秋は駆り出されているような催しが多い。準備をして当日を迎え、楽しめはするけれど、いかんせん気がそぞろである。少しの高揚と不安と煩いが逆ピラミッドのようになってそよそよしている。
子どものころはそんな催しにあんなに浮足立っていて、むしろ台風の目さながら回す方にいたのだが、喫緊に考えていることはいかに早く眠るかだ。規則正しい生活はできているだろう。
ふとカーステレオからスピッツなどを聞いていると、音という湯に入っているように伸びやかな気持ちになり、そのときだけは雑念が払われている。そういうひとときを意図的につくったらいいのかもしれない。
玄関に座り、右の靴を履いたもののどうしても左に違う靴を履いてしまい出るに出られないとか、部屋のあちこちから小さな蛙が飛び出してきておどろくような夢を見たりもする。
そうはいっても、ここではないどこかへ行くつもりもないわけで、中途半端にのそのそと参ろうと思う。