
キャンプもDIYも何もかも未経験のスタートから、YouTube動画をひたむきに研究して車中泊空間を作り上げてきた“ななたび”さん。レトロで温かみのある装飾、細部まで安全性・利便性が考え抜かれた仕様など、車内どこを見てもななたびさんのこだわりが詰まっています。カスタムの工夫ポイントとはどこにあるのか、車内の隅々まで見せていただきました。

- ななたびさん
- 茨城県在住。2022年に車中泊に目覚め、23年にN-VANライフをスタート。一人まったり車中泊旅を楽しむ様子をYouTubeでも配信中。好きなものはキレイな景色、ネコ、ビール。
- Instagram:@n.van.nanatabi
YouTube:ななたび / nanatabi車中泊
目次
理想の車中泊空間を作るのに、選んだクルマはN-VAN
車中泊を楽しむバンライファーたちのYouTube動画に魅せられ、2022年から車中泊を始めたななたびさん。キャンプもDIYもまったくの未経験からスタートし、理想の車中泊空間を作り上げるべく、2023年からN-VANユーザーとなりました。

外観の大事な“顔”にもこだわりを込め、フロントグリル、ドアミラーカバー、ホイールキャップをすべてホワイトにしてかわいらしさを加えました。デカールウッドも取り付け、よりアウトドアな雰囲気に。アクセサリーはすべてN-VANの純正アクセサリーで、Hondaの担当者からは、「こんなにオプションを付けてくれるなんて感激です!」と喜ばれたそうです。

N-VANに決めた最大の理由は、座席がフルフラットになることで生まれる車内空間の広さ。
「運転中は普通の乗用車より目線が高くて乗り心地もいい。助手席のドアと後部座席のドアの間にある柱がないセンターピラーレスは、外から作業するときに本当にラクで、『さあ、車中泊を楽しんでください』と言わんばかりのデザインですよね」

カスタムを始めた当初は、ウッド調に統一された車中泊パーツブランド「nuts vanlife products」に一目惚れし、収納棚やテーブル、ベッドキットを愛用していました。

しかし、2025年夏にN-VANユーザーが集まる「N-VANの集い」に参加し、考え方が変わったといいます。
「出会った方はみんな、内装をイチからすべて自分で作り上げてカスタムしていました。その熱量に圧倒され、私も自分で作りたい、作らなくちゃ、と思ったんです」
「nuts vanlife products」の商品は、すべてドライバー1本で取り付けができるのでDIY初心者にとっては活用しやすいアイテムなのだそう。「でも、そこに甘えてちゃいけない」と、DIY熱に火が付き、大規模な内装のモデルチェンジがスタートしました。
あるようでなかった? 配色のコツと睡眠の快適性
大きな変更ポイントの一つは、車内をお気に入りカラーの「緑・白・ベージュ」に統一することでした。この3色は、コロナ禍のときにハマった「家を作るゲーム」で、海外プレイヤーの方が使っていた配色だったのだそう。

ベッドキットもnuts vanlife productsから卒業して、ゼロからDIY。運転席以外の座席をすべて収納してフルフラット空間を作り、そこにベッドの土台を製作し置きました。

ベッドの天板には3色にペイントした板を組み合わせ、取り外し可能にすることで、土台下の荷物を上から取り出しやすくしました。

睡眠にもこだわり、家のような寝心地を求めて、マットレスを選択。

「キャンプ用のインフレーターマットとかだとしまうのが大変ですが、これなら折りたたむだけでいいし、ソファみたいにも使えるんですよ」

寒い時期の車中泊では、電気毛布にくるまって寝ているそうで、できるだけ電源サイトがあるキャンプ場を選んで行くそうです。

電力はポータブル電源を2つ載せているほか、外部からも引っ張ってこられるように、Honda純正アクセサリーの「外部電源入力キット」も取り付けています。



寝る前に冷蔵庫で冷やしたビールを飲むのが、最高のリフレッシュなんだそうです。
サラダボウルがシンクに!? 目から鱗のアイディアが炸裂
続いて取り組んだのは、車内後方のバージョンアップです。後方部分のテーブルを取り払ったことで車内はすっきり広々とした空間に。


