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au、運用でポイントが貯まるスマホ年金サービス「au の iDeCo」

 KDDI、KDDI アセットマネジメントは、個人向けの確定拠出年金サービスとして、スマートフォンで利用でき、運用でポイントが貯まる「au の iDeCo」の提供を開始した。

 「au の iDeCo(イデコ)」は、申込から運用、確認、見直しまでスマートフォンアプリで利用できる、個人向けの確定拠出年金サービス。auユーザー向けの特典を用意しているが、auユーザー以外でも申込みが可能。現行制度では申込後に紙の書類への記入・提出が必要になるが、以降はスマートフォンアプリのみで利用できる。今後はPC向けのWebサイトでもアプリと同様の機能の提供を予定している。

 「au の iDeCo」の最大の特徴は、税制優遇といった私的年金のiDeCo自体のメリットに加えて、独自にポイント還元を行う点。運用する投資信託の残高に応じてau WALLETポイントなどでポイントが還元され、auユーザーの場合は残高の最大0.1%が、au以外のユーザーは残高の最大0.05%がポイントとして付与される。例えば残高が100万円の場合は、auユーザーなら年間1000ポイントが付与される。

 運営管理手数料は永年0円。電話のカスタマーサポートも用意する。

 運用する投資信託は安定成長を想定したものから高成長を想定するものまで4種類を用意し、これに定期預金を加えた5種類を組み合わせることが可能。アプリで確認や配分の変更が行える。

 10月24日には都内で記者向けに発表会が開催された。KDDI ライフデザイン事業本部 金融・コマース本部 副本部長の臼井朋貴氏は、「人生100年時代に、さまざまな金融サービスを提供していく」と意気込み、「au の iDeCo」で「資産形成事業に参入する」と表明。「投資の初心者でも簡単に始められる」とアピールした。

 サービスの詳細を解説したKDDI アセットマネジメント 代表取締役社長の藤田隆氏は、スマートフォンを中心にサービスを設計したという点で、比較的若い世代に訴えていく構えで、「iDeCoは早く始めるほど節税効果が高い。iDeCoの加入は100万人を超えたが、対象総人口の1.5%にとどまっている。20~30代は加入していない人が多い」と課題を挙げる。「au の iDeCo」では、スマートフォンを中心にしたこと、ポイント還元があること、手数料が0円で誰でも始めやすくしたことなどを特徴として紹介した。

 発表会ではこのほか、フィナンシャルプランナーの飯村久美氏と藤田氏のトークセッションが実施され、長期・分散・積立という資産運用の基本や、iDeCoの節税効果は大きく、早期に開始することでメリットが拡大すること、「au の iDeCo」の運用商品は5つに絞り込まれ、選びやすくなっていることなどが語られた。

 質疑応答の時間には、少なく見積もっても20~30年後を想定したサービスであり、auとして「続ける覚悟があるのか」と厳しい問いかけも。KDDIの臼井氏は「ある」と回答している。またauのほかの金融サービスとの連携については、iDeCoの現行制度上では制約も多いとしながら、例えば申込手続もすべてスマートフォンで完結できるような仕組みを実現できるよう、関係各所に働きかけていくとしている。