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フォルダブルスマホ「Galaxy Fold」が日本初披露、Galaxy Harajukuで発表会

 サムスン電子は10日、同社のスマートフォン「Galaxy」シリーズの新製品を発表した。発表された製品は「Galaxy Fold」「Galaxy Note10+」「Galaxy A30」の3機種。発表会では主に、Galaxy FoldとGalaxy Note10+についての紹介があった。

 発表会は、東京都渋谷区のGalaxyの体験施設「Galaxy Harajuku」で行われた。サムスン電子ジャパン プロダクトグループの猪股裕行氏が登壇。Galaxyが日本で展開してから10年の間に大画面スマホのさきがけとなった初代「Galaxy Note」や、当時最先端だったエッジディスプレイを採用した「Galaxy Note Edge」に触れ、Galaxyが巻き起こしてきたイノベーションをアピールした。

実際のスライドでは歴代のGalaxyシリーズがSからS10まですべて列挙されていた

さらに大画面化したGalaxy Note10+

 日本でも徐々に評価され、順調なシェアの伸びを見せているというGalaxyシリーズ。その最新鋭のフラッグシップモデル「Galaxy Note10+」が猪股氏によって紹介された。

猪股裕行氏

 今秋、auからの発売が決まっているGalaxy Note10+は、前モデル「Galaxy Note9」に比べて、画面が0.4インチ大型化した6.8インチディスプレイを搭載。おなじみの「Sペン」はもちろんそのままに、さらに進化を果たした。

Sペンがさらに便利に

 Galaxy Noteシリーズに欠かせないSペンは、更に進化したジェスチャーコントロールを備える。本体のボタンを押しながら左右や上下に振る、または円を描くことでカメラのコントロールが容易に行えるようになった。

Galaxy Note10+

 また、手書きした文字をワンタップすることで、簡単にテキストにできるほか、同じく文字をタップすることでMicrosoft Wordのドキュメントに変換する機能も備える。

書いた文字をタップするだけでテキスト化できる
書き終えた文字の色も変更可能。画像は青→緑→黒に変えている様子

カメラ機能は更に進化

 Galaxy Note10+は、カメラが更に進化した。メインカメラとしてはf2.2の超広角カメラ、f1.5~f2.4の広角カメラ、f2.1の望遠カメラを搭載する。このうち、前モデルでも好評だった、広角カメラは周囲の明るさに応じて自動的にF値を変える、デュアルアパチャーを搭載する。

AR手書き
オーディオズーム。ズームした方向のみの音を集音する。このほか、動画にもライブフォーカスを適用できる

 これら撮影用のカメラのほかに、Galaxy Note10+は、4つ目のカメラとして、深度測位カメラを搭載する。被写体との距離を正確に測位できる。一眼レフのように背景をボカした写真や、背景にエフェクトをかけたビデオの撮影がかんたんに行える。

 また、撮影した動画に、奥行ある絵を描く「AR手書き機能」を搭載する。なお、描いた絵はカメラの顔認識機能により被写体が顔を隠すことで絵が消えたり、出現したりという機能を有している。

フラッグシップにふさわしい処理能力

 Galaxy Note10+は、メモリー12GB、ストレージは256GBとフラグシップにふさわしいスペックを誇る。バッテリーは4300mAh、対応するデバイス同士であれば、ワイヤレスパワーシェアも利用できる。

Galaxy Foldが日本初披露

 この日のイベントでは、初のフォルダブルスマートフォン「Galaxy Fold」が日本初披露された。

牧拓未氏

 サムスン電子ジャパン プロダクトグループ 課長代理の牧拓未氏は、一般的なストレート型のスマートフォンは果たして、ユーザーにとって本当にベストなのかを5年前からサムスン社内で検討していたことを紹介。技術的課題や耐久性、実用性など多くの課題をクリアしてようやく形になったのが、Galaxy Fold。「パワフルなスマートフォンと革新的なタブレットをひとつにした。いままでのものとは全く異なるスマートフォン」と牧氏。

左=展開した様子 右=閉じた様子
半開くらいにした様子。折り曲げてもディスプレイは点灯している

 Galaxy Foldは、本体を閉じると4.6インチのスリムなスマートフォンだが、展開すると7.3インチというタブレット並の広大なスクリーンを使うことができる。ヒンジ部分に境目はなく、文字通りひとつの巨大画面が現れる。

 この特長を活かし、スマートフォンとしては初めての3アプリ同時使用機能を備えている。資料を作りながら、同僚とチャットをしつつ調べ物をするというような使い方が可能になった。

2つのディスプレイをシームレスに移行可能

 また、サブディスプレイで利用していたアプリは、本体を開くだけで自動的にメインディスプレイに表示される。たとえば、地図アプリなどをもっと広い画面で利用したいと思えば画面を開くだけで、メインディスプレイについさっきまで使っていた地図が表示される仕組みになっている。

「もう少し大きい地図を見たい」と思ったら、端末を広げるだけ
画面の大きさがよく分かる
設定画面が異様に大きい。右上はインカメラ

合計6つのカメラを搭載

 なお、カメラはGalaxy Note10+を凌ぐ合計6つを搭載している。メインカメラは、超広角カメラ、広角カメラ、望遠カメラというGalaxy Note10+と同様の構成で、そのほかに、サブディスプレイ上部にインカメラ、メインディスプレイ右上部にデュアルインカメラを搭載している。

 メインカメラは、本体を閉じていても開いていても使えるようになっており、本体を開くことで大画面のファインダーとして利用できる。なお、シャッターボタンは撮影者が任意の位置に動かせるようになっており、手に収まらないサイズでもユーザビリティが考慮されている。

 カメラを向けるだけで、Galaxyが自動的に被写体が何であるかを判別し、最適なモードで撮影してくれるため、誰でも高画質な写真を手軽に撮影できる。

こちらはKDDIがGalaxy Fold用に作ったARソリューション
自由視点映像のソリューション。指でドラッグするだけで好みの視点の映像を見れる

パワフルなスペック

 Galaxy Foldは真新しい構造だけが魅力ではない。そのスペックも最高クラスのものとなっている。チップセットはクアルコムのSnapdragon 855 Plus。12GBのメモリーを搭載し、ストレージ容量は512GBに達する。

 牧氏は「(12GBのメモリーは)もっともパワフルなスマートフォンと言っても過言ではない。まるでPCのようなスペックを兼ね備えているスマートフォンだ」と語る。

 なお、搭載するバッテリーは、4380mAhの大容量で、このほか対応するデバイスを重ねるだけで給電できる「ワイヤレスパワーシェア」に対応する。また、本体のスピーカーは独AKGによるチューニングが施されており、迫力の大画面と相まって快適な動画視聴環境を実現した。

スマホの先駆者として

 牧氏は、「革新的な製品を生み出していく。現在はもちろん、未来のニーズにも応えてスマートフォンのパイオニアとして邁進していく」と今後のGalaxyシリーズにかける意気込みを現した。