ハロウィンですね。
朝っぱらからホラーマンガの話ですみません。
昔、私が学生だった頃、夢中になっていた『ハロウィン』というマンガ雑誌の思い出を書こうと思います。
中二病とか、記憶違いとかあると思いますがご容赦を。
概要
出されていたのは1985年の12月から、1995年の11月だったそうです。
私がこれを読み始めたのは1987年の秋頃から、1994年くらいで、廃刊までは付き合えませんでした(理由は後述。)
発行元は朝日ソノラマ。この会社は、今は失くなってしまって、後継としては朝日新聞出版という会社があります。
表紙はこんな感じで、マンガのイラストではなく、季節季節のイメージに沿ったホラーっぽい写真を撮って、それに、掲載物のタイトルをちりばめるという感じでした。
https://doflow.brokerhot.baby/index.php?main_page=product_info&products_id=83637
この雑誌の創刊当時、まだ、行事としてのハロウィンは日本に定着してなかったと思います。
読んだことはないですが、同時期に『サスペリア』という雑誌もありました。
これが、外国のホラー映画のタイトルに由来してるようなので、同様に、『ハロウィン』というタイトルのホラー映画から来ているのかもしれません。
マンガ執筆陣
ベテラン系の皆様
楳図かずおさん
創刊時には書いてらっしゃったそうですが、私が買っていた頃は、執筆陣の中にはいらっしゃいませんでした。名前を冠した『楳図賞』の審査員はしていらっしゃいました。
まつざきあけみさん
『華麗なる恐怖シリーズ』昭和30年代を舞台にした、作家と編集者のコンビが遭遇する怪奇事件を一話完結で連載してました。少女マンガ系のきれいな絵で、結構人間のえぐいとこを書く話が多かったですね。「犬姫御殿」という話が印象に残ってます。
つのだじろうさん
『新説百物語』お寺の娘さんの女子高生と、その級友、お父さんの住職、お知り合いの心霊研究家などが遭遇する怪奇を書く話。割と霊的な教訓話が多めだったような。(こっくりさんやったらいけないよ、みたいな。)
タイトルを忘れましたが、孤独死して、顔がない……と訴える幽霊になってしまった人のオチ(真相)が、今となってはありふれたものになってしまったのが悲しいです。(ドラマ『一人で死にたい』で似たようなエピソードが……。)
ここで実質デビューしたのかな?系の皆様
篠原烏童さん
デッサンがしっかりして線の細かいきれいな絵と、ホラーというよりファンタジーに近いストーリーが好きでした。
『妖獣の門』体の中に、人食い獣の住む異次元との接点を封じられた一族の女性の話。現代(当時の)ロンドンが舞台。ウルド、スクルド、ヴェルダンディという名前はここで覚えました(笑)。
『幻惑の摩天楼』ニューヨークで、ビッグを目指さない女性歌手と、その恋人のジャーナリストが遭遇する怪奇と、恋人の属していた魔術結社の陰謀の話。
『純白の血』人の生気を吸う吸血鬼と、植物の生気を吸う吸血鬼のコンビが、数十年ぶりの現代ロンドンに帰り、かつての因縁のある人間の子孫たちと織り成す話。作中に出てくる、環境問題を例えた、1日で2倍に増える蓮の話、が今となっては……と思います。
永久保貴一さん
少年マンガ系の絵で、民俗学や社会派な問題を織り込みつつ、ヒーローもののテイストで行く作風。
『変幻退魔夜行 カルラ舞う!』霊感はあるが祓えない姉と、祓う念力はあるが霊視のできない妹という霊能者家系の双子の姉妹が、内調の刑事の依頼と協力を受け、霊的な陰謀を解決していくシリーズ。
私が読んだのは3シリーズ目の『飛騨怨霊絵巻』くらいまで。
『白粉婆』読みきり作品ですが、介護保険もなかった頃、認知症の問題を扱った作品。当時はひどい人だと思ってた、お婆さんの娘さんがどうしてそうなったのか……今となってはよくわかります。
他誌デビュー・掛け持ち?系の皆様
御茶漬海苔さん
ガサガサした線と壮絶なスプラッター描写が持ち味。
『惨劇館』映画館で上映される作品という体で描かれる? 原則一話完結シリーズ。上記の通りの作風なのですが、たまに人情話というか人の善意をチラッと見せる話があったりしました。
山本まゆりさん
少女マンガ的作風で、友人? の霊能者、寺尾玲子さんの実録話を描いてました。
『魔百合の恐怖報告』色々な霊体験が出ていました。以前描いた「霊能者さんの診たて違い」の知識はこちらから。
木村直己さん
永久保さんと同じような、少年マンガ系の絵柄、学園ヒーロー物な作風。
『ダークキャット』猫と人の魂が融合した存在が、学校の悪を切る話。
永久保さんの『カルラ舞う!』が政治家などの「巨悪」を相手にするのに対し、割と身近ないじめや先生の無理解・体罰等の問題が化け物を産み、それを退治するところが違います。でも割と王道ヒーロー物ぽい印象でした。
JETさん
