十月六日は中秋の名月です。

例によってねこ森町はおおわらわ。
宴の準備が行なわれております。
「はいはい、こっちですよー」
小次郎くんの先導で、えっちらおっちら。
猫たち総出で大きな鍋を運んでおります。
「もう少しです。がんばってー」
よいとこどっこい、えいこらしょっと。
モノリスの原の真ん中にででどん。
特別な大鍋が鎮座ましました。
わあっと大きな歓声が沸き上がります。
ねこなべ会。
名月の夜にはみんなでこの鍋を囲むのです。
自分たちが鍋に入るわけではありません。
めいめいが好きなものを持ち寄ります。
いわゆる闇鍋スタイルですね。
「くれぐれも食べられるものでお願いします」
小次郎くんが何度も念を押しています。
もちろん、ねこ森町のことですから。
ただの闇鍋で終わるわけがありません。
月の上ではぺったらこ。
ウサギたちがお餅を搗いています。
まあるい月が天の一番上に昇った時、
ころころころころ
ぽちゃん ぽちゃん
月光のスロープを伝って転がって、
まあるいお餅が猫たちの鍋にダイブするのです。
その美味しさときたら
ふわふわ もちもち
とろとろ じゅわっ
思い浮かべただけでも、
じゅるり。

お口から滝のようなよだれが垂れるほどです。
メインのお餅をさらに引き立てるために、
猫たちはまあるい頭を絞ります。
「お鍋には何を入れたらいいかしら」
みんながめいめい選んだ具を全部入れて。
ぐつぐつ煮込んで、かき混ぜて。
わいわいがやがや。カオスを楽しんだその後に。
闇鍋は月のお餅をお迎えして、光鍋に変貌するのです。
ああ、一夜だけの特別なお鍋。
空っぽのお鍋をぐるりと囲んで、
猫たちはうっとり空を見上げます。
十月六日の名月の宴。
きっと素敵な夜になるに違いありません。
万事滞りなく調えなくては。
猫たちは今日も大忙しなのです。

^・ω・^ 芋名月。猫にはサツマイモで。

