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KDDI最勝寺氏が語る、“サステナビリティへの取り組み”とは

 KDDIは20日、「サステナビリティの取り組みに関する説明会」をオンラインで開催した。説明会にはKDDI 執行役員 コーポレート統括本部 副統括本部長 兼 サステナビリティ経営推進本部長の最勝寺奈苗氏が登壇し、プレゼンテーションを実施した。

最勝寺氏

 KDDIは、中期経営戦略の軸として「サステナビリティ経営」を掲げている。経営戦略に“長期志向”と“社会価値”の観点を組み入れ、持続的な成長の実現を目指していく。

 中期経営戦略の策定にあたり、KDDIグループの重要課題(マテリアリティ)が6つ設定された。「通信を核としたイノベーションの推進」「カーボンニュートラルの実現」などが含まれ、「8つの提供価値」や「25のサステナビリティ中期目標」とあわせて、さまざまな取り組みを進めていく。

 「サステナビリティ経営」の理解や浸透を目的として、「サステナビリティ統合レポート2022」も公開された。

 たとえば「サステナブルな産業・インフラ環境の実現」に向け、「政府目標の5G人口カバー率95%への貢献」「2025年3月期にIoT回線数(累計)の4400万回線達成」などが定量的な目標として設定されている。

 KDDIはサテライトグロース戦略(事業戦略)のなかで、5G通信を核として位置づける。そのうえで、DX(デジタルトランスフォーメーション)や金融、エネルギーなどといった注力領域とあわせて成長を図っていく。

 最勝寺氏は具体的な取り組みの例として、KDDIとWILLERによる合弁会社「Community Mobility」のモビリティサービス「mobi」や、4月に設立された新会社「KDDIスマートドローン」によるスマートドローン活用などを紹介した。

 KDDIは、9月にサスナビリティボンド「KDDIつなぐチカラ債」の発行を決定。社会課題の解決などを主目的としており、10月中の発行が予定されている。

 温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けても、KDDIグループは取り組みを進める。

 KDDIのCO2排出量のうち98%は、携帯電話や基地局、データセンターなどの通信設備における電気使用に起因しているという。これはCO2に換算すると年間約100万トン、一般家庭の約50万世帯分の排出量に相当する。

 最勝寺氏は「今後は5Gの普及と通信量の増大によってさらなる増加が見込まれるため、CO2排出量の削減が早期に必要な状況」とコメント。2030年度にカーボンニュートラルの達成目標を目指す。

 カーボンニュートラルだけではなく、社会全体の脱炭素や循環型社会の実現に向け、KDDIはスタートアップとの取り組みも推進する。

 スタートアップのアミカテラによるプラスチック代替素材「modo-cell(モドセル)」製のストローが、KDDI直営店「au Style UENO」併設のカフェエリア「BLUE LEAF CAFÉ」で試験導入される。

 最後に「サステナビリティ経営」の実践に向けた社内での活動などについても触れた最勝寺氏は、「社会の持続的成長と企業価値向上の好循環を目指す」と語った。