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「古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像」読みました・内容と感想

古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像 (講談社現代新書)

 

マヤ、アステカ、ナスカ、インカときいて、どんなイメージを持たれるでしょうか。そもそも、何がどう違うのかわからないという方もおられるかも。

 

こちらの本「古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像」は、ぼんやりとした、あるいはある種オカルトめいた印象で語られることも多いアメリカ大陸の文明について、最新の研究結果をまとめたものです。

 

この記事では、

 

 

に関する内容を簡単にご紹介します。

 

 

 

四大文明」は間違い? 見直されるべき歴史教育

他の地域の影響を受けず、独自で発展した文明を一次文明と呼ぶそう。そして日本の学校では、一次文明はメソポタミア文明エジプト文明インダス文明黄河文明と習います。

 

でもそれは誤りで、アメリカ大陸にも一次文明があったことが認められているとか。

 

本書9ページより。メキシコのユカタン半島周辺ではメソアメリカ文明が、ペルーの海岸地域や山岳部ではアンデス文明が栄えたといいます。

 

書籍「古代文明マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像」より挿絵

 

同じく教科書で習った「文明は大河のほとり」も、絶対そうだとは言えないとのこと。メソアメリカ文明はジャングルで、アンデス文明は乾燥した海岸地域や高山で。いずれも大きな川はありません。

 

生贄、マヤの予言、宇宙人、強い王様……アメリカ文明への誤解

2012年は世界の終わり。マヤにこのような予言があると、大きな話題になったことがあります。が、結果はご存じの通り。

 

実はマヤ歴は循環歴で、ひとつの時代が終わったら次の時代が始まると、そう定められているそうです。つまり人類は2012年にマヤ歴の大きな暦の終わりを体験したというわけ。世界が滅びなくてよかったですよね。

 

また、アステカでは生贄の話がよく出されます。確かに、人間を生贄にする儀式はあったのですが、その数や規模はかなり大げさに伝わっているそう。先住民の残虐性を示すため、スペイン人が「数を盛った」可能性があるとか。

 

宇宙人説は……却下! とはいえまじめな話をすると、「劣った先住民がこのような巨大な建造物を作れたはずがない……ハッ、宇宙人?」という発想からなる言説だそうで、これも当然否定されています。

 

最後に権力者について。

 

私たちが学校で習う歴史はヨーロッパ中心にまとめられたものですから、他の地域の文明についてもどうしても、ヨーロッパ的な考え方を当てはめることが多いといいます。

 

王様といえばどうでしょう。強い、支配、絶対権力、セレブ、わがまま……。最後ふたつは私の勝手なイメージですが、そんな印象はありませんか。実はアメリカ文明では少し様子が違っているそうで、マヤの例を書いてみようと思います。

 

マヤ文明は横につながるネットワーク型文明

マヤ文明での王の役割は、戦士であり神官であり工芸家であり美術家でもあり、多彩なものであったといいます。また、王は人を支配する者ではなく、人と神とをつなぐ役目も担っていたとか。

 

ときにその身を犠牲にして、神への供物とすることもあったそうで、王家の男性は耳や男性器を傷つけ、女性は舌を切って血をささげたとのこと。欧州の王様とはちょっとイメージが違いますよね。

 

また、王は戦いの場へも赴き、戦士としての働きを見せねばなりませんでした。

 

面白いのが、マヤ文明での戦争は他を滅ぼし、あるいは服従させ、領土を広げるためのものではなかったこと。多数の国家が、交流を持ちながらそれぞれ独立して存在していたということです。本書では「ネットワーク型」と記していますが、これもユニークに感じられますね。

 

インカ文明・アンデスの魂「ワロチリ文書」

私の個人的な感想ですが、マヤ、アステカ、ナスカ、インカについてこれまで書かれた本の多くは、スペイン人による征服を主なテーマにしていたように思います。それらの文明がどのようなものであったか、人々はどんな暮らしをしていたか、わかるものは少なかったような。

 

ですので今回の読書では、そうした部分をたくさん知ることができたのでうれしかったです。特にインカのワロチリ文書。教会の主導でまとめられたこの文書には、アンデスの人たちの精神性や考え方がよく描かれているとか。

 

たとえば山の話。アンデスの人々は山を人格のあるものと考え、畏怖し、崇拝していたそう。山はおしゃべりをしたり、怒ったり喜んだりする。

 

あるときインカが山の神々を広場に集め、相談を持ちかけたそう。「私はこれまで自分の金、銀、酒、食べ物をささげてきた。頼みをきいてほしい」という。これに、ある山は自分の代理として息子(もちろん山)に行くよう命じたということですので、山にも性別があって家族がいる(と考えられていた)ことがわかります。

 

ちょっとくだけた言い方になりますが、「自然を擬人化して神として敬う」というのは、日本人である私にとっては違和感がない。むしろ共感できる、親近感のわく考え方です。

 

ワロチリ文書は未だ研究途上であるようで、今後が楽しみになりますね。

 

まとめ

新書。コンパクトサイズの本に大量の情報が詰め込まれすぎている感さえある。贅沢な一冊です。著者は第一線の研究者の方ばかり。専門的な内容なので、ちゃんと理解できたかどうかは不安ですが、面白かったです。

 

それにしても目からウロコの話がたくさんありました。私なんかは古い世代の人間ですので、四大文明もそうだし、まずは神殿ありきで文明が発展したという話にも驚きました。文明の起点は農業、まずは腹いっぱい食えてからのことだと思っていたのですが、そうとは限らないみたい。

 

アメリカ文明の詳細ももちろんのこと、常識がぐるんとひっくり返る話も多く、充実した読書になりました。

 

 

 

 

 




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