他社の少年誌でデビューし、こちらでもシリーズ連載を受け持った方。デッサン力に支えられた画力で、内蔵やゾンビもすごく写実的というか、解剖学知識あるんじゃないかと思わされました。緩急のあるGペンによる力強い線が好きでした。ストーリーは、結構えぐかったです。
この人の話を読むために『ハロウィン』を買い始めました。
『倫敦魔魍街』小説のホームズに憧れた狼男が、幼馴染みの吸血鬼を誘って、ホームズとワトソンを名乗るという、設定はギャグ。ですが、話はかなり人間の暗黒面とか、予想外の罪を知らずに犯してしまったりする悲しさをよく描いていました。特に作中、ホームズが善意から、とんでもない罪を犯してしまっていたことを突きつけられる話が、辛かったです。
ドラマカセットもでて、一作目は買いました。冒頭の悲鳴が怖く、そこだけ早送りして聞いてました(笑)。
『オペラ座の怪人』ミュージカルで有名な、オペラ座の怪人のコミカライズ。ミュージカルと原作小説をアレンジして百ページに収めた作品。ガストン・ルルーへの愛が、みなぎってます。
楳図賞受賞者の皆様
おそらくは『ハロウィン』専属の作家を育てようという意図のもと、開催された新人賞。第一回の受賞者がかの有名な伊藤潤二さんです。毎年一人は受賞者が出ていましたが、伊藤さん、氷室さん以外あまり大成しなかったような印象。(いや、廃刊前に離れちゃったから、その後のことはよくわかってないんですが。)
人の暗黒面を描くホラーというジャンル専属、というコンセプトに無理があったのかも。(本格的に描ける人ほど負担が半端ないと思う……。)
伊藤潤二さん(第一回佳作受賞)
ガサガサした線とデッサンのしっかりした独特の絵。ストーリーは、私にとって「怖い」というより「奇妙」な読後感をもたらす話というか、話のオチが「起承転結」にならずに「転」でぷつっと終わるような印象を持ってました。
デビュー前は歯科技工士さんをされていたそうです。
話の筋はあれこれ覚えてはいるのですが、タイトルを忘れてしまって……。
氷室奈美さん(第二回佳作受賞)
勢いのある線と、タロット占術その他のオカルト知識で武装した作風でした。ヒーロー物と思わせつつ、時々読者を突っ放すような展開が入ったりして冷や汗をかかされました。
受賞時21歳の若さだったとのことですが、ご実家がペンションをしていて、人間観察の眼が若くして養われていたのかな……と。(実家自営業の人って、勤め人の子より大人びてる印象。私見ですが。)
『タロットロード』『タロットウォーズ』多分これでタロット占術にはまった人は多いと思います。エンタメ系女子高生セミプロ占い師の主人公が、知識と機転で悪魔と戦って行く話。
その他の連載特集ページ
霊能者・寺尾玲子さんの心霊質問箱
当時のホラー漫画さんの悩みとして、読者から心霊系の相談が来てしまうということがあったそうです。そういうものを書いていると、作者が作品と混同されるのでしょうかね。10代の未成年者が読者に多かったでしょうから、仕方がないですが。
そういう相談を受け付ける場所としてか(?)、前述の実録マンガの霊能者、寺尾玲子さんが、読者の質問に答える、というコーナーが発足しました。
私は霊感がない人間なので、あまり内容を覚えていないのですが、「こっくりさんはやっちゃダメ」というのは覚えてます。
本が出てました。↓
一番上のがハロウィン連載分(高いです)、
その後のものは、姉妹誌の『ほんとにあった怖い話』とその後継誌『HONKOWA』の掲載分のようです。
私にとっての出会いと別れ
私が読みはじめたのは1987年の秋ごろじゃないかなと思います。そこからタロットウォーズが終わるまでくらい(1994年)までは読んでました。ただ、私も長ずるに従い色々あって、ホラー、ひいては物語が辛くなっていき、フィクション全体から離れていきました。
廃刊されたと知った時に、罪悪感を感じもしましたが……。
ホラーを求めてというよりも、「きれいな絵を求めて」買っていた記憶があります。それによる楽しみが、ホラーの暗さによるストレスより下回った時、やめてしまったような気がします。
本当に、特にJETさん、篠原さんの絵には憧れてたし、永久保さんの日大文理学部漫研の話に憧れて、日大を受けたりしました。(←アホ。落ちましたが……。)
氷室さんのマンガ読んでタロット始めたしね。(いまだに78枚フルデッキ覚えられないんですが。)
10代の7年間は、長いですよ……。いろいろありがとう。
増刊号(姉妹誌?)のその後
姉妹誌の『ほんとにあった怖い話』、『眠れぬ夜の奇妙な話』は、本家の『ハロウィン』がなくなったあとも出版され、後者はもう廃刊されてますが、前者は『HONKOWA』という後継誌になって、まだ続いているようです。
ここで挙げた作家さんのなかで、語り足りない人、ここで語れなかった人や作品についても、後日語れたら語ります。
長い文章にお付き合い下さり、ありがとうございます。
では。
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