最初で最後のキス』
配給:ミモザフィルムズ、日本イタリア映画社
Ivan Cotroneo, Una bacio, 2016
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
配給:シンカ
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio, 2014
ベルナルド・ベルトルッチ監督
『暗殺のオペラ』
配給:コピアポア・フィルム
Bernardo Bertolucci, Strategia del ragno, 1970
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』
配給:シンカ
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio: Ad honorem, 2017
アントニオ・ピアッツァ監督/ファビオ・グラッサドニア監督
『シシリアン・ゴースト・ストーリー』
配給:ミモザフィルムズ
Antonio Piazza/Fabio Grassadonia, Sicilian Ghost Story, 2017
【映画祭・特集上映】
〈第16回とよはしまちなかスロータウン映画祭〉
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
長谷井宏紀, Blanka, 2015
※2017年劇場公開
〈ヨコハマ・フットボール映画祭2018〉
ラ・ヴィッラ兄弟監督
『ビアンコネッリ:ユヴェントス・ストーリー』
Fratelli La Villa, Bianconeri Juventus Story, 2018
〈あきた十文字映画祭〉
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
長谷井宏紀, Blanka, 2015
※2017年劇場公開
〈第32回高崎映画祭〉
パオロ・ジェノヴェーゼ監督
『おとなの事情』
Paolo Genovese, Perfetti sconociuti, 2016
※2017年劇場公開
〈第5回グリーンイメージ国際環境映像祭〉
ニカ・サラヴァーニヤ/アレッサンドロ・デミリア監督
『黄昏のコーラス』
Nika Saravanja/Alessandro D'Emilia, Dusk Chorus, 2016
〈イタリア映画祭2018〉
ファビオ・モッロ監督
『イタリアの父』
Fabio Mollo, Il padre d'Italia, 2017
アントニオ・ピアッツァ監督/ファビオ・グラッサドニア監督
『シシリアン・ゴースト・ストーリー』
Antonio Piazza/Fabio Grassadonia, Sicilian Ghost Story, 2017
※2018年劇場公開
セルジョ・カステッリット監督
『フォルトゥナータ』
Sergio Castellitto, Fortunata, 2017
ロベルト・デ・パオリス監督
『純粋な心』
Roberto De Paolis, Cuori puri, 2017
ジョナス・カルピニャーノ監督
『チャンブラにて』
Jonas Carpignano, A Ciambra, 2017
※2019年劇場公開
レオナルド・ディ・コスタンツォ監督
『侵入する女』
Leonardo Di Costanzo, L' intrusa, 2017
パオロ・ジェノヴェーゼ監督
『ザ・プレイス』
Paolo Genovese, The Palace, 2017
※2019年『ザ・プレイス 運命の交差点』の邦題で劇場公開
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる―名誉学位』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio: Ad honorem, 2017
※2018年『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』の邦題で劇場公開
リッカルド・ミラーニ監督
『環状線の猫のように』
Riccardo Milani, Come un gatto in tangenziale, 2017
パオラ・ランディ監督
『ティートとエイリアン』
Paola Randi, Tito e gli alieni, 2017
ルチャーノ・リガブエ監督
『メイド・イン・イタリー』
Luciano Ligabue, Made in Italy, 2018
ジャンニ・アメリオ監督
『世情』(仮題)
Gianni Amelio, La tenerezza, 2017
※2019年『ナポリの隣人』の邦題で劇場公開
マネッティ・ブラザーズ監督
『愛と銃弾』
Manetti Bros., Ammore e malavita, 2017
※2019年劇場公開

シルヴィオ・ソルディーニ監督
『Emma 彼女の見た風景』(仮題)
Silvio Soldini, Il colore nascosto delle cose, 2017
※2019年『エマの瞳』の邦題で劇場公開
ルチャーノ・リガブエ監督
『ラジオフレッチャ』
Luciano Ligabue, Radiofreccia, 1998
シルヴィオ・ソルディーニ監督
『ベニスで恋して』
Silvio Soldini, Pane e tulipani, 2000
マネッティ・ブラザーズ監督
