


























2015年から2025年までに日本で公開されたイタリア映画のリストを、1年ごとにこちらのブログに掲載していきます。連載4回目の2018年です。簡単におさらいさせてもらいますと、こちらのリストで扱っている「イタリア映画」の定義は…
①ネット配信ではなく、実際のスクリーンで上映されたもの。
②中編・長編映画。短編は除く。
③製作国が共同の場合は、明らかにイタリアが主導だろうという場合のみリスト入り。
以上の3点です。いろいろ調べていったら、何をもってしてイタリア映画というべきか……という疑問が立ちはだかり、大いに悩まされました。そんな悩みから生じるブレで、リスト漏れしている作品もあるかもしれないし、地方の小さな映画祭の情報など、取りこぼしもあるかもしれない。ただ、できるかぎり上記の3つの定義に従ってリストアップしたということでご容赦ください。リストの最後に解説も書いています。ぜひ最後まで読んでみてください。
2018年
【劇場公開】
パオロ・ヴィルズィ監督
『ロング、ロングバケーション』
配給:ギャガ
Paolo Virzì, The Leisure Seeker, 2017
ロベルト・アンドー監督
『修道士は沈黙する』
配給:ミモザフィルムズ
Roberto Andò, Le confessioni, 2016
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
配給:ファントム・フィルム
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』
配給:シンカ、樂舎
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio: Masterclass, 2017
イバン・コトロネーオ監督
『最初で最後のキス』
配給:ミモザフィルムズ、日本イタリア映画社
Ivan Cotroneo, Una bacio, 2016
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
配給:シンカ
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio, 2014
ベルナルド・ベルトルッチ監督
『暗殺のオペラ』
配給:コピアポア・フィルム
Bernardo Bertolucci, Strategia del ragno, 1970
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』
配給:シンカ
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio: Ad honorem, 2017
アントニオ・ピアッツァ監督/ファビオ・グラッサドニア監督
『シシリアン・ゴースト・ストーリー』
配給:ミモザフィルムズ
Antonio Piazza/Fabio Grassadonia, Sicilian Ghost Story, 2017
【映画祭・特集上映】
〈第16回とよはしまちなかスロータウン映画祭〉
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
長谷井宏紀, Blanka, 2015
※2017年劇場公開
〈ヨコハマ・フットボール映画祭2018〉
ラ・ヴィッラ兄弟監督
『ビアンコネッリ:ユヴェントス・ストーリー』
Fratelli La Villa, Bianconeri Juventus Story, 2018
〈あきた十文字映画祭〉
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
長谷井宏紀, Blanka, 2015
※2017年劇場公開
〈第32回高崎映画祭〉
パオロ・ジェノヴェーゼ監督
『おとなの事情』
Paolo Genovese, Perfetti sconociuti, 2016
※2017年劇場公開
〈第5回グリーンイメージ国際環境映像祭〉
ニカ・サラヴァーニヤ/アレッサンドロ・デミリア監督
『黄昏のコーラス』
Nika Saravanja/Alessandro D'Emilia, Dusk Chorus, 2016
〈イタリア映画祭2018〉
ファビオ・モッロ監督
『イタリアの父』
Fabio Mollo, Il padre d'Italia, 2017
アントニオ・ピアッツァ監督/ファビオ・グラッサドニア監督
『シシリアン・ゴースト・ストーリー』
