読んでいた本に、ちらりとこの店名が出てきてあまりに懐かしくなりました。
自分の気持ちの置き場として、少しだけ書いておきたい。
最寄りは阪急京都線の河原町駅でした。
河原町通りと木屋町通りを結ぶ細い路地にあった喫茶店です。
まわりは飲み屋さんだったり、ちょっといかがわしそうなお店だったりして、そんな真っ只中にぽつんと純喫茶が佇んでいるのだから、不思議な感じがします。
一本南の通りには築地や、みゅーずがあり、他にもソワレ・フランソア喫茶室もすぐ近くで、純喫茶密集地域だったんですよね。
しかもその全てがあまりに素晴らしいのだから、恐ろしい。
クンパルシータは、タンゴ喫茶。
中に入れば、妖しくもメランコリックな美しい音楽・タンゴが鳴り響き、一瞬で外界の喧騒は消し飛びます。
内装もそんなタンゴのイメージにぴったり。
並ぶのは赤い天鵞絨がはられた椅子。照明が薄暗めの暖色だったこともあり、「深紅の店内」といった印象が残っています。
そんな座席をしきる、黒色のアイアンパーティションが点々と置かれているのですが、これが優美なデザインで非常に良いのだ。
上が槍のように尖ったデザインになっていて、その棘のある美しさみたいなのが、凄く空間に似つかわしかったです。
建物そのものの意匠もとても凝っていて、クラシカルな趣。
そして照明を始めとして、様々な調度品や小物類もどれも美しくて、本当に蠱惑的な空間でした。
ご高齢のマダムがきりもりされていて、そのことも強く印象に残っている。
とても時間をかけながら珈琲を淹れて下さり、実際にサーブされるまで1時間位かかったりもするのです。
色んな意味で、この空間だけ時間の流れが異なっているかのような、そんな気持ちにさせられるお店でした。
お客さんの頼んだものに必要なミルクか何かが切れていて、マダムはゆっくりとした動きで外に買い物に出ていったものの、そこからなかなか帰ってこず、痺れをきらした客は出ていってしまう・・・という場面に出くわしたことがあります。
その位になんでも時間がかかりますが、でも居心地は凄く良かったのですよね。
なんたって、美しい空間とタンゴが堪能できるのだから。
閉店してもう随分時が経つのに、ふと寄った京都のミュージックバーで、このお店の話になったこともあれば、
職場で「そういえば昔京都に、昼間でも薄暗くて音楽が楽しめる店があって。ただ珈琲がなかなかでてこない」「それはクンパルシータ!」という会話をしたことがあったり。
色んな人の心に残り続けているんだろうなと思う。
私は長い歴史の最後の方に数回寄っただけですが、大好きな店でした。
残念なことに、写真はぼけたものばかり。雰囲気だけでも伝わると良いな。
尚、今この場所には日本酒専門の立呑屋があります。
クンパルシータの面影はさっぱりないけれど、日本酒が好きな私はたまに足を運んでいます。
全く違う店になっても行くことになるなんて、不思議な縁を感じます。




自分の気持ちの置き場として、少しだけ書いておきたい。
最寄りは阪急京都線の河原町駅でした。
河原町通りと木屋町通りを結ぶ細い路地にあった喫茶店です。
まわりは飲み屋さんだったり、ちょっといかがわしそうなお店だったりして、そんな真っ只中にぽつんと純喫茶が佇んでいるのだから、不思議な感じがします。
一本南の通りには築地や、みゅーずがあり、他にもソワレ・フランソア喫茶室もすぐ近くで、純喫茶密集地域だったんですよね。
しかもその全てがあまりに素晴らしいのだから、恐ろしい。
クンパルシータは、タンゴ喫茶。
中に入れば、妖しくもメランコリックな美しい音楽・タンゴが鳴り響き、一瞬で外界の喧騒は消し飛びます。
内装もそんなタンゴのイメージにぴったり。
並ぶのは赤い天鵞絨がはられた椅子。照明が薄暗めの暖色だったこともあり、「深紅の店内」といった印象が残っています。
そんな座席をしきる、黒色のアイアンパーティションが点々と置かれているのですが、これが優美なデザインで非常に良いのだ。
上が槍のように尖ったデザインになっていて、その棘のある美しさみたいなのが、凄く空間に似つかわしかったです。
建物そのものの意匠もとても凝っていて、クラシカルな趣。
そして照明を始めとして、様々な調度品や小物類もどれも美しくて、本当に蠱惑的な空間でした。
ご高齢のマダムがきりもりされていて、そのことも強く印象に残っている。
とても時間をかけながら珈琲を淹れて下さり、実際にサーブされるまで1時間位かかったりもするのです。
色んな意味で、この空間だけ時間の流れが異なっているかのような、そんな気持ちにさせられるお店でした。
お客さんの頼んだものに必要なミルクか何かが切れていて、マダムはゆっくりとした動きで外に買い物に出ていったものの、そこからなかなか帰ってこず、痺れをきらした客は出ていってしまう・・・という場面に出くわしたことがあります。
その位になんでも時間がかかりますが、でも居心地は凄く良かったのですよね。
なんたって、美しい空間とタンゴが堪能できるのだから。
閉店してもう随分時が経つのに、ふと寄った京都のミュージックバーで、このお店の話になったこともあれば、
職場で「そういえば昔京都に、昼間でも薄暗くて音楽が楽しめる店があって。ただ珈琲がなかなかでてこない」「それはクンパルシータ!」という会話をしたことがあったり。
色んな人の心に残り続けているんだろうなと思う。
私は長い歴史の最後の方に数回寄っただけですが、大好きな店でした。
残念なことに、写真はぼけたものばかり。雰囲気だけでも伝わると良いな。
尚、今この場所には日本酒専門の立呑屋があります。
クンパルシータの面影はさっぱりないけれど、日本酒が好きな私はたまに足を運んでいます。
全く違う店になっても行くことになるなんて、不思議な縁を感じます。




夜中も営業していて、あのおばあさんとお話ししたこともあります。
旦那様がシベリア抑留からの帰還兵で、おばあさんも満州からの引き上げでソビエト兵相手に命からがら逃げてきたとお話し聞きました。