2015年から2025年までに日本で公開されたイタリア映画のリストを、1年ごとにこちらのブログに掲載していきます。連載3回目の2017年です。簡単におさらいさせてもらいますと、こちらのリストで扱っている「イタリア映画」の定義は――
①ネット配信ではなく、実際のスクリーンで上映されたもの。
②中編・長編映画。短編は除く。
③製作国が共同の場合は、明らかにイタリアが主導だろうという場合のみリスト入り。
以上、3点です。いろいろ調べていったら、何をもってしてイタリア映画というべきか……という疑問が立ちはだかり、大いに悩まされました。そんな悩みから生じるブレで、リスト漏れしている作品もあるかもしれないし、地方の小さな映画祭の情報など、取りこぼしもあるかもしれない。ただ、できるかぎり上記の3つの定義に従ってリストアップしたということでご容赦ください。リストの最後に解説も書いています。ぜひ最後まで読んでみてください。
2017年
【劇場公開】
ジャンフランコ・ロージ監督
『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』
配給:ビターズ・エンド
Gianfranco Rosi, Fuocoammare, 2016
ルキノ・ヴィスコンティ監督
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
配給:アーク・フィルムズ
Luchino Visconti, Ossessione, 1942
※2Kリマスター版
ルキノ・ヴィスコンティ監督
『揺れる大地』
配給:アーク・フィルムズ
Luchino Visconti, La terra trema, 1948
※2Kリマスター版
ルキノ・ヴィスコンティ監督
『家族の肖像』
配給:ザジフィルムズ
Luchino Visconti, La terra trema, 1974
※デジタル修復版
パオロ・ジェノヴェーゼ監督
『おとなの事情』
配給:アンプラグド
Paolo Genovese, Perfetti sconociuti, 2016
ガブリエーレ・マイネッティ監督
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
配給:ザジフィルムズ
Gabriele Mainetti, Lo chiamavano Jeeg Robot, 2015
ダニエレ・ルケッティ監督
『ローマ法王になる日まで』
配給:シンカ、ミモザフィルムズ
Daniele Luchetti, Chiamatemi Francesco, 2015
パオロ・ヴィルズィ監督
『歓びのトスカーナ』
配給:ミッドシップ
Paolo Virzì, La pazza gioia, 2016
マルコ・ベロッキオ監督
『甘き人生』
配給:彩プロ
Marco Bellocchio, Fai bei sogni, 2016
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
配給:トランスフォーマー
長谷井宏紀, Blanka, 2015
ソフィア・コッポラ監督
『ソフィア・コッポラの椿姫』
配給:東北新社
Sophia Coppola, La traviata, 2017
イヴァーノ・デ・マッテオ監督
『はじまりの街』
配給:クレストインターナショナル
Ivano De Matteo, La vita possible. 2016
フェデリカ・ディ・ジャコモ監督
『悪魔祓い、聖なる儀式』
配給:セテラ・インターナショナル
Federica Di Giacomo, Liberami, 2016
【映画祭・特集上映】
〈第一回東京国際ろう映画祭〉
ジュゼッペ・M・ガウディーノ監督
『あなたたちのために』
Giuseppe M. Gaudino, Per amor vostro, 2015
〈イタリア映画祭2017〉
ロベルト・アンドー監督
『告解』
Roberto Andò, Le confessioni, 2016
※2018年『修道士は沈黙する』の邦題で劇場公開
クラウディオ・ジョヴァンネージ監督
『花咲く恋』
Claudio Giovannesi, Fiore, 2016
アレッサンドロ・コモディン監督
『幸せな時はもうすぐやって来る』
Alessandro Comodin, I tempi felici verranno presto, 2016
ジュゼッペ・ピッチョーニ監督
『かけがえのない数日』
Giuseppe Piccioni, Questi giorni, 2016
エドアルド・デ・アンジェリス監督
『切り離せないふたり』
Edoardo De Angelis, Indivisibili, 2016
ロアン・ジョンソン監督
『ピューマ』
Roan Johnson, Piuma, 2016
マルコ・ダニエリ監督
『ジュリアの世界』
Marco Danieli, La ragazza del mondo, 2016
ピエルフランチェスコ・ディリベルト監督
『愛のために戦地へ』
Pierfrancesco Diliberto, In guerra per amore, 2016