Antonio Piazza/Fabio Grassadonia, Sicilian Ghost Story, 2017
※2018年劇場公開
セルジョ・カステッリット監督
『フォルトゥナータ』
Sergio Castellitto, Fortunata, 2017
ロベルト・デ・パオリス監督
『純粋な心』
Roberto De Paolis, Cuori puri, 2017
ジョナス・カルピニャーノ監督
『チャンブラにて』
Jonas Carpignano, A Ciambra, 2017
※2019年劇場公開
レオナルド・ディ・コスタンツォ監督
『侵入する女』
Leonardo Di Costanzo, L' intrusa, 2017
パオロ・ジェノヴェーゼ監督
『ザ・プレイス』
Paolo Genovese, The Palace, 2017
※2019年『ザ・プレイス 運命の交差点』の邦題で劇場公開
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる―名誉学位』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio: Ad honorem, 2017
※2018年『いつだってやめられる 闘う名誉教授たち』の邦題で劇場公開
リッカルド・ミラーニ監督
『環状線の猫のように』
Riccardo Milani, Come un gatto in tangenziale, 2017
パオラ・ランディ監督
『ティートとエイリアン』
Paola Randi, Tito e gli alieni, 2017
ルチャーノ・リガブエ監督
『メイド・イン・イタリー』
Luciano Ligabue, Made in Italy, 2018
ジャンニ・アメリオ監督
『世情』(仮題)
Gianni Amelio, La tenerezza, 2017
※2019年『ナポリの隣人』の邦題で劇場公開
マネッティ・ブラザーズ監督
『愛と銃弾』
Manetti Bros., Ammore e malavita, 2017
※2019年劇場公開

シルヴィオ・ソルディーニ監督
『Emma 彼女の見た風景』(仮題)
Silvio Soldini, Il colore nascosto delle cose, 2017
※2019年『エマの瞳』の邦題で劇場公開
ルチャーノ・リガブエ監督
『ラジオフレッチャ』
Luciano Ligabue, Radiofreccia, 1998
シルヴィオ・ソルディーニ監督
『ベニスで恋して』
Silvio Soldini, Pane e tulipani, 2000
マネッティ・ブラザーズ監督
『僕はナポリタン』
Manetti Bros., Song’e Napule, 2013
シルヴィオ・ソルディーニ監督
『多様な目』
Silvio Soldini, Per altri occhi, 2014
ジョナス・カルピニャーノ監督
『地中海』
Jonas Carpignano, Mediterranea, 2015
〈Viva!イタリア vol.4〉
マルコ・ベロッキオ監督
『結婚演出家』
Marco Bellocchio, Il regista di matrimoni, 2006
ダヴィデ・マレンゴ監督
『あのバスを止めろ』
Davide Marengo, Notturno Bus, 2007
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio, 2014
※2018年劇場公開
〈EUフィルムデーズ2018〉
パオロ・ヴィルズィ監督
『人間の値打ち』
Paolo Virzì, Il capitale umano, 2013
※2016年劇場公開
〈のむコレ2018〉
ステファノ・ソッリマ監督
『バスターズ』
Stefano Sollima, ACAB - All Cops Are Bastards, 2012
〈爆音映画祭inユナイテッド・シネマ アクアシティお台場 vol.3〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
2018年劇場公開
〈星空の映画祭2018〉
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
長谷井宏紀, Blanka, 2015
※2017年劇場公開
〈カナザワ映画祭2018〉
マリオ・ランディ監督
『威尼斯のジャッロ』
Mario Landi, Giallo a Venezia, 1979
