- 開会式での自分の首を持つマリー・アントワネット
- 賛成派の意見
- 批判的な声
- オーストリアやハプスブルク家関係者からの見方はどう?
- そもそも、子供に見せられるもんじゃない、という問題
- 結局は一種のガス抜き? 今後のフランス社会の行方は
- おまけ イタリア首相の受難
開会式での自分の首を持つマリー・アントワネット
時差の関係で、2024年パリ五輪開会式を見られず、NHKのデータに当たろうにも約240分(4時間)もあるのにたじろいでいたら、X(Twitter)経由でとんでもないものが飛び込んできました。
自分の首を持つマリー・アントワネットの映像。
フランス革命をイメージしての映像の一環らしいのですが、ネットでは賛否が分かれているようです。
パリ五輪開会式「首を持つ王妃」演出に賛否沸騰 「恥知らず」「メダルに値する」https://t.co/9vm7c9JzlU
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2024年7月27日
18世紀のフランス革命で処刑された王妃マリー・アントワネットがギロチンで切り落とされた自らの首を持って登場するパフォーマンスがあり、世界に衝撃が広がった。
ちょっとX中心に賛否の意見を拾って、記事を一つでっち上げてしまいましょう。
賛成派の意見
パリ五輪開会式いいね。
— しの (@shinobiga404) 2024年7月26日
ギロチンのマリーアントワネットから始まり。ミニオンとモナリザ。レディーガガ。エッフェル塔のライトアップ。セリーヌ・ディオン『愛の讃歌』を披露
聖火リレーの聖火ランナーはジダン
歴史、芸術、ファッション、アニメまで豪華で重厚な開会式#パリ2024 #開会式 pic.twitter.com/5YzTsYKuwx
パリ五輪の開幕セレモニー。フランス革命の映像から、ギロチンにかかったマリーアントワネットが歌い、湧き上がる炎の中、ゴジラによるヘビメタ演奏。そして真っ赤に染まるパリの街並み。これはめっちゃ攻めてる。何かとコンプラでがんじがらめになっている現代に、こういう表現ができるのが羨ましい。 pic.twitter.com/MyQ625Bbi3
— Brandon K. Hill | CEO of btrax 🇺🇸x🇯🇵/2 (@BrandonKHill) 2024年7月26日
色々と制限が厳しくなる中に、自由さを評価する声↑。
共和制万歳!フランス万歳!を評価する声↓。
国から切り捨てられたジャンヌ・ダルクが、国が求めたことで死後にようやくパリ入城を果たす。王妃たるアントワネットは生首演出。王に見捨てられたジャンヌは英雄として凱旋演出。最高にエッジが効いている。徹底して王政は敵であり、王政を壊して成り立った国だと示すパリ五輪開会式。フランス万歳!
— カカオ99(カカオ・ツクモ) (@netinago99) 2024年7月27日
まあ美術史追っていると、パリにはそういう面もあるとなんとなくわかりますが……↓。
フランスくんは文化の中心地であると同時に、血生臭くなきゃいけないし、シャンゼリゼの美しい表通りから一歩入ったら、娼婦とごろつきと売れない芸術家が飲んだくれてる安酒場がないとダメなの! それがフランスなの! というフランス厄介オタク
— 織部ゆたか (@iiduna_yutaka) 2024年7月27日
まあそんな感じですよね↓。
「フランスは一番日本と感覚が対極にある国で、フランスの文化や感性、国家観を知るとそれを絶賛して『フランスすげー』と全肯定するのと、反対に『こんな国とんでもない。マジで嫌い』ってなる人に分かれやすい」というのを昔先生から聞いたけど、五輪のセレモニーへの反応もまさにそんな感じだ。
— 織部ゆたか (@iiduna_yutaka) 2024年7月27日
批判的な声
歴史の復習になるパリ五輪(^^;)
— さちみりほ@8/12 V31ab (@sachimiriho) 2024年7月27日
フランスはアメリカ独立戦争を助けた事で財政破綻が加速してフランス革命に繋がったまで追加で
アントワネット様のせいじゃなく、戦争しまくりながらベルサイユ宮殿建てたルイ14世あたりが発端。
革命側はオーストリア女のせいにしたかったんだろうけど。 https://t.co/PyLSNGbICn
ほんこれ。近年では有名な「パンがないならお菓子を食べればいい」というのは、アントワネットの言葉ではないらしいことが分かってきている中で、これはないと私も感じます*1。
アントワネットの夫、フランス王ルイ16世がアメリカ独立戦争に肩入れしたのは、英国の力を削ぐ目的であって、共和制に共鳴したわけではないでしょうし、失政と言えば失政だったのでしょうが。
とゆーか、革命万歳を唱えるなら、生首を抱えさせるのはルイ16世にすべきなのでは?革命万歳と言いながら、矢面に立たせるのは外国から来たアントワネットの方、という点に「自国の王」を非難しきれないセコさを感じます。
オーストリアやハプスブルク家関係者からの見方はどう?