側面の上段に取り付けていた収納棚は、そのまま活用しつつもドア部分をカットしてステンドグラスをプラスしたことで、車内はぐっとレトロな雰囲気に。灯りをともせば、ステンドグラスからやわらかな光が漏れてきます。


ステンドグラス収納棚の対面サイドには、長さがランダムな板がデザインされています。


一見ランダムに取り付けられたかのような板と板の間は、実は均一な幅になっており、好きな場所に簡易な棚ができる仕様に!


さらに、車内でちょっと手を洗いたい……という希望を満たすべく、シンクも設置されています。軽量の飲料水ポンプ(ウォーターポンプディスペンサー)は、ウォーターサーバー用ボトルやペットボトルから細いホースで水を汲み上げる簡易な仕組みです。
手を洗ったり、野菜をさっと洗ったり、朝晩に歯磨きしたりと、いちいち外の洗い場まで行かなくていいのがとてもラクチンだといいます。

かわいらしい木製のシンクはなんとサラダボウルでした。「排水口を丸くカットすればシンクになりますよ」という発想力の豊かさは、まさに目から鱗。身近で安価なものでも、活用の仕方次第でどんなふうにも“化ける”ものなのだ、と感心しきりです。


以前は電子レンジを車内に置いていたそうですが、「場所や電力を使うほどの必需品ではないかも……」と考え直してやめることに。パンが焼ければ十分、ということで小さなトースターを据え置き、キッチンには、IHクッキングヒーターを収納する棚を作って設置。フタを開ければそのまま調理ができるという優れものになっています。



限られたスペースを有効活用する上で、意外な収納力を誇るのが天井収納だったそう。
「一カ所に座って、あれこれ動くことなく作業できるのがとても便利です」

DIYの目的は、車中泊ソロキャンプを快適に過ごすこと。どうしたら導線がスムーズになり煩わしさがなくなるか、を最優先に内装を考えることがポイントなんだそうです。
キャンプ飯はお取り寄せで「裏切らないおいしさ」を味わう
車中泊キャンプでは鍋を作ることが多いそうですが、「料理は決して得意ではない」と笑うななたびさん。YouTubeチャンネルを開設して動画を配信する中で、美味しそうなご飯を作らなくちゃと見栄えを気にしているうちに、料理自体が楽しくなってきたといいます。
取材時にスタッフにふるまってくれたのは、YouTube仲間とのオフ会でも重宝しているという“お取り寄せもつ鍋”。「キャンプ場なのに、あの名店の味が楽しめるなんて!」という特別感が好きだそうで、「お取り寄せは裏切らないですからね」と笑顔を見せます。


簡単に済ませたいときはトースターを使ってパンを焼き、コーヒーと一緒に楽しみます。

車中泊を始めて約3年。今の一つの目標が「最新システムを活用して、遠方のキャンプ旅にも挑戦すること」なんだそう。N-VANには、安全運転支援システムが搭載されており、自動で加減速を行ってくれるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や、LKAS(車線維持支援システム)など、高速道路の運転をラクにしてくれる機能が満載です。実はまだ使いこなせていないそうで、それらを駆使すればさらに快適に旅に出られるのでは、ともくろんでいます。
思いっきり自由に、自分だけの空間で好きなように過ごせたらいいーー。そのシンプルな思いで始まった、キャンプ&DIY未経験からのバンライフ。自分の“好き”を見つけてとことん追求する生き方は素敵だと、終始笑顔で話すななたびさんに教えてもらいました。
ななたびさんのN-VANカスタムに至るまでの半生はこちら
過去のカスタム時の紹介記事はこちら
文/田中 瑠子
写真/やまひらく
編集/くらしさ(TAC企画)
撮影協力/&GREEN 龍ケ崎