〈第33回水戸映画祭〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
※2018年劇場公開
〈KAWASAKIしんゆり映画祭2018〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
※2018年劇場公開
〈直方映画祭2018〉
フェデリコ・フェリーニ監督
『8 1/2』
Federico Fellini, Otto e mezza, 1963
〈第31回東京国際映画祭〉
エドアルド・デ・アンジェリス監督
『堕ちた希望』
Edoardo De Angelis, Il Vizio della Speranza, 2018
パオロ・ソレンティーノ監督
『彼ら』
Paolo Sorrentino, Loro, 2018
※2019年『LORO 欲望のイタリア』の邦題で劇場公開
〈第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM〉
ルカ・グァダニーノ監督
『君の名前で僕を呼んで』
Luca Guadagnino, Call Me by Your Name, 2018
※2018年劇場公開
〈マカロニ・エンタテインメント傑作選 爆走カーチェイス編〉
ジュリアーノ・カルニメオ監督
『マッドライダー』
Giuliano Carnimeo, Il giustiziere della strada, 1983
ステルヴィオ・マッシ監督
『フェラーリの鷹』
Stelvio Massi, Poliziotto sprint, 1976
【解説】
2018年はルカ・グァダニーノの年だった。『君の名前で僕を呼んで』が日本で公開されて大ヒットした。興行的にもそれなりにヒットしたのだろうが、それよりも、映像美や世界観を含む芸術性の高さが広く日本の批評家、映画ファンに認められた久しぶりのイタリア映画だったという意味で、大ヒットした。1983年の夏、ティモシー・シャラメ演じる17歳の少年エリオが、避暑のため、両親とともに北イタリアの別荘にやってくる。そこに、考古学の教授である父の助手として、24歳の優秀な大学院生オリヴァーがアメリカから別荘に合流。エリオは年上で聡明なオリヴァーを最初は疎ましく思うが、徐々に彼に惹かれていき、二人は恋に落ちていく。主な使用言語は英語、俳優たちもイタリア人ではないので、私からすると、イタリア映画がヒットしたという感覚はなかった。グァダニーノ本人も、アメリカに軸足を置いて映画制作をしている。だからこそ、一線を画した作品となり、日本での大ヒットにつながったのだと思う。
もう一つ、2018年は「いつやめ」の年でもあった。シドニー・シビリア監督のコメディー「いつだってやめられる」だ。有能なのに将来のない若手研究者たちが合法ドラッグを製造販売する「ギャング団」を結成するというストーリーの三部作で、2014年に第1作、2017年に続編2作が本国で公開された。そして2018年、順番はおかしかったが、無事3作とも日本で劇場公開。前回『おとなの事情』を2010年代のイタリア映画の基本が押さえられるという入門書的作品と評したが、「いつやめ」三部作もまた、入門書として最適の作品だ。そしてシドニー・シビリア監督は『いつだってやめられる』第1作が出た2014年に、映画制作会社グローエンランディア(グリーンランドという意味です)を設立。グローエランディアは「いつやめ」3部作だけでなく、新しい感覚のイタリア映画、ドラマを次々と発表し、2010年代後半から現在にいたるまで、グローエンランディア旋風を巻き起こしていく。その風を、遅まきながら私が知覚したのが2018年くらいだった。






どうも、有北です。
前回、「ようやく糸をつかんだ」と、いかにも物語が大きく動き出したかのような一文を残して終わりました。
さて、その糸の先は絡まっていたのか、天国につながっていたのか、それともただの毛糸玉だったのか。今回はきちんとご報告したいと思います。
結果から言いますと、その糸の先にあったのは、イタリア・トリノ。具体的には、トリノ国立映画博物館です。しかも、デジタルアーカイブ担当の方と直接つながることができました。
めちゃくちゃ有能な、とある協力者さまのお導きによって、道が一気に開けたのです。

届いたメールを開くと、博物館所蔵のサイレント映画作品リストがずらり。まさに宝の山。しかも、視聴可能なリンク付きという大盤振る舞い。
これよ。
僕たちはこれを待っていたんです。