『僕はナポリタン』
Manetti Bros., Song’e Napule, 2013
シルヴィオ・ソルディーニ監督
『多様な目』
Silvio Soldini, Per altri occhi, 2014
ジョナス・カルピニャーノ監督
『地中海』
Jonas Carpignano, Mediterranea, 2015
〈Viva!イタリア vol.4〉
マルコ・ベロッキオ監督
『結婚演出家』
Marco Bellocchio, Il regista di matrimoni, 2006
ダヴィデ・マレンゴ監督
『あのバスを止めろ』
Davide Marengo, Notturno Bus, 2007
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio, 2014
※2018年劇場公開
〈EUフィルムデーズ2018〉
パオロ・ヴィルズィ監督
『人間の値打ち』
Paolo Virzì, Il capitale umano, 2013
※2016年劇場公開
〈のむコレ2018〉
ステファノ・ソッリマ監督
『バスターズ』
Stefano Sollima, ACAB - All Cops Are Bastards, 2012
〈爆音映画祭inユナイテッド・シネマ アクアシティお台場 vol.3〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
2018年劇場公開
〈星空の映画祭2018〉
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
長谷井宏紀, Blanka, 2015
※2017年劇場公開
〈カナザワ映画祭2018〉
マリオ・ランディ監督
『威尼斯のジャッロ』
Mario Landi, Giallo a Venezia, 1979
〈第33回水戸映画祭〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
※2018年劇場公開
〈KAWASAKIしんゆり映画祭2018〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
※2018年劇場公開
〈直方映画祭2018〉
フェデリコ・フェリーニ監督
『8 1/2』
Federico Fellini, Otto e mezza, 1963
〈第31回東京国際映画祭〉
エドアルド・デ・アンジェリス監督
『堕ちた希望』
Edoardo De Angelis, Il Vizio della Speranza, 2018
パオロ・ソレンティーノ監督
『彼ら』
Paolo Sorrentino, Loro, 2018
※2019年『LORO 欲望のイタリア』の邦題で劇場公開
〈第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
※2018年劇場公開
〈マカロニ・エンタテインメント傑作選 爆走カーチェイス編〉
ジュリアーノ・カルニメオ監督
『マッドライダー』
Giuliano Carnimeo, Il giustiziere della strada, 1983
ステルヴィオ・マッシ監督
『フェラーリの鷹』
Stelvio Massi, Poliziotto sprint, 1976
【解説】
2018年はルカ・グァダニーノの年だった。『君の名前で僕を呼んで』が日本で公開されて大ヒットした。興行的にもそれなりにヒットしたのだろうが、それよりも、映像美や世界観を含む芸術性の高さが広く日本の批評家、映画ファンに認められた久しぶりのイタリア映画だったという意味で、大ヒットした。1983年の夏、ティモシー・シャラメ演じる17歳の少年エリオが、避暑のため、両親とともに北イタリアの別荘にやってくる。そこに、考古学の教授である父の助手として、24歳の優秀な大学院生オリヴァーがアメリカから別荘に合流。エリオは年上で聡明なオリヴァーを最初は疎ましく思うが、徐々に彼に惹かれていき、二人は恋に落ちていく。主な使用言語は英語、俳優たちもイタリア人ではないので、私からすると、イタリア映画がヒットしたという感覚はなかった。グァダニーノ本人も、アメリカに軸足を置いて映画制作をしている。だからこそ、一線を画した作品となり、日本での大ヒットにつながったのだと思う。
もう一つ、2018年は「いつやめ」の年でもあった。シドニー・シビリア監督のコメディー「いつだってやめられる」だ。有能なのに将来のない若手研究者たちが合法ドラッグを製造販売する「ギャング団」を結成するというストーリーの三部作で、2014年に第1作、2017年に続編2作が本国で公開された。そして2018年、順番はおかしかったが、無事3作とも日本で劇場公開。前回『おとなの事情』を2010年代のイタリア映画の基本が押さえられるという入門書的作品と評したが、「いつやめ」三部作もまた、入門書として最適の作品だ。そしてシドニー・シビリア監督は『いつだってやめられる』第1作が出た2014年に、映画制作会社グローエンランディア(グリーンランドという意味です)を設立。グローエランディアは「いつやめ」3部作だけでなく、新しい感覚のイタリア映画、ドラマを次々と発表し、2010年代後半から現在にいたるまで、グローエンランディア旋風を巻き起こしていく。その風を、遅まきながら私が知覚したのが2018年くらいだった。

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