

北海道は紋別の「ガリンコ号」って「砕氷船」だとは知っていたけれど、その意味を、船を実際に見てやっと理解した。
氷を砕きながら進む船。
船の先端に大きなドリルが4本もある。
まるでなんとか戦隊なんとかレンジャーの戦うメカみたいな乗り物だ。
このドリルで分厚い氷も打ち砕きながら進むのだ。
流氷ってただの氷でしょ。
海に氷が浮かんでるのを見てそんなにおもしろいかしら、と以前は思っていた。
が、夏に知床一人旅をして、道東の大自然やオホーツク海の特殊事情や流氷のナゾについて学習し知見を深めた私は、「やはり北海道にいるあいだに流氷を見に行きたい」と思うようになった。
今でこそ氷が浮いているだけの海かもしれないが、以前はもっともっと分厚い氷が折り重なって氷山ができるほどだったオホーツクの海。
浜辺に氷山が打ち上がったり、道路にまでおおいかぶさるほどで、そのときには「メリメリメリ」とそれは恐ろしい音を出すのだそうだ。
温暖化で近年は流氷の量も時期も少なくなり数年後には見られなくなるかもしれないと言う。
でも冬の道東、自力で行くのは厳しい。
車の運転も厳しけりゃJRも厳しい。
夫が札幌発のバスツアーを見つけて申し込んでおいてくれた。
なんと日帰り。
すごい。行くだけで5時間かかるあの距離を日帰りで。
運転手さんもバスも往復で交代した。
8:20集合21:30着という日帰りバスツアー。(3月3日参加)
我々は参加するために札幌に前泊後泊したから、結局2泊3日だったんだけどね。
添乗員さんのガイドによると「きのうもおとといも波が高くてガリンコ号は出港できませんでした。今日の午前の便も欠航です。みなさんが乗るのは14:30の便。今波はおさまってきていますので、今日は乗れるんじゃないかと思います」
「流氷は今年は少なくて状況は期待できないです。乗船は1時間ですが、もし沖のほうにまで出れば流氷が見られるという場合には、船長判断で15分延長して航海できることになっています」
「私は何度もこのツアーに同行していますが、この冬は流氷が見られたのは何回かでした。船が出ないこともありますし、高速道路が雪で通行止めになることもありますし、今年の札幌は大雪で、札幌を出るだけで1、2時間かかることもありましたし、そもそも集合場所のホテルにバスが到着できないなんてこともありました」
一か八かじゃん。冬の北海道。
バスツアーは外国人ばかりかとおもいきや台湾から8名ほどで、あとは本州からの日本人客ばかりで、私達道内からというと「エッ道内のお客さんはめずらしい。ほとんどいません」だって。
私達はなんちゃって道民だから、目線は道外観光客。
北海道の人は自力で行くのか、多分そもそも行かない。
北海道の人はスキーしないのと一緒でわざわざ氷なんて見に行かなくていいんだと思う。

果たして船は出た。
が、流氷はゼロ。
砕氷船ガリンコ号に1時間乗っただけだった。
船の中ではずっと大型画面に流氷を割りながら進むガリンコ号の映像が流れる。
見たかったな。一面まっしろな氷の海。




船を降りると「再チャレンジ優待券」(2027年3月末まで1000円引)という割引券が配られた。
船には乗らなかった添乗員さん「あーリベンジ券もらっちゃったんですね。ということは流氷はなかった?残念でしたね。バスツアーまだ空きがあります。来週も来てくださいね」だって。
「先週のお客さん、リベンジし続けて4回目だったんですけど、船が出なくて4回とも乗れなかったんですよ。もう気の毒で。船が出ないときは近くの資料館に行くんですけど、資料館4回目だって。流氷は見られなくてもいい、ガリンコ号に乗るだけでもいいって言ってたのに本当に残念でした。でもこればっかりはどうしようもない」
それを聞くとガリンコ号に乗られただけでもよしとしよう。
昨日もおとといも今朝も欠航だったガリンコ号に乗られたのは、ラッキーと思うほかない。
なんか、一年前にもこんなことあったな。