ニュース

【今日は何の日?】災害時に備えて知っておきたい公衆無線LAN「00000JAPAN」が発表された日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 2014年5月27日、「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)が発表されました。これ、いったい何のことか、ご存じでしょうか?

 00000JAPANは、大規模災害が発生するときに運用される SSID です。SSIDとは、Wi-Fi(無線LAN)のいわば“名前”です。自宅のWi-Fiにも設定されていますし、街中の公衆無線LANにも用意されています。たとえばスマートフォンの設定メニューにある「Wi-Fi」にアクセスすると、周囲にあるアクセスポイントのSSIDが表示されるでしょう。

 「00000JAPAN」は、企業の垣根を越えて、「災害時にはこの名前に統一して使っていこう」と定められたSSIDです。運用されるのは、大規模な災害時になり、全国各地に設置された各社の公衆無線LANのアクセスポイントが「00000JAPAN」として無料開放されます。

 使われないに越したことがないサービスではありますが、天災の多い日本では、これまでに幾度か運用された事例があります。たとえば2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震、2019年の台風19号などです。

 無料開放されるWi-Fiですので、普段使う携帯電話会社や端末に関わらず利用できます。また日本に住む人だけではなく海外からの訪日外国人の利用も想定されています。

 もし携帯電話のネットワークが不調になっても利用できるとなれば、とても安心できるサービスです。その一方で、緊急時に誰でも使えるようにすることが最優先となっているため、認証がなく通信も暗号化されていません。

 そこでユーザーとしては、00000JAPAN利用時には、個人情報の入力などを極力避ける、といった使い方が必要です。また「 https:// 」で始まるURLのサイトは、通信が暗号化されています。スマートフォンのブラウザであれば、URL欄に南京錠のマークが表示されますので、その部分を見る、といったことも知っておいてよいでしょう。

 便利なアプリもすでに提供されています。たとえば、公衆無線LANサービスを手掛けるワイヤ・アンド・ワイヤレスのアプリ「ギガぞうWi-Fi」のアプリは、インストールするだけで00000JAPANへ接続できる状態にしてくれることに加えて、00000JAPAN接続時には、VPN(仮想専用線)機能も無料で利用できるようになっています。VPNは、いわばやり取りするデータを暗号化してくれる技術です。ほかにもVPNサービスはいくつかあり、本誌に2月、掲載したレビューでもそうした点をご紹介していますので、ぜひご覧ください。