とはいえ、浮かれてばかりもいられません。上映権は? 料金は? ロマンの裏には、必ず現実という魔物が待ち受けています。重要事項を確認するために、国立映画博物館のご担当者であるカルタさんに、野村雅夫がうやうやしくメールをしたためました。
「carta」はイタリア語で「紙」。でも僕たちにとっては完全に「神」です。
自己紹介から始まり、プロジェクトのあらましを伝え、所蔵作品の上映条件について教えてほしい、と丁寧にお願いしました。
メール送信から、わずか50分後。
返信が届きました。しかも、かなりの長文で。
「知り合うことができて光栄です」
「プロジェクト、とても面白いと思います」
と、非常に前向きな返答をいただいたんです。条件は今後交渉の必要がありますが、正式な手続きを経れば、上映用の高解像度データも提供できる、と。
ここ数か月たちこめていた深い霧が、ウソのように晴れた瞬間でした。
アーカイブを覗き込むと、動画数は300本超。無声映画以外も含まれていますが、いずれにせよ宝の山。スクロールする指が止まりません。
さらに、それとは別に、コメディ作品のリストまで送ってくれていました。
僕たちが協力者さまに「まずはコメディが入口として分かりやすいのでは」と伝えていたからでしょう。独自にピックアップした作品を、丁寧な解説付きでまとめてくれていたのです。
そこで名前が挙がっていたのが、当時のイタリア無声映画界を代表する喜劇スター、クレティネッティ、ロビネット、トントリーニのお三方。
実は、イタリア映画祭の初代プロデューサー・古賀太さんの近著『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』(集英社新書)でも、この三人はきちんと取り上げられています。つまり、イタリア映画史の中でも、彼らはちゃんと重要な存在なのです。
さらに言えば、この三人、実は百年以上前の日本人も観ていました。
日本で無声映画が盛んに封切られていた時代、イタリアから輸入されたサイレント映画は大衆を楽しませていたコンテンツのひとつでした。
しかも、その人気ぶりを物語るように、彼らにはそれぞれ「日本名」がついていたのです。
明治・大正期には、外国人名を日本人風に置き換えるのはごく一般的な翻訳手法でした。
たとえば『ああ無情』のジャン・バルジャンが「長兵衛」、シャーロック・ホームズが「鯱男(しゃちお)」などと呼ばれていた時代です(翻訳者によるので、画一的な訳語があるわけではないですが)。
そんな頃、お三方もまた日本名を授かっていました。以下、順に紹介したいと思います。

① クレティネッティ
フランスのパテ社からイタラフィルムへ移り、「クレティネッティ」として売り出された喜劇スター。その日本名は、“新馬鹿大将”。
「クレティネッティ」は「cretino(バカ)」からの名称ですから、訳としてはなかなか秀逸です。ただ、原語では「おバカさん」くらいのニュアンスなのに、日本では堂々の“大将”。この格上げ感がたまりません。
ちなみに「新」があるなら「旧」があるのか。
あります。
元祖「馬鹿大将」は、あの
“ドン・キホーテ”。
風車を巨人と思いこみ突撃をかました馬鹿界の重鎮は、かつて、このように名誉ある日本名を冠されていました。1906年、パテ社製作の『ドン・キホーテ』が、『馬鹿大将』の邦題で好評を博していたのです。
その称号を受け継ぎ、ある意味で更新したのがクレティネッティ。馬鹿界にも、ちゃんと世代交代があったわけです。

② ロビネット
続いて、ライバル会社アンブロジオ社が売り出したロビネット。
その日本名は“薄馬鹿大将”。
さっきまでどこかヒーロー感すら醸し出していたのに、こちら、急に小物感が漂ってきました。
しかしその庶民的な響きが功を奏したのか、別名までありました。
“ダムくん”。
なかなかな方向転換です。こちらはアメリカでの呼び名「Tweedledum」(『鏡の国のアリス』の登場人物名から借用)が由来とのことで、その響き、親近感はハンパじゃありません。「怪物くん」「忍者ハットリくん」を思わせる“くん”文化の萌芽すら感じさせます。

③ トントリーニ/ポリドール
チネス社で「トントリーニ」として登場し、その後パスクワリフィルムに移った後は「ポリドール」という名前で売り出された俳優です。
まず、トントリーニ時代の日本名は、
“トンくん”。
トントリーニのトンを取って「トンくん」。実に素直なネーミングです。
ところがポリドールに改名した後の日本名は、
“ポリドロ”。
そこは「ポリくん」ちゃうんかい。
急にカタカナ直輸入になっちゃうんですよね。しかも「大将」の系譜がここで完全に途絶えるというドラマチックな展開も見逃せません。
