放送65年目を迎えた「おかあさんといっしょ」。NHK,、Eテレで放送されている幼児向けの番組です。
私も子供が小さい頃に一緒にみていましたが、自分でもびっくりするくらいこの番組が好きになってしまいました。驚きましたよ。まさかこのひねくれ放題の自分が幼児番組にハマるなんて。
しかしみていただければわかるはず。
大人もハマる「おかあさんといっしょ」の魅力を分析、考察してみました。
目次
「おかあさんといっしょ」の魅力
1、プロフェッショナルの力・すべてが一流
「おかあさんといっしょ」を見始めて、うたが聴きやすいことに気が付きました。まるで教科書のような。アレンジもなく、当然のことながら音を外すこともなく、うたのお兄さん、お姉さんはしっかりとした発音、発声で歌われます。
実はこれ、かなり難しいことのよう。
ヒット曲をお持ちの歌手の方にとって、いつもいつまでもCDのような歌い方をするのは実は苦しいことだときいたことがあります。
うたのお兄さん、お姉さんが歌われるのは子供向けの曲ばかり。難しい曲ではありません。その簡単な歌を何度も何度も音程を外さず、お手本のように歌われるのは楽なことではないのでしょう。
その徹底ぶりに、私はプロフェッショナルとしてのすごみを感じました。
また、先の記事、「放送65年おかあさんといっしょの魔法」の内容と感想にも書きましたが、番組を支えるスタッフの方も皆さんプロフェッショナル。
たいした教養もない私ですが、いや、そんな無能な私ですらわかる一流の仕事は、やはりすごいのだと思います。
2、否定されない安心感
「おかあさんといっしょ」の収録には40名の子供が参加するそうです。中には親と離れられない子がいたり、テレビには映っていても、子供たちの輪から外れて一人でいる子もいます。
でもそんな子供たちも決して叱られたりはしない。お兄さん、お姉さんはときどき声はかけるものの、中に入るよう強制することはありません。
また、大人の目で観ていて、軽いものですがハプニングに思える事態もあります。しかし、お兄さんもお姉さんも慌てません。もちろん怒ったりもしません。原因になった子供をふわっと「丸めこんで」(変な言い方ですみません)、番組は続いていく。
育児の理想がそこにあるんです。
子供だけでなく、番組を観ている大人へエールが送られることもあります。
大した人間でもない。たかだか幼児相手に絶望したり泣きそうになったり、日々めちゃくちゃの私のような親にも、「おかあさんといっしょ」は優しい。
「お兄さんとお姉さんは育児の戦友」なんて言い方をされることがあります。放送時間の20分は子供がおとなしくしてくれるから、というのもありますが、もうひとつ、わちゃわちゃの日々を全て肯定してくれるような温かさがあるからではないでしょうか。
3、毎日毎日同じこと・くり返しの日々
幼児期の育児は、ときにハッとするような幸せに出会うこともありますが、ほとんどはつまらないことの繰り返しです。靴を履く、履かないでもめたり、せっかく作ったご飯が無駄になったり、それでも毎日毎日、靴を履け、ご飯を食べろと言い続けなくてはいけません。
しかしそれは「おかあさんといっしょ」も同じ。
番組では、うたや人形劇の間に知育遊びのコーナーがあります。いち、に、といった簡単な数を数えさせたり、影からもの形を考えさせたり、まあ、文字通り「子供だまし」の簡単クイズのようなものがあるんです。(古くてすみません)
その子供だましの進行役を、お兄さん、お姉さんは真剣に演じておられる。毎週毎週、同じ企画で、せりふだってほぼほぼ同じ内容で、これもすさまじいですよ。
私はろくな人間ではありませんので、「飽きないのかな」「イライラしないのかな」「たまには手を抜きたくならないのかな」と、思ってしまうことがありました。
正直ね、すごく個人の感想ですけど、お兄さん、お姉さん、たまには手抜きしてくださってもかまいませんよ!!! と言ってしまいたくもなる。
でも、そんな気配はみじんも見せないんですよ。超簡単なクイズにえーとかあーとかブーとか言う子供たちを相手に、ときにボケたりもしながら元気に企画を進めていかれる。
それを見ながら、「自分もがんばってみよう」「お兄さん、お姉さんだってがんばっておられるんだ」「毎日毎日同じことでも、丁寧に繰り返すことにはきっと意味があるんだ」と、考えられるようになりました。
4、お兄さん、お姉さんこそが究極のアイドル
「おかあさんといっしょ」のお兄さん、お姉さんには、恋愛禁止というルールが課せられているそうです。
皆さん20代の若い方ばかり。私は恋愛だってしていていいし、結婚だって。そう思います。(よしお兄さんは出演中にご結婚されていたといいますね)
また、ときには風邪を引いてお休みしたっていいと思う。子供の相手に疲れてやさぐれることだってあるでしょう。二日酔いの日だってあってもおかしくないはずです。
でもそんな姿は絶対にみせない。ものすごいことだと思いますよ。
子供相手にうたを歌い、体操をし、NHK独特のちょっとアレンジのきいた微妙にファンタジックな服を着せられて、茶髪にすることもピアスをあけることもせず、いつも笑顔でいてくださる。
やりがいのあるすばらしいお仕事だと思います。お兄さん、お姉さんの人格を疑うつもりはありません。
しかしその自己管理の厳しさを考えると、彼らこそが究極のアイドルではないかと、わりと真剣に考えてしまいます。
まとめ
子供と見始めた頃は、「子供が喜ぶものだろう」「これでいっときおとなしくしていてはくれまいか」という、実に大人らしい策略(?)に満ちた心情でした。
しかしみているうちに、楽しくなり、毎日の放送時間を待つようになり、コンサートにも行ってみたいと思い、CDを買いました。
もう遠い日々になってしまいましたが、「おかあさんといっしょ」が偉大な番組であるという思いは変わることがありません。私はだいたく世代ですが、だいすけお兄さん、たくみお姉さん、よしお兄さん、りさお姉さんへの尊敬と感謝は、おそらく生涯消えることがないでしょう。
きっと皆さんにも同様に、特別なお兄さん、お姉さんがいらっしゃるはず。
不思議な番組です。
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