BIGLOBEとgooニュース終了の衝撃:日本のポータルサイト市場の行方と再生の可能性
2025年に入り、日本の老舗ポータルサイトが次々とサービス終了を発表し、インターネットユーザーに衝撃を与えています。BIGLOBEは「BIGLOBEニュース」「BIGLOBEサーチ」「BIGLOBE天気予報」を6月下旬に終了し、NTTドコモ運営の「gooニュース」も6月18日にサービスを終了することを発表しました。これらの動きは、日本のポータルサイト市場の構造変化を浮き彫りにしています。今回は、ポータルサイト市場の現状と今後の可能性について深掘りします。
## 相次ぐサービス終了の衝撃とポータルサイト市場の現状
### 老舗ポータルサイトが相次いでサービス終了を発表
BIGLOBEは4月2日までに、トップページのリニューアルに伴い「BIGLOBEニュース」「BIGLOBEサーチ」「BIGLOBE天気予報」の3コンテンツを2025年6月下旬に終了することを発表しました[1][5]。これに先立ち、NTTドコモが運営するポータルサイト「goo」も、1998年から27年の歴史を持つ「gooニュース」のサービスを2025年6月18日に終了すると3月31日に発表しています[10][12]。
このような相次ぐサービス終了は、「かつてはニュース、天気、検索といった情報をワンストップで提供するポータルサイトが主流でしたが、現在ではスマートフォンアプリや専門メディア、AIを搭載した検索エンジンなどがそれぞれの役割を担うように」なった環境変化への対応と見ることができます[1]。
### 日本のポータルサイト市場の寡占状態
現在の日本の検索ポータルサイト市場は、Google(PC:75.76%、スマホ:78.08%)とYahoo!(PC:12.19%、スマホ:21.23%)の2社が圧倒的シェアを占める状況です[4]。国内でポータルサイトを運営する主な企業の売上高ランキングでは、Google(約12兆7100億円)、楽天(約2兆713億円)、LINEヤフー(約1兆6724億円)の順となっています[4]。
一方で、BIGLOBEは2016年にKDDIが約800億円で買収し、その際「通信領域だけでなく決済、物販事業など非通信領域においても両社のシナジーによる事業拡大を図る」という狙いがありました[2]。しかし、現在の状況を見る限り、ポータルサイト事業においては期待したシナジーが得られていないように見えます。
## なぜポータルサイトは苦戦しているのか?
### テクノロジーの進化についていけない老舗サイト
ポータルサイトが苦戦する理由の一つに、テクノロジーの急速な進化があります。特にgooのようなサイトは、UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)の改善やAI技術の導入などの基本的な改革が遅れていた印象があります。検索エンジン市場ではGoogleが技術力で圧倒し、Yahoo!も独自の価値創出に苦戦している状況です[15]。
## ポータルサイトは再生できるのか?買収とテコ入れの可能性
### Web資産としての価値と買収機会
サイト売却(サイト売買)は「企業や個人が運営しているWebサイトを他社に売買するM&A案件の一種」として近年増加傾向にあります[3]。「国内のサイト売却市場は2020年までに3,500億円まで達するとみられており、売り手よりも買い手が多い魅力的な分野」となっています[3]。
また、Webサイトは「不動産や設備などの資産と同じように、継続して利益を生み出す、価値ある資産」と見なされており、「閉鎖するより売却(事業譲渡)」を選択する方が賢明とされています[7]。BIGLOBEやgooのような老舗ポータルサイトも、適切な買い手によるテコ入れで再生できる可能性があります。
### 改善の余地と潜在的価値
特にgooのようなサイトは、基本的なUX改善やコンテンツ戦略の見直しなど、比較的容易に実施できる改善点が多く存在しました。これらのサイトは長年の運営で蓄積された信頼性やドメインパワーがあり、適切な投資とリニューアルによって、再び競争力を持つ可能性があります。
ポータルサイトの宣伝力は依然として強力であり、自社サービスのプロモーションプラットフォームとしての価値も無視できません。実際、Yahoo! JAPANは「月間698億PV(2016年4月~6月平均)を誇り」、「圧倒的な集客力を活用した事業展開に強み」を持っています[13]。
## ヤフー一強体制の問題と多様性の必要性
### 情報源の寡占がもたらすリスク
日本のポータルサイト=ニュースサイト市場がYahoo! JAPAN一社に集中している状況は、情報の多様性の観点から懸念があります。情報源が限られると、情報の偏りやフィルターバブルが生じる可能性があり、健全なインターネット環境のためには複数の強力なプレーヤーが必要です。
### 競争環境の重要性
「Yahoo! JAPANは、国内過半数のシェアを占める圧倒的な集客力を持ち」[13]、この優位性を活かしたビジネス展開をしていますが、競争相手の存在がないことは長期的にはサービスの質や革新性の低下をもたらす恐れがあります。多様なポータルサイトが存在することで、互いに切磋琢磨し、ユーザーにとってより良いサービスが生まれる環境が整います。
## ポータルサイト市場の未来展望
### 専門化と差別化の時代
今後のポータルサイト市場では、単なる「玄関口」ではなく、特定の分野に特化した専門ポータルや、独自の価値提供を行うサイトが生き残るでしょう。例えば、「エムスリー」は「医療情報に特化したポータルサイト」として成功し、売上高約2308億円を誇っています[4]。
### AI時代のポータルサイトの役割再定義
生成AIの発展により、情報収集・整理のあり方も変化しています。従来のキュレーションからパーソナライズされた情報提供へと進化する中で、ポータルサイトにも新たな役割が生まれる可能性があります。ヤフーも「これまで蓄積した膨大なマルチビッグデータを活用し、サービスのパーソナライズ化に力を入れていく」方針です[13]。
## 終わりに:変革の時代におけるポータルサイトの可能性
BIGLOBEやgooのニュースサービス終了は、インターネット黎明期から続くポータルサイト時代の変遷を象徴する出来事です。