いずれにせよ、「新馬鹿大将」「薄馬鹿大将」「ダムくん」「トンくん」「ポリドロ」と、三名しかいない俳優に対して呼び名が五つもある。しかも、そのニュアンスはそれぞれにバラバラ。このちょっとカオスな状況こそ、当時の西洋文化と日本文化がエネルギッシュに混じり合っていた証のようで、なんとも興味深いです。
改めて各種資料を丁寧に読み込み、日本を席巻した三馬鹿トリオの受容史を、もう一段深く掘り下げてみたいです。もし当時の上映ポスターやチラシが発掘できたら、めちゃくちゃテンション上がります。
たとえば、「新馬鹿大将 堂々登場!」なんてポスターが出てきたら震えますよね。上映前にそのポスターを見るだけでも、場の空気は一気に百年前へとつながるはずです。
チャップリンやバスター・キートンほど広く記憶されてはいないかもしれません。けれど、彼らは確かに日本のスクリーンに立っていた。
そんな百年前の「大将」たちが、ふたたび鬨(とき)の声をあげるときが来たのです。

そして実は、大将たち以外にも、アーカイブの中からすでにいくつか強く心をつかまれる作品に目星をつけています。これらについても今後ちらりと紹介していきたいと思いますので、どうぞ、引き続きお付き合いください。
2015年から2025年までに日本で公開されたイタリア映画のリストを、1年ごとにこちらのブログに掲載していきます。連載3回目の2017年です。簡単におさらいさせてもらいますと、こちらのリストで扱っている「イタリア映画」の定義は――
①ネット配信ではなく、実際のスクリーンで上映されたもの。
②中編・長編映画。短編は除く。
③製作国が共同の場合は、明らかにイタリアが主導だろうという場合のみリスト入り。
以上、3点です。いろいろ調べていったら、何をもってしてイタリア映画というべきか……という疑問が立ちはだかり、大いに悩まされました。そんな悩みから生じるブレで、リスト漏れしている作品もあるかもしれないし、地方の小さな映画祭の情報など、取りこぼしもあるかもしれない。ただ、できるかぎり上記の3つの定義に従ってリストアップしたということでご容赦ください。リストの最後に解説も書いています。ぜひ最後まで読んでみてください。
2017年
【劇場公開】
ジャンフランコ・ロージ監督
『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』
配給:ビターズ・エンド
Gianfranco Rosi, Fuocoammare, 2016
ルキノ・ヴィスコンティ監督
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
配給:アーク・フィルムズ
Luchino Visconti, Ossessione, 1942
※2Kリマスター版
ルキノ・ヴィスコンティ監督
『揺れる大地』
配給:アーク・フィルムズ
Luchino Visconti, La terra trema, 1948
※2Kリマスター版
ルキノ・ヴィスコンティ監督
『家族の肖像』
配給:ザジフィルムズ
Luchino Visconti, La terra trema, 1974
※デジタル修復版
パオロ・ジェノヴェーゼ監督
『おとなの事情』
配給:アンプラグド
Paolo Genovese, Perfetti sconociuti, 2016
ガブリエーレ・マイネッティ監督
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
配給:ザジフィルムズ
Gabriele Mainetti, Lo chiamavano Jeeg Robot, 2015
ダニエレ・ルケッティ監督
『ローマ法王になる日まで』
配給:シンカ、ミモザフィルムズ
Daniele Luchetti, Chiamatemi Francesco, 2015
パオロ・ヴィルズィ監督
『歓びのトスカーナ』
配給:ミッドシップ
Paolo Virzì, La pazza gioia, 2016
マルコ・ベロッキオ監督
『甘き人生』
配給:彩プロ
Marco Bellocchio, Fai bei sogni, 2016
長谷井宏紀監督
『ブランカとギター弾き』
配給:トランスフォーマー
長谷井宏紀, Blanka, 2015
ソフィア・コッポラ監督
『ソフィア・コッポラの椿姫』
配給:東北新社
Sophia Coppola, La traviata, 2017
イヴァーノ・デ・マッテオ監督
『はじまりの街』
配給:クレストインターナショナル
Ivano De Matteo, La vita possible. 2016
