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「AQUOS R7」で指紋が登録できないなら、保護ガラスよりも保護フィルム?

【AQUOS R7】

 そろそろマスクを外しても……なんて考えていたのもつかの間。またもや感染拡大で、今年の夏もちょっと気が抜けない。人それぞれに判断はありそうだけど、個人的にはしばらく外出時にマスクを外せそうにない。

 そんなマスクな毎日おいて、改めて注目を集めたのがスマートフォンの生体認証。記事でも番組でもよく触れているけど、マスクを装着していると、顔認証が利用できない。

 なかでも生体認証がFace IDのみのiPhone X / 11 / 12 / 13シリーズは、画面ロックを解除する度に、マスクを外したり、PINコードを入力していた。あまりの煩わしさに、ある知人はiPhone SE(第2世代)に移行していたくらい。その後、Apple Watchとの連携で画面ロックを解除できるようにしたり、iOS 15.4からはマスク装着時もFace IDが利用できるようになった。

 一方、Androidスマートフォンは元々、指紋センサーによる指紋認証を搭載する機種が多く、あまりマスク装着の影響は受けなかったように見受けられる。かつては指紋センサーを背面に備える機種が多かったけど、数年前から有機ELディスプレイの特徴を活かし、ディスプレイの内部に指紋センサーを内蔵した画面内指紋認証を搭載する機種が主流になりつつある。最近ではかつてXperia Z5などが採用していた電源ボタン内蔵指紋センサーを搭載する機種も増えてきた。

 筆者はメインで利用するNTTドコモの回線で、2020年は「AQUOS R5G」、2021年は「AQUOS R6」を利用してきた。今年5月には2022年モデルの「AQUOS R7」が発表されたので、早速、ドコモオンラインショップで予約。6月に入って、お値段が発表になり、ちょっと(かなり?)ビビったけど、 新開発の1インチセンサーによるカメラは楽しみだし、一新されたデザインも気に入ったので、頑張って買うことにした。発売日には無事に実機が届いたものの、ちょっとバタバタしていて、約1週間後にようやくデータ移行の作業を開始。

 かつてはたいへんだったデータ移行もシャープ製端末の場合、「超かんたんデータコピー」のおかげで、かなりラクになった。基本的には初期設定時に旧機種とUSBケーブルで接続すれば、ほとんどの情報がコピーされる。念のため、NTTドコモが提供する「ドコモデータコピー」でmicroSDメモリーカードにバックアップしておけば、足りないデータを個別に復元することも可能。あとはそれぞれのアプリで、再ログインなどをすれば、移行はほぼ完了。

「AQUOS R6」(左)とUSBケーブルで接続して、「AQUOS R7」へデータをコピー。今回は手持ちのUSB Type-C同士のケーブルを利用したけど、一般的なUSB Type-A~USB Type-Cのケーブルしかないときは、パッケージに同梱のクイックスイッチアダプター(右端)を利用する

 さて、データ移行が完了したら、次はセキュリティの設定。前述の生体認証を設定するわけだけど、「AQUOS R7」は「AQUOS R6」に続き、画面内指紋認証に対応している。指紋センサーは他製品で採用が多い光学式ではなく、米クアルコムの「Qualcomm 3D Sonic Max」を利用した3D超音波指紋センサーを採用する。AQUOS R6のときのレビューなどでも触れたけど、この3D超音波指紋センサーはサイズが大きいため、登録も認証もかなり早い。なかでも指紋の登録はワンタッチ。指の向きを変えながら、何度も画面や指紋センサーをタッチする必要がなく、画面内の指紋認証エリアを1秒ほど、タッチすれば、登録は完了。認証もレスポンスが良く、個人的にもお気に入りの機能のひとつ。

指紋を登録するときは、この動画のように、1秒ほど、指先をエリアに当てると、登録が完了する。認証はもっと早くて、レスポンスもいい

 「AQUOS R6」のときと同じように、今回のAQUOS R7でも指紋を登録しようとしたところ、どういうわけだか、指を当てていることは認識されているのに、登録が完了しない。どの指を当てても同じ。別途、借りていたソフトバンク版の「AQUOS R7」では何の問題もなく、登録できて、認証もできていたのに……。

市販の保護ガラスを貼った状態で、指紋を登録しようと、指紋センサーのエリアに指を当てても反応がなく、指紋を登録できない

 ということで犯人は何かというと、タイトルに書いた通り、セットアップ前に貼った市販の保護ガラスでした。もったいないと思ったけど、試しに保護ガラスを剥がして、指紋の登録を試みたところ、問題なく、ワンタッチで登録完了。もちろん、指紋認証もいつも通りのレスポンス。こうでなくっちゃね。

市販の保護ガラスを貼ってないデモ機(ソフトバンク版)では何の問題もなく、すんなり指紋が登録できた

 じゃあ、自分が買った市販の保護ガラスがハズレだったのかと思い、Amazonをチェックしてみたところ、購入した製品に限らず、いくつかの製品で「AQUOS R7で指紋が登録できなかった」というレビューが投稿されていた。Yahoo!ショッピングなど、他のサイトでも同じようなレビューがいくつも見つかった。もしかすると、「AQUOS R7」の超音波指紋センサーは、市販の保護ガラスを貼ると、うまく動作しないってこと?

 昨年のAQUOS R6も同じ超音波指紋センサーを採用していたけど、思い返せば、ディスプレイの左右が湾曲した形状だったため、保護「ガラス」ではなく、保護「フィルム」を貼っていた。保護フィルムの場合、画面内指紋センサーはフィルム貼付後に指紋を登録し直せば、問題なく利用できていたし、他機種の光学式指紋センサーも同様に、指紋の再登録をすれば、利用できる。

 「AQUOS R7は元々、Gorilla Glass Victusなんだから、別に追加でガラスを貼らなくてもいいのでは?」という意見もあるだろうけど、常に持ち歩くメインの端末は、何らかの形でディスプレイを保護しておきたいというのが筆者の考え。というのも過去に2回ほど、端末を落下させて、画面を割った経験があり、そのうち、1回は貼った保護ガラスが割れたものの、本体のガラスは無傷だった。それ以来、メインの端末にはできるだけ保護ガラスを貼るようにしている。

 ということで、いろいろ調べてみたところ、超音波指紋センサーは振動を検出するしくみのため、追加で保護ガラスを貼ると、振動が減衰してしまい、うまく動作しないことがある模様。その情報を元に考えると、保護ガラスを貼るなら、できるだけ極薄のものが望ましいし、できれば、メーカー自身が「指紋認証対応」を選ぶのがベター。ただし、Amazonなどで販売されている海外メーカーが謳う「指紋認証対応」は、どこまで信用できるのかがちょっと微妙。確実性で選ぶなら、保護ガラスではなく、保護フィルムを選んだ方がいいかもしれません。

 今のところ、市販の保護ガラスを2種類、試してみて、どちらもダメだったので、次は「指紋認証対応」を謳う保護ガラス、一般的なTPUの保護フィルムを購入して、それぞれ試してみる予定。はたして、どうなるでしょうか。