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複数チームでの並行開発を加速させる。Musubi開発フロー改善ギルド活動の取り組み

はじめに

こんにちは。Musubi機能開発チームでエンジニアをしている竹本です。

カケハシの基幹プロダクトである「Musubi」は、プロダクトの規模拡大に伴い、現在は複数チームによる並行開発体制をとっています。しかし、開発プロセスが各チームごとに最適化されていった結果、以下のような課題が顕在化していました。

  • ナレッジの属人化: 良いプラクティスが特定のチーム内に留まってしまう。
  • 横断的改善の停滞: チームを跨ぐ共通の非効率が放置されやすくなる。

この状況を打破し、組織全体の開発生産性を底上げすべく、 2025年9月に開発フロー改善を目的とした横断的なギルド活動 を立ち上げました。本記事では、オーナーである私が取り組んできた改善の歩みをご紹介します。

Musubi機能開発チームにおける「開発の進め方」

具体的な改善内容に触れる前に、まずはMusubiの基本的な開発フローについてご紹介します。

Musubiの開発はスクラム開発で行われており、案件ごとに 「全体マップ」 を作成し、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーなど、関係者全員でこれを作り上げながら進めるスタイルをとっています。

全体マップのテンプレート
全体マップのテンプレート

「全体マップ」の詳細については、ぜひ以下の資料もあわせてご参照ください。

この「全体マップ」によって、開発の全体像や目的を可視化する文化は根付いていました。しかし、そのマップを元にした具体的な肉付け(ストーリーの分割粒度や設計図の書き方など)については各チームの裁量に委ねられていたため、結果としてナレッジの属人化を招いているという側面もありました。今回のギルド活動では、この「全体マップから先の解像度」を横断的に揃えることに注力しました。

改善ギルド活動でやったこと

週1回、30分の定期MTGを設定し、現場で発生している「開発の進めづらさ」や「小さな違和感」を持ち寄って議論しています。具体的に取り組んだ内容をいくつかご紹介します。

ストーリー分割・ポイント見積もりの観点整理

従来、ストーリーをどの程度の粒度で分けるか、あるいは「1ポイント」の重みをどう捉えるかは各チームの経験則に委ねられていました。そのため、チーム間でのナレッジ共有が難しかったり、ベロシティ(開発速度)の解釈にズレが生じ、他チームの状況を正しく把握しづらいといった課題がありました。

ギルド活動では、 「何を基準にストーリーを分割するか」や、「ポイントを付ける際の不確実性の考慮」 について議論し、ドキュメント化しました。これにより、チームを跨いだ移動があった際もスムーズに開発に入れる土壌が整いつつあります。

ストーリー分割・ポイント見積もりの観点整理ドキュメント
ストーリー分割・ポイント見積もりの観点整理ドキュメント

UMLテンプレートの作成

設計の合意形成をスムーズにするため、FigJamでUML(シーケンス図など)の共通テンプレートを作成しました。

UMLテンプレート
UMLテンプレート

目的は、設計の初期段階で「早い・軽い」共有を行い、チーム内でのイメージ合わせを加速させることです。共通の枠組みがあることで、図解のハードルが下がり、以下のような効果が得られています。

  • 早期のイメージ共有: 詳細を詰める前にラフな構成を共有し、チームで共通認識を持てるようになった。
  • 合意形成のスピードアップ: 表現が統一されたことで、レビュー時の理解コストが下がり、意思決定が早まった。

プレモーテム(事前検死)テンプレートの導入

案件開始前に「このプロジェクトが失敗するとしたら、どんな原因が考えられるか?」をあえて議論するプレモーテムのプロセスをテンプレート化しました。 あらかじめリスクを言語化しておくことで、開発中盤でのどんでん返しを未然に防げるようになっただけでなく、チーム内の心理的安全性を高める副次的な効果も得られています。

プレモーテムテンプレート
プレモーテムテンプレート

また、プレモーテムで作成したFigJamをAI(Devin)に要約させ、ドキュメントとして蓄積する仕組みを構築しています。 今後は、蓄積されたナレッジをAIに学習させ、新規案件のリスクを自動判定させるといった活用も視野に入れています。

得られた成果

ギルド活動の立ち上げから数ヶ月が経過し、以下のような具体的な変化を実感しています。

  • コミュニケーションの高速化: ストーリー分割の基準やUML表現が揃ったことで、チームを跨いだ仕様確認やレビューにおいて、「前提のすり合わせ」に要する時間が大幅に短縮されました。
  • 「負の資産」の再利用: プレモーテムで出された過去のリスク情報がAIによって構造化され、蓄積されています。これにより、類似案件の開始時に「以前はここで苦労した」という教訓を、担当者個人の記憶に頼らず引き出せる土壌が整いました。
  • 心理的安全性の向上: プレモーテムという仕組みを通じて、潜在的な懸念を公式に「吐き出せる」場ができたことで、トラブルを未然に防ぐ意識がチーム全体で高まっています。

今後の展望

ギルド活動を通じ、単なるルールの策定に留まらず、現場の違和感を起点にボトムアップで開発フローを改善していく「文化」が着実に醸成されてきました。今後はこの土壌を最大限に活かし、次の2点に注力することで、さらなる進化を目指します。

  • AIによる開発プロセスの高度化 : 記事でも触れたAI(Devin)の活用を加速させます。単なる作業の効率化や要約に留まらず、蓄積されたナレッジをベースとした「リスクの自動検知」や「設計の壁打ち相手」として機能させるなど、技術の力で開発体験を一段上のステージへ引き上げます。
  • Musubi全体へのインパクト最大化 : 各チームの局所的な最適化を超え、複数チームが並行稼働する中での依存関係の解消や、意思決定の高速化を推進します。Musubi開発全体の生産性に直結する「より大きなレバレッジがかかる課題」に挑戦し、プロダクトの成長速度を最大化させていきます。

おわりに

今回は、Musubiの複数チーム開発における横断的な改善活動についてご紹介しました。

ギルド活動を立ち上げてから数ヶ月、最初は小さな試行錯誤の連続でしたが、現在はツールやAIの力を借りることで、「開発生産性を高める仕組み」が着実にMusubiの文化として根付き始めています。

カケハシでは、技術的な課題だけでなく、開発プロセスそのものをより良くしていくことに興味があるエンジニアを募集しています!




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