そもそも有名な話ですが、マリー・アントワネットはオーストリアの女帝、マリア・テレジアが、16人生んだ子供のうちの第15子で、政略結婚でフランスに嫁いできた人です。*2。
参加国の中には当然オーストリアもいるのに、という意見も日本のX上ではちらほら。ただ、オーストリアも第一次世界大戦後、帝室に敗戦責任を取らせ、ハプスブルク家を退位させているので、フランス同様、一般市民はアントワネット含めて、帝室の人間は敵、とみているのかなとも思いました。
それでもハプスブルク家の血を引く人にとっては、自分たちのひいひいひい……(×いくつだろ?)おじいさんかおばあさんの妹かお姉さんで、異国に嫁いで、政変に巻き込まれて殺されてしまった人、になるはずだよなあ、と思っていたら、案の定↓。オーストリアの人ではありませんが。
パリ五輪開会式のアントワネットのアレ、ショーとしては好きな方だけど、ハンガリーのオリンピック委員がアントワネットと同じハプスブルク家の人らしい… https://t.co/Zt1vLHmj9d
— 棒手振子 (@botefuriko) 2024年7月27日
おお……もお……。ハンガリーはオーストリアと二重帝国だったこともあるので、ハンガリーに、ハプスブルク家系の人がいてもおかしくないんですよね。
この↓エドゥアルト大公というのは、オーストリアではなく、ハンガリーの駐バチカン大使みたいです。
……やっぱりこういう意見になりますよねえ……。
パリ五輪の開会式の演出についてハプスブルク家のエドゥアルト大公(バチカン大使、フランツ=ヨーゼフ皇帝の子孫)が皮肉する。
— はくえー(蔵書手放し中:詳細は固定へ) (@tomoshibi6o6o) 2024年7月27日
「フランスでは首を切られたアントワネット王妃にある種の執着があるようですね」
「五輪といえば、ハプスブルク家の首を切ることと、キリスト教中心の行事を嘲笑した」 https://t.co/yFUnmd8CMW
書いてて気がついたのですが、最近、EU内で、フランスやドイツなどのリベラル姿勢に対し、ハンガリーはどちらかといえば反対の態度をとって対立してたことを思い出しました。アントワネットの扱いは、オーストリアに対してではなく、ハプスブルクゆかりの人が委員をつとめているハンガリーへの皮肉……というのは裏読みしすぎですね、きっと。
オーストリア人も否定的な意見の人はいるみたいです。
そもそも、子供に見せられるもんじゃない、という問題
マリーアントワネットの首ちょんぱに限らず、老若男女問わず見られる開会式か、という視点でも意見を言う方も。
パリオリンピックの開会式がひどすぎたので家族が途中で見るのをやめた。おっさんが乳首をちちくる画面で子供が怖がってチャンネルを変えてと。子供に見せられない開会式を放送してフランスは何をしたいのだろう?
— May_Roma めいろま 谷本真由美 (@May_Roma) 2024年7月26日
それで、この首ちょんぱ騒動で思い出したのですが、約30年前のアルベールビル冬季五輪の時、小学生ぐらいの少女が、澄み切った声でフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌うという美しい演出があったのですが、肝心の国歌そのものがあまりに血なまぐさい歌詞*3だったため、「子供に歌わせる歌詞なのか!?」と、主に教会関係者から意見が出て、議論になったことを思い出しました。
検索してみたらブログ記事にもなってました。
まあ結局、「そのままでいく」とはなったのですが、30年前には、まだこういう議論が起きる余地があったのですね。それが振り切って今回のこの演出。なんなんでしょう。
結局は一種のガス抜き? 今後のフランス社会の行方は
パリ五輪の開会式では、処刑場所のコンシェルジュリーで、生首抱えたアントワネット王妃が歌うオペラとメタルGojiraの演奏で血塗られた「革命」の演出。
— アライ=ヒロユキ ARAI Hiroyuki (@arai_hiroyuki) 2024年7月27日
パリから一般市民が閉め出され厳戒態勢というグローバルエリートのごり押しで自身が革命で打倒対象なのに、時流を読んだ自己批評性のこの巧みさ。 pic.twitter.com/u03DknPoWb
私も↑に同感です。一種のガス抜きかな……と。ガス抜きにもなってない気もしますが。
↓(文中の「こういう批評」は、今回の開会式の「自由」を称える意見です。)
こういう批評を見て思うのは…
— 緑一色 (@lecceedsserd) 2024年7月27日
今回の「パリ五輪の開会式」に「自由」を「感じれる層」と「そこに自由は無いと感じる層」の対立は、こっから先、確かにあるよな…
という「予感」…
私も、「そこに自由は無いと感じる層」の一人です。これからのフランスの行方、というより、2024年パリ五輪がこれから無事終わるのか*4、とても不安です。
おまけ イタリア首相の受難
メローニさん……😢。
2024パリ五輪、開会式セレモニーにおいて主催側の重大な組織上の誤り。イタリア大統領はずぶ濡れ、マクロンは濡れていない。マッタレッラ大統領と娘のローラさんに簡易レインコートが渡され、イタリアの国家元首を雑な扱いするフランスのオリンピック実行委員会に、イタリア国民から批判殺到。実行委員… pic.twitter.com/eqMcZWuFJS
— ヴィズマーラ恵子🇮🇹 (@vismoglie) 2024年7月27日
メローニ首相が右がかっているから、わざとやったわけではない……と信じたいです……。思想の問題でそれをやったらダメです。
長くなってしまいました。では。
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