
藤田嗣治という
画家がいる
乳白色の肌をした
女性と猫を描く
フランスに帰化した日本人
藤田の描く女性に
無意識の
悪女っぽさを感じるのは
私だけかしら
肉感的なようでいて
儚い
陶器の肌をした女性たち
実は
実家に藤田の絵がある
とはいっても
有名な油絵ではなく
小さな短冊
美術品が好きだった祖父
(それで祖母はかなり苦労したらしい)の
所には
画商や画家が
訪ねてきていたそうで
藤田もその内の
一人だったのだとか
藤田と言えば
油絵だけれど
洋画に興味のなかった
祖父は
三枚の短冊を 買い取った
さらさらっと
描かれた三枚のうち
一枚は
叔父が欲しいと言って
貰っていき
実家にあるのは
蟹と花の
二枚の短冊
乳白色の女たちの
面影は
全く重ならない
けれど
異国の地へ渡った画家の
作品らしく
飄々として軽やか