フェデリカ・ディ・ジャコモ監督
『悪魔祓い、聖なる儀式』
配給:セテラ・インターナショナル
Federica Di Giacomo, Liberami, 2016
【映画祭・特集上映】
〈第一回東京国際ろう映画祭〉
ジュゼッペ・M・ガウディーノ監督
『あなたたちのために』
Giuseppe M. Gaudino, Per amor vostro, 2015
〈イタリア映画祭2017〉
ロベルト・アンドー監督
『告解』
Roberto Andò, Le confessioni, 2016
※2018年『修道士は沈黙する』の邦題で劇場公開
クラウディオ・ジョヴァンネージ監督
『花咲く恋』
Claudio Giovannesi, Fiore, 2016
アレッサンドロ・コモディン監督
『幸せな時はもうすぐやって来る』
Alessandro Comodin, I tempi felici verranno presto, 2016
ジュゼッペ・ピッチョーニ監督
『かけがえのない数日』
Giuseppe Piccioni, Questi giorni, 2016
エドアルド・デ・アンジェリス監督
『切り離せないふたり』
Edoardo De Angelis, Indivisibili, 2016
ロアン・ジョンソン監督
『ピューマ』
Roan Johnson, Piuma, 2016
マルコ・ダニエリ監督
『ジュリアの世界』
Marco Danieli, La ragazza del mondo, 2016
ピエルフランチェスコ・ディリベルト監督
『愛のために戦地へ』
Pierfrancesco Diliberto, In guerra per amore, 2016

エドアルド・レオ監督
『どうってことないさ』
Edoardo Leo, Che vuoi che sia, 2016

シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる-マスタークラス』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio – Masterclass, 2017
※2018年『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』の邦題で劇場公開
フランチェスコ・ブルーニ監督
『君が望むものはすべて』
Francesco Bruni, Tutto quello che vuoi, 2017
マルコ・ベロッキオ監督
『スイート・ドリームス(仮題)』
Marco Bellocchio, Fai bei sogni, 2016
※2017年『甘き人生』の邦題で劇場公開
パオロ・ヴィルズィ監督
『歓びのトスカーナ』
Paolo Virzì, La pazza gioia, 2016
※2017年劇場公開
イヴァーノ・デ・マッテオ監督
『La vita possibile(原題)』
Ivano De Matteo, La vita possible, 2016
※2017年『はじまりの街』の邦題で劇場公開
マルコ・ベロッキオ監督
『夜よ、こんにちは』
Marco Bellocchio, Buongiorno, notte, 2003
マルコ・ベロッキオ監督
『結婚演出家』
Marco Bellocchio, Il regista di matrimoni, 2006
パオロ・ヴィルズィ監督
『カテリーナ、都会へ行く』
Paolo Virzì, Caterina va in città, 2003
パオロ・ヴィルズィ監督
『来る日も来る日も』
Paolo Virzì, Tutti i santi giorni, 2013
シドニー・シビリア監督
『いつだってやめられる』
Sydney Sibilia, Smetto quando voglio, 2014
※2018年『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』の邦題で劇場公開
〈午前十時の映画祭8〉
ロベルト・ベニーニ監督
『ライフ・イズ・ビューティフル』
Roberto Benigni, La vita è bella, 1997
〈EUフィルムデーズ2017〉
マッテオ・ガローネ監督
『五日物語 -3つの王国と3人の女-』
Matteo Garone, Il racconto dei racconti, 2015
〈映画で旅するイタリア2017〉
フランチェスコ・ミッチケ監督、ファビオ・ボニファッチ監督
『やつらって、誰?』
