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おしり洗浄は中までしっかり!? 家電アドバイザー試験の珍問題

「家電製品アドバイザー」という資格を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか

家電アドバイザー資格をご存じですか? 正しくは「家電製品アドバイザー」という名称で、家電の選び方や使い方などをより詳しくアドバイスできるよう、家電量販店の販売員さんなどが多く取得しています。

筆者も昨年9月に受験し、無事に合格。さらに得点率90%を超えた人に付与される「エグゼクティブ等級」なるものを取得できました。今回は資格の内容と勉強法のほか、問題集に掲載されているちょっと変わった珍問題などをご紹介したいと思います。

試験は毎年3月と9月に実施され、9月分の申請は8月10日まで受け付けています(受験期間は9月1日~14日)。最新家電の動向や、家電が動くしくみに興味があるなど、気になった方はこの資格試験にもトライしてみてはいかがでしょうか。もっと家電に詳しくなって、日常生活にも役立つことがあるかもしれません。

家電製品アドバイザーとは?

家電製品アドバイザーとは、一般財団法人 家電製品協会が実施する資格制度です。同協会では「家電の購入や使用の場面でお客様のよき案内役として、家電製品に関する豊富な知識と最新の情報によりお客様のニーズに合った製品の的確な選択やご提案、また家電製品の上手な使い方などをアドバイスする人材を認定する資格です」と案内しています。

家電量販店では店内に家電製品アドバイザー資格取得者の名前や顔写真を掲示したり、名札に記載していたりすることがあります。お店に家電を買いに行くとき、担当してくれた店員さんが家電製品アドバイザーだと、より安心して相談できそうですよね。店員さんではなくても、テレビで見かけるような家電芸人や、家電を紹介するYouTuberにもこの資格を持つ人は多いようです。

家電製品アドバイザー資格には「AV情報家電」と「生活家電」の2つの資格区分があり、同時に両方を受験、あるいはいずれか一方のみを受験することが可能。両方に合格すると「総合アドバイザー」資格が付与されます。

「AV情報家電」と「生活家電」の両方に合格すると「総合アドバイザー」を名乗れます

試験科目は「AV情報家電 商品知識と取扱い」と「生活家電 商品知識と取扱い」、共通科目の「CSと関連法規」の3種類。例えば生活家電資格のみ取得したい場合は、「生活家電 商品知識と取扱い」と「CSと関連法規」の2科目を受験します。

試験は各科目15問、200点満点で、合格基準は各科目で得点率がおおむね70%以上とされています。さらに得点率90%以上を達成すると「エグゼクティブ等級」が付与され、AV情報家電と生活家電のどちらか一方の場合はゴールドグレード、両方90%以上だった場合はプラチナグレードの称号を得られます。ちなみに筆者は両方受験して総合資格を取得、生活家電のみゴールドグレードに認定されました。

得点率90%以上を達成すると「エグゼクティブ等級」が付与されます
筆者は生活家電のみゴールドグレードに認定されました。AV情報家電もエグゼクティブ等級になると、プラチナグレードに

なお、資格の有効期限は交付日より5年間で、更新制度も用意されています。受験資格については、学歴・年齢・性別・国籍による制限はありません。

今からでも間に合う? 勉強法

上述した通り、家電製品アドバイザー資格では少なくとも2科目を受験しなければなりません。総合アドバイザーを目指すのであれば、「AV情報家電 商品知識と取扱い」「生活家電 商品知識と取扱い」「CSと関連法規」の3科目が必要です。

試験科目は「AV情報家電 商品知識と取扱い」「生活家電 商品知識と取扱い」「CSと関連法規」の最大3つ。なお、筆者が購入した2024年版テキストはNHK出版から刊行されていましたが、2025年版はオーム社から出ているようです

共通科目の「CSと関連法規」では、CS(顧客満足)に関連する接客時のマナーや、家電を販売する際に必要な法律知識が問われます。例えば敬語の使い方など、一般的な内容も多く含まれるため、勉強は進めやすい方なのではないかと思います。

一方、地道な積み重ねも必要なのがAV情報家電と生活家電、それぞれの「商品知識と取扱い」です。これらは量が膨大で、専門的な知識も問われるため、普段から家電の情報に触れていない人にとってはひと苦労となります。

筆者はAV家電については素人で、テキストを読み進めてもちんぷんかんぷんな状態でした。そこで筆者がとった、力技ともいえる勉強法をご紹介したいと思います。

利用したのは公式テキストと問題集。まずやることは、「問題集に出ている内容を、テキストで探して線を引く」です。問題集には1科目につき15問×2回分の設問があるため、60問分すべて線を引いていきました。このとき、問題集を解く必要はなくて、ただ線を引くことに集中します。

