以下の内容はhttps://katari-mata-katari.hatenablog.com/entry/2024/12/12/064502より取得しました。


水への手紙

両手を広げて待ち構えている一団に、手を伸ばして飛び込んだ。通っていた園には夏に大型施設のプールを訪れる行事があり、そのとき私は五歳だった。深い水深を補うために体育用のマット一枚分くらいのプールフロアが敷かれた水面はちらちらと赤く、真ん中に集められた子どもたちを丸く囲うように教諭やコーチなどが配置されている。何かに目覚めたように休むことなく大人たちにぶつかろうとするけれど、まったくすぐにつかまってしまう。顔は見えないけれど怖くない。

また別の園にあるプールで、水に潜る。水底に近づくほどに浮き上がろうとする力に逆らい、首から上が重くなる感じを確かめる。見えるものがぼやることも、あらゆる音が遠くなっていくこともかみしめる。顔を上げると、強い風のような騒がしさに吹きつけられる。

着替てから、照りつける太陽に髪と背中を熱されながら子どもたちはぞろぞろと近くの畑を目指し、夏野菜の収穫や観察をする。そこからプールに向かうとはいえ、この暑さは帳消しにはならない。小高い畑まで少しぬかるんだ坂を登らなければならず、足元は皆サンダルで、尻もちをついたり滑ったりする子どもが後を絶たない。体に中途半端に土や泥水がくっつくのはいただけないから、畑には行きたくなかった。




以上の内容はhttps://katari-mata-katari.hatenablog.com/entry/2024/12/12/064502より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14