ニュース等をやめた真意はわかりません。ニュース配信にもコストがかかるから、単にコスト削減で継続するつもりなのか、撤退準備に入ったのか・・・。
しかしニュースもなくbiglobeに至っては検索も天気予報もなくすというのは大きなコスト削減になるのは間違いありませんが、スタートページに設定するユーザーも激減し、ポータルサイトとしての意味をなさなくなるのは火を見るよりも明らかです。
しかし、これは必ずしもポータルサイト自体の価値が失われたことを意味するわけではありません。適切な戦略とテクノロジー投資により、新たな形でのポータルサイトの復活も可能性として残されています。NTTもKDDIもめぼしいWEBサービスは運営していなかったので相乗効果は限定的でした。
他のWEBサイトの運営主体が適切なポータルサイトの運営をすれば多大な相乗効果が期待できるでしょう。
情報の入り口として、また多様な視点を提供する場として、複数のポータルサイトが健全に競争する環境が、これからのインターネット社会にとって重要であることは間違いありません。老舗ポータルサイトの資産を活かした新たなビジネスモデルの登場に、今後も注目していきたいと思います。
Citations:
[1] https://news.biglobe.ne.jp/trend/0403/oks_250403_1469693048.html
[2] https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08HJ0_Y6A201C1000000/
[3] https://masouken.com/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E5%A3%B2%E5%8D%B4%E3%82%92%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95
[4] https://gaishishukatsu.com/archives/227259
[5] https://rtbsquare.work/archives/54943
[6] https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ05ICW_W6A201C1MM0000/
[7] https://batonz.jp/learn/4966/
[8] https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20071115/287241/
[9] https://it-notes.stylemap.co.jp/webservice/yahoo-japan%E2%86%92-the-ultimate-guide-to-japans-largest-portal-site/
[10] https://otakuma.net/archives/2025033103.html
[11] http://www.t.daito.ac.jp/~t037785/zemi_09ki/internet.htm
[12] https://news.biglobe.ne.jp/topics/it/0331/42189.html
[13] https://iroots.jp/research/14217/
[14] https://news.livedoor.com/topics/detail/28475836/
[15] https://stock-sun.com/column/searchengine-ranking/
[16] https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2003384.html
[17] https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/2004595.html
[18] https://otakuma.net/archives/2025040305.html
[19] https://saitoma.com/blog/baisyuu-kigyou/
[20] https://ureba.jp/lab/website-trading-market-overview/
[21] https://saitoma.com/website/website_biz_cat/portal
[22] https://masouken.com/M&A%E3%83%BB%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E5%A3%B2%E5%8D%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1
[23] https://www.tranbi.com
[24] https://mastory.jp/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%82%B8%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%A8%E3%81%AF
[25] https://www.willgate.co.jp/ma/lpb4/
[26] https://www.tranbi.com/ma-column/detail/?id=154
[27] https://forcle.co.jp/blog/yahooads-share/
[28] https://unique1.co.jp/column/ads/8695/
[29] https://news.yahoo.co.jp/newshack/newshack/21.html
[30] https://www.lycorp.co.jp/integrated-report/strategy/media.html
[31] https://gmotech.jp/semlabo/webmarketing/blog/characteristics-of-yahoo-users/
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