ねこ森町を流れるどんぶら川。
その川の上流にはざあざあ滝があります。
滝の上には見事な桃園がありまして。
桃園からさらに奥に行くと沼があります。
ひっそりと木立に埋もれているので『ひっそり沼』。
沼の主は亀宿禰(かめのすくね)じいちゃんです。
12月も半ばを過ぎたある日。
宿禰じいちゃんは日向ぼっこを嗜んでおりました。
ねこ森町はいつも、ちょうどいいお天気なのです。

ときおり魚たちが立てる水音、ちゃぷん。
風は緩やかに吹き、散り残った紅葉を揺らします。
自然の奏でる心地よいハーモニーの中、
宿禰じいちゃんの耳がひそかな会話をとらえました。
「やはり冬至の宴の果てた直後が好機ですぞ」
この声は今年の歳神、蛇麻呂(へみまろ)でしょう。
「みんな、ぐでんぐでんで、ぐっすりですもんね」
こちらは登竜門をくぐって龍になった鯉太郎くんです。
宿禰じいちゃんの耳はごまかせないのです。
「宴はいつでしたっけ」
「ふむ。こちらのねこねこ暦によると……」
ひそひそ、がさごそ。
冬の折り返し、冬至点。
地球で太陽の南中高度が最も低くなる時。
今年はニポン時間で真夜中になります。
12月22日、00:03。
人間界のカレンダーでは12月22日が冬至の日。
けれど猫たちの宴は21日の日没から。
日付をまたいでどんちゃかするようです。
「ほんに、すぐ次の宴が控えておるのう」
「クリスマス、ですね」
「例の件については既に羽巣手戸さまもご承諾」
「御方さまは、さぷらいずがお好きですもんね」
「ふふふ。では御前で打ち合わせなど」
「そうしましょう、そうしましょう」
かさこそ、かそこそ。ず~るず~る。
ふたりの気配が遠ざかってゆきます。
おそらく、ねこ神社に向かうのでしょう。
何をたくらんでおるのやら。
やわらかな冬の日差しがぽかぽか。
甲羅干しには最適の日。
宿禰じいちゃんはうとうと。
今日もねこ森町は平和です。
・・・・・
^・ω・^ ちきんこんそめ。
^・ω・^ 採用!

わいわい、きゃっきゃ。
何を相談しているのかな。
^・ω・^^・ω・^ いろいろー。

楽しそうでなによりです。