基礎知識がほとんどない科目は、先に線を引いておくと要点が押さえやすいです

すると、いくつかの問題で内容が重複しているため、テキストには二重線、三重線になる部分が出てきます。アンダーラインが多い章や節は、自然と押さえておくべき大事な部分となっているため、ここを重点的に覚えていくことにしました。

もちろん、線を引いていない部分から出題されることもあるので、テキストの通読は必須。ですが、テキストを読み進めているあいだにも、線を引いている部分が多ければ「このあたりはしっかり読み込んでおいた方がいいな」と視覚的にわかりやすくなっています。

こうしてテキストを読んだら、今度はきちんと問題集を解いてみます。そこで間違えた部分は、最初に線を引いた色とは違う色でテキストにチェック。このチェックが多い場所イコール、自分が弱い部分となるわけです。チェックが多い部分は丸暗記する勢いで頭に入れました。

最初に線を引く作業だけ少し時間がかかりますが、それさえ終わればあとはテキストを読んでいくだけなので、個人的には効率よく、気軽に勉強に取り組めました。テキストひとつ持ち歩けばいいので、通勤時間などにも勉強を進めやすかったです。

「商品知識と取扱い」の科目では、IoT機能や冷蔵庫・洗濯機といった製品の進化ポイントなど、意外と最新情報も問題として採用されている印象でした。受験予定の方は、ぜひ家電 Watchで新しい家電の情報もチェックしていただけるとうれしいです。

慣れないパソコンでのCBT試験

家電製品アドバイザーの試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。マークシートなどの筆記試験とは異なり、パソコンを使って進めていく方式です。

試験実施期間は2週間ほどで、自身で試験日時と会場を選択。会場は都内であれば新宿や渋谷、赤羽、立川など20カ所以上あり、会場と日程にはよりますが開始時間も複数時間帯から選べました。

会場に着いて受付を済ませると席に案内されますが、周りにはすでに試験を開始している人もちらほら。一斉にスタートするわけではなく、人によって開始時間が異なれば受ける試験も違ったりするのがCBT方式の試験会場のようです。

筆者はこれまで筆記試験しか受けたことがなかったため、その雰囲気に少しビビりました。パソコンが急にシャットダウンしちゃったりしたらどうしよう……とかそんな不安を感じたりも。

そんなCBT試験初心者のためにか、家電製品協会の公式サイトには試験の疑似体験版が用意されています。当日の不安を少しでも減らすために一度トライしておくとよさそうです。

おしり洗浄は中までしっかり!? ちょっとおかしな珍問題

試験の出題形式には穴埋めや選択問題などがあり、「選択肢のなかから間違っているものを選びなさい」といった問題のために、ちょっとおかしな選択肢が用意されていたりします。なお、下記の問題はすべてNHK出版「家電製品アドバイザー資格 問題&解説集 2023年版/2024年版」に収録されているものです。

CSと関連法規

ますます高齢化が進む社会にあって、パソコンやスマートフォンなどに接する機会が少なかった世代に、現行の最先端商品を理解して使いこなしていただくためには、高度な商品知識と専門用語を駆使した説明が必要である。

……うん、なんかだめそう。答えは「×」です。正しくは「より高度なお客様目線と商品知識および説明スキル」が必要とのこと。それに年代問わず、専門用語はできるだけ避けて、わかりやすく説明できるといいですよね。

生活家電

一般社団法人 日本レストルーム工業会は、温水洗浄便座の利用について、「局部を内部までしっかり洗うことにより清潔に快適に保つ」ことや、「おしり・ビデとも洗浄時間は(所定の水圧下で)1分程度を目安に使用する」ことなどをすすめている。

これは絶対にアカンやつ。答えは「×」で、正しくは「適度に局部の表面を洗う」「洗浄時間は10秒~20秒を目安に」です。テキストでは、局部内を洗うと常在菌を洗い流してしまい、体内の菌バランスが崩れる可能性があると解説しています。また、便意を促すために使用しないようにとも記載されているため、思い当たるフシがある人は気を付けるようにしましょう。

こういったおもしろい問題だけでなく、例えば「(炊飯器でのごはんの保温は)4時間以上なら保温のためのエネルギーより、電子レンジで温め直すエネルギーのほうが少なくなる。ただし、約7時間~8時間以上保温するなら、2回に分けて炊いたほうが省エネになる」といったお役立ち情報も。

日常的に使う家電について学び、正しい知識を身に着けることは、省エネや節電につながるだけでなく、思わぬ事故を防ぐことにもなるでしょう。本記事を読んで少しでも気になった方がいれば、この夏、家電製品アドバイザー資格にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

鄭 恵慶