エドアルド・レオ監督
『どうってことないさ』
Edoardo Leo, Che vuoi che sia, 2016

シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる-マスタークラス』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio – Masterclass, 2017
※2018年『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』の邦題で劇場公開
フランチェスコ・ブルーニ監督
『君が望むものはすべて』
Francesco Bruni, Tutto quello che vuoi, 2017
マルコ・ベロッキオ監督
『スイート・ドリームス(仮題)』
Marco Bellocchio, Fai bei sogni, 2016
※2017年『甘き人生』の邦題で劇場公開
パオロ・ヴィルズィ監督
『歓びのトスカーナ』
Paolo Virzì, La pazza gioia, 2016
※2017年劇場公開
イヴァーノ・デ・マッテオ監督
『La vita possibile(原題)』
Ivano De Matteo, La vita possible, 2016
※2017年『はじまりの街』の邦題で劇場公開
マルコ・ベロッキオ監督
『夜よ、こんにちは』
Marco Bellocchio, Buongiorno, notte, 2003
マルコ・ベロッキオ監督
『結婚演出家』
Marco Bellocchio, Il regista di matrimoni, 2006
パオロ・ヴィルズィ監督
『カテリーナ、都会へ行く』
Paolo Virzì, Caterina va in città, 2003
パオロ・ヴィルズィ監督
『来る日も来る日も』
Paolo Virzì, Tutti i santi giorni, 2013
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio, 2014
※2018年『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』の邦題で劇場公開
〈午前十時の映画祭8〉
ロベルト・ベニーニ監督
『ライフ・イズ・ビューティフル』
Roberto Benigni, La vita è bella, 1997
〈EUフィルムデーズ2017〉
マッテオ・ガローネ監督
『五日物語 -3つの王国と3人の女-』
Matteo Garone, Il racconto dei racconti, 2015
〈映画で旅するイタリア2017〉
フランチェスコ・ミッチケ監督、ファビオ・ボニファッチ監督
『やつらって、誰?』
Francesco Miccichè/Fabio Bonifacci, Loro chi?, 2015
クリスティーナ・コメンチーニ監督
『ラテン・ラバー』
Cristina Comencini, Latin lover, 2014

クラウディオ・クペッリーニ監督
『アラスカ』
Claudio Cupellini, Alaska, 2015

〈Viva!イタリアvol.3〉
ジェンナーロ・ヌンツィアンテ監督
『Viva!公務員』
Gennaro Nunziante, Quo vado?, 2015
シルヴィオ・ソルディーニ監督
『日々と雲行き』
Silvio Soldini, Giorni e nuvole, 2007
ピエルフランチェスコ・ディリベルト監督
『マフィアは夏にしか殺らない』
Pierfrancesco Diliberto, La mafia uccide solo d'estate, 2013
〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017〉
マルコ・セガート監督
『父の足あと』
Marco Segato, La pelle dell’orso, 2016
〈カナザワ映画祭2017〉
セルジョ・レオーネ監督
『ウエスタン』
Sergio Leone, C'era una volta il West, 1968
ヴァレリアン・ボロヴツィク監督
『尼僧の悶え』
Walerian Borowczyk, Interno di un convento, 1978
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督
『ソドムの市』
Pier Paolo Pasolini, Salò o le 120 giornate di Sodoma, 1975
〈ワールド・エクストリーム・シネマ2017〉
ステファノ・ソッリマ監督
『暗黒街』
Stefano Sollima, Suburra, 2015
〈山形国際ドキュメンタリー映画祭〉
ルイジ・ペレッリ監督
『ファタハ:パレスティナ』
Luigi Perelli, Fatah: Palestine, 1970
〈第30回東京国際映画祭〉
シルヴィア・ルーツィ監督、ルカ・ベッリーニ監督
『ナポリ、輝きの陰で』
Silvia Luzi/Luca Bellino, Il Cratere, 2017
タヴィアーニ兄弟監督
『レインボウ』
Fratelli Taviani, Una questione privata, 2017
【解説】
2月に劇場公開された『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』は、2013年に『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を獲得したドキュメンタリー映画監督ジャンフランコ・ロージの新作。しかもこの作品でロージはベルリン国際映画祭金熊賞を獲得し、三大映画祭2冠を達成している。アフリカから地中海を渡りヨーロッパへ密航する難民・移民たちの最初の到達点であるイタリアのランペデゥーザ島の暮らしを描いたドキュメンタリー映画で、非常にアクチュアルかつ芸術性も高いが、日本で大ヒットにはいたっていない。
そしてこの年はパオロ・ジェノヴェーゼ監督『おとなの事情』も劇場公開された。ホームパーティーで7人の男女が自分のスマホにかかってきた電話や届いたメールをその場で発表し合うゲームを始めて、それぞれ関係が壊れ大惨事になっていく密室劇。俳優陣も豪華でこれを見ておけば2010年代のイタリア映画の基本が押さえられるという入門書的作品だった。
長谷井宏紀監督『ブランカとギター弾き』もこの年に公開だ。日本人監督がイタリア制作チームと撮影したフィリピンが舞台のフィクション映画ということで、長きにわたり自分のなかでは謎映画だったのだが、この文章を書くに際してアマプラで視聴した。長谷井監督は20代の頃にヨーロッパで活動していてエミール・クストリッツアとも交友があるという特異な経歴の持ち主。そのなかで知り合ったイタリア人プロデューサーからの提案でヴェネツィア国際映画祭の助成金に応募したところ、採用されて制作されたのがこの映画だそうだ。フィリピンの貧民街を舞台に、孤児の女の子と盲目のギター弾きの交流を描いた物語で、作品に漂う無国籍な雰囲気がよかった。普段イタリア語に関わる仕事をしていると、作品を「イタリア映画」という枠組みに収めて考えてしまいがちだが、本来はこういう国籍が定義できないカオスな状態こそが映画の正解なのかもしれない。


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