続きの⓹から終わりの⑧まで。
ーーーーーーーーーー
⓹ 「野の医者はいまだ病んでいて、癒やしを求めている。…
病むことと癒やすことが「生き方」になる
(続いて著者はいう。「科学的な医学《の登場によって》によって初めて、癒やす人と病む人、
治療者と病者が別々のものになったのだろう」と)…
でも誰か、究極に健やかな人っているのかな。
みんな病みながら生きていて、それを受け入れるってことが、ありのままなのかもしれない
…
野の医者は治療を与えるのではない。ひとつの生き方を与えるのだ」
⑥ 「野の医者の基本理念である「考え方が変われば、世界が変わる」という発想
(ポジティブシンキング、…)は、実は宗教由来だ」
⑦ 「霊も、前世も、天使も、「ほんとかどうか」ということを考えるからややこしいのだ。…
(さまざまな野の医者の治療法《癒やし》も)ディズニーランドと同じです。
楽しければ、それでいいじゃないですか」…
私たちは今、軽薄でないと息苦しい時代に生きている。
だから、軽薄なものが癒やしになる。…
その時代ごとの空気が、時代に見合った治療法を生み出すのだ。
…
様々な学者が1995年を境に、日本社会が大きく変わったことを指摘している。
1995年以前、世間では自分探しがブームだった。…
軽薄だっていい。マーケティングに成功することが何より大事。…
(現代は)そういう哲学が深く染み込んでいる」
⑧ 「野の医者が思考によって現実が変わることを目指すのに対して、
臨床心理学は現実を現実として受け止め、生きていくことを目指す。
…
(臨床心理学も)宗教の末裔でありながら、それらと違うのは、私たちが自分自身を…客観的に見て
考えることができるからだ。…
臨床心理学は、天使も、前世も、ミラクルも無しで、ただ人の話に耳を傾ける治療文化だ。
…
野の医者というのは資本主義の鬼子なのだ。…
資本主義の片隅で、経済的困難に傷つけられた人たちが、癒やされるために
資本主義的な癒やしの文化に参入するのだ」

ーーーーーー
⓹の「みんな病みながら生きていて」、
⑥の「考え方が変われば、世界が変わる」、
⑦の「楽しければ、それでいい」「軽薄なものが癒やしになる」ということが
強く胸に迫った。
言われていること、それだけを見れば「そうかなぁ?」と思うけれど、
ある限った話の中では当たっているように思う。

それに、人が生きるということは、ある人が生きるということであり、
必ず「ある限った話」、その人の人生物語でしかあり得ない。

はつ蝶の ちいさくも物に まぎれざる 白雄