Francesco Miccichè/Fabio Bonifacci, Loro chi?, 2015
クリスティーナ・コメンチーニ監督
『ラテン・ラバー』
Cristina Comencini, Latin lover, 2014

クラウディオ・クペッリーニ監督
『アラスカ』
Claudio Cupellini, Alaska, 2015

〈Viva!イタリアvol.3〉
ジェンナーロ・ヌンツィアンテ監督
『Viva!公務員』
Gennaro Nunziante, Quo vado?, 2015
シルヴィオ・ソルディーニ監督
『日々と雲行き』
Silvio Soldini, Giorni e nuvole, 2007
ピエルフランチェスコ・ディリベルト監督
『マフィアは夏にしか殺らない』
Pierfrancesco Diliberto, La mafia uccide solo d'estate, 2013
〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017〉
マルコ・セガート監督
『父の足あと』
Marco Segato, La pelle dell’orso, 2016
〈カナザワ映画祭2017〉
セルジョ・レオーネ監督
『ウエスタン』
Sergio Leone, C'era una volta il West, 1968
ヴァレリアン・ボロヴツィク監督
『尼僧の悶え』
Walerian Borowczyk, Interno di un convento, 1978
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督
『ソドムの市』
Pier Paolo Pasolini, Salò o le 120 giornate di Sodoma, 1975
〈ワールド・エクストリーム・シネマ2017〉
ステファノ・ソッリマ監督
『暗黒街』
Stefano Sollima, Suburra, 2015
〈山形国際ドキュメンタリー映画祭〉
ルイジ・ペレッリ監督
『ファタハ:パレスティナ』
Luigi Perelli, Fatah: Palestine, 1970
〈第30回東京国際映画祭〉
シルヴィア・ルーツィ監督、ルカ・ベッリーニ監督
『ナポリ、輝きの陰で』
Silvia Luzi/Luca Bellino, Il Cratere, 2017
タヴィアーニ兄弟監督
『レインボウ』
Fratelli Taviani, Una questione privata, 2017
【解説】
2月に劇場公開された『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』は、2013年に『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を獲得したドキュメンタリー映画監督ジャンフランコ・ロージの新作。しかもこの作品でロージはベルリン国際映画祭金熊賞を獲得し、三大映画祭2冠を達成している。アフリカから地中海を渡りヨーロッパへ密航する難民・移民たちの最初の到達点であるイタリアのランペデゥーザ島の暮らしを描いたドキュメンタリー映画で、非常にアクチュアルかつ芸術性も高いが、日本で大ヒットにはいたっていない。
そしてこの年はパオロ・ジェノヴェーゼ監督『おとなの事情』も劇場公開された。ホームパーティーで7人の男女が自分のスマホにかかってきた電話や届いたメールをその場で発表し合うゲームを始めて、それぞれ関係が壊れ大惨事になっていく密室劇。俳優陣も豪華でこれを見ておけば2010年代のイタリア映画の基本が押さえられるという入門書的作品だった。
長谷井宏紀監督『ブランカとギター弾き』もこの年に公開だ。日本人監督がイタリア制作チームと撮影したフィリピンが舞台のフィクション映画ということで、長きにわたり自分のなかでは謎映画だったのだが、この文章を書くに際してアマプラで視聴した。長谷井監督は20代の頃にヨーロッパで活動していてエミール・クストリッツアとも交友があるという特異な経歴の持ち主。そのなかで知り合ったイタリア人プロデューサーからの提案でヴェネツィア国際映画祭の助成金に応募したところ、採用されて制作されたのがこの映画だそうだ。フィリピンの貧民街を舞台に、孤児の女の子と盲目のギター弾きの交流を描いた物語で、作品に漂う無国籍な雰囲気がよかった。普段イタリア語に関わる仕事をしていると、作品を「イタリア映画」という枠組みに収めて考えてしまいがちだが、本来はこういう国籍が定義できないカオスな状態こそが映画の正解なのかもしれない。