FM802 Ciao Amici!109シネマズDolce Vita 2018年10月11日放送分
映画『イコライザー2』短評のDJ's カット版です。

元CIAのロバート・マッコール。妻を亡くし、ひとり修道士のように静謐な暮らしを続けています。ホームセンターの職員だった前作から転職し、現在はUberのようなタクシーサービスの運転手。余暇には読書をしたり、ラジオを聴いたりという日々を送りながら、周囲の人々の身に何か困り事や災難が持ち上がれば、時にさりげなく、時に実力行使をしてでも、悪や不正を正す=イコライズしています。ある日、CIA時代の上官で親友のスーザンが殺害されたとの報告を受けた彼は、独自に捜査を開始。彼女が携わっていた任務の裏に横たわる闇を突き止めると、マッコールの身にも危険が迫ります。
主演は引き続き、オスカー俳優デンゼル・ワシントン、現在63歳。これがキャリア初の続編出演となる他、製作にも名を連ねています。思い入れのある作品であることがうかがえますね。監督は、デンゼル・ワシントンとのタッグがこれで4度目となるアントワン・フークア。また、道を外れそうになる美術家志望の黒人青年マイルズを、『ムーンライト』で主人公の少年期を演じたアシュトン・サンダースが担当しています。
それでは、制限時間3分の映画短評、今週もそろそろいってみよう!
前作の頭で、マーク・トウェインの言葉が引用されていました。「人生で最も大事な日は2日ある。生まれた日と、生きる意味を見つけた日だ」。妻を亡くしてしまった悲しみを抱えながら生きているマッコール。前作では、クロエ・グレース・モレッツ演じる歌手志望のコールガールを泥沼から引きずり出してやることで、CIA時代とは違って名もなき人々を悪や不正から守るイコライザーとしての覚醒、哲学や生き様を見せつけました。今回もスタンスは変わりません。むしろ、続編だから説明も省けるということで、特に前半の人助けエピソードのバリエーションを増やし、彼の価値観=正義感により厚みと奥行きを持たせています。その意味で、タクシー運転手という設定は効果的でした。色んな客が乗ってくるわけですから。別に鉄拳制裁まで及ばなくても、さりげない一言で乗客をより良き方向へと導いていく。その姿はまさに修道士のようでした。


それにしても、マッコールは今回も怒らせたら大変です。身の回りのもの武器に変えてしまう戦闘方法は数としては少なくなっていたものの、たとえば薬物で女性を弄んでいたサイテーな金持ちのボンボンをその象徴たるクレジットカードで斬りつけるところとか、乗客になりすました暗殺者とタクシーの中でやり合う場面、そしてクライマックスの爆発シーンなんかは前作とは一味違う新鮮さがありました。何より、デンゼル・ワシントンの演技がもう絶品。ただ椅子に座っているだけでも感情が伝わってくるんですよ。凄みが半端ない。そして、今回はマッコール探偵とでも呼びたくなる推理シーンが楽しめたのも良かったです。それも、あくまで映像で彼の頭の中の思考の流れを僕らに悟らせる演出で、好感が持てました。
ということで、イコライザー2は続編として立派な成功作だと言えます。守るべきルールは守り、変化させるところはためらわない。まだマッコールの過去がすべて明らかになったわけじゃないし、早くも3を楽しみにしてしまう、興奮と期待が昂ぶる1本でした。
このJacob Banksって方、ナイジェリア出身で、現在はUKで活動するシンガーソングライターのようですが、僕はかなり気に入りましたね。予告とエンド・クレジットで使われています。
僕らって特に都会に生きていると、衣食住、そして人生のあらゆるステージで消費者になってしまっていると常々思っているんですけど、マッコールのこの「自分が何とかしないとダメになる。僕が解決の糸口をつかむんだ。困ってる人がいたら、手を差し伸べるんだ」ってなスタンスそのものは、やっぱりかっこいいです。対応策はまったくもってやり過ぎだし、見習えないし、見習うべきじゃないんだけど、娯楽作でそこまで伝えてくるこのシリーズは、僕は断固